特別な桃
シルフは私がスウィーツを食べる気配で目を覚ます様で、
4千万円を超えた時にお取り寄せしたスウィーツにも反応して
私にとっても元気をくれていた。
そしていよいよ等価交換様の現金表示が5千万円を超えた。
そう等価交換様がレベルがアップしたのだ。
今回は保有数のアップと言う事だったから、
機能的には何も変わらないのだけれど
目標を一つ達成した喜びが私のやる気になっているのは確かだった。
今日はどんな贅沢をして何を食べようか。
私は早速等価交換様にスウィーツのお取り寄せをおねだりした。
カタログを念入りに見て回るが目移りばかりしてしまう。
そんな中『桃』を見つけた。
スウィーツを探していると言うのに果物の桃、
それも桐箱に入って1個〇千円もする桃。
それも3個入りで、
少々お高かったチーズケーキどころの騒ぎじゃないお値段に
私はびっくりしてしまった。
世の中にはこんなお値段の果物を食べる人がいるんだね。
今までだったら私の知らない世界だったけれど、
やっちゃうか?食べちゃうか?
私の知らない新たな世界を覗いて見ちゃうか?
でも、一度足を踏み入れたら戻れなくなるって噂だよ、
もう他のを食べられなくなるって。
そんな世界に踏み込んでしまって本当に大丈夫か?
私は自問自答を繰り返したがそうコレはお祝いなんだ、
等価交換様のレベルアップのお祝い。
と言う事は、少しくらいじゃない贅沢も許されるだろう。
そうこれからも特別な何かが無い限り
こんな贅沢は絶対にしなければ良いんだ、
そう自分に硬く言い聞かせ桐箱入りの桃を購入した。
桃は完熟していて手でもすんなりと皮を剥けたが、
皮を剝かなくても食べられた。
柔らかく口の中ですぅっと溶けていく極上の甘みが
瞬く間に口中に広がってまるでジュースでも飲んでいる様だった。
「ひとりでズルい~」
案の定シルフが起き出して来た。
「シルフの分もあるよ」
そう言って桃をそのまま渡すと重そうに抱え上げ噛り付いた。
スウィーツでは無かったから興味が無いかもと思っていたが、
甘い物なら何でも大丈夫なんだね、そう思っていると
「コレ凄く美味しい~」と
いつも以上に喜んでいる様子に私も嬉しくなった。
そうだよねこんなに美味しくて楽しいのに
値段の事なんて考えちゃ野暮だよね。
私も遠慮がちに食べるは止めて思い切り貪って食べた。
本当にお値段なりの得も言われぬ極上の美味しさだった。
「ごちそうさま~」
シルフは1個を食べ終えると満足そうにお腹をさすっている。
よほど満足したのか「少しゆっくりしようかな~」と言っている。
「ゆっくり出来るの?」
「魔力は結構回復したの~
体も元の大きさに戻せるけど不便だから止めとく~」
「うん、私も今のままの方が楽しいかも」
シルフにそう正直に答えると
「小さい方が好み~?」シルフがそう聞いて来た。
「別にそう言う事じゃ無くて
今のシルフに癒されているっていう意味だよ」私が答えると
「大きくなったらダメなの~?」さらに聞いて来た。
「大きいシルフとはあまり付き合いが無いから分からないよ」
私は思った事を思ったまま答えた。
実際今のシルフは小さい子と遊んでいる様で楽しいのは確かなので
シルフが大きくなったら私はどう感じるのか分からなかった。
「じゃぁこのままでいるね~」
そう言ってしばらく私の周りをパタパタと飛び回って遊んでから
「疲れたから寝るね~」と言って私の体の中に戻って行った。
段々と元気を取り戻している様子も嬉しいが
シルフがすっかり元気になったら
私の中に入っていなくても良くなるのかとそう考えると
離れなくてはならない日が近づいた様で少し寂しくもあった。
「そうだ忘れる所だった。
等価交換様のレベルアップは次はいつですか?」
すっかり忘れていたが等価交換様に確認すると
「累計入金額が1億円を超えた時です」そう返って来た。
1億円かぁ~
また気が遠くなりそうだな、先はまだまだ長いのか
溜息が出る程の金額ではあったが
考えてみたらオール電化家の為にはその位は必要なのだと思い直し
気合を入れ直した。
「確か次のレベルアップでは限定も出来る様になるんだよね」
私は次のレベルアップでの追加の機能を確認していた。
「そうです、そしてその次で時計の改造が出来ます」
等価交換様のその答えに
それは楽しみだ、うん、とにかく一歩づつだと決意を新たにしていた。
新しい目的も見えて来たしレベルアップ頑張りますよ
私は自分自身に強く誓いを立てていた。
名 前 青葉紅愛(聖女)
レベル 21
スキル 浄化6 結界5 ヒール4 キュア4 エスナ2
調合 1
固有スキル 魔力量 ∞ 等価交換 6
読んでくださりありがとうございます。




