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逃亡聖女は引き籠もりたい  作者: 橘可憐
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精霊の加護


シルフが作業を終えたのはそれから12日後の事だった。


「何だか疲れましたの~」

「ご苦労様、これで全部終わったって事で良いの?」

「まだですの~今みんなを呼びますの~

でもその前に私からのお礼ですの~」

そう言って『ウインド』を伝授してくれた。


そして精霊達を呼びよせるためにか何かを念じていた。


すると次々と精霊達が姿を見せ集まって来た。


「ご苦労であった、それではこれから定着させる」

サラマンダーがそう言うと

「みなさん準備は宜しいですか」

アウラがそう言って精霊達に確認すると

「大丈夫よぉ」

「さっさと終わらせてしまおうぞい」

「シルフは大丈夫ですの~」

そうそれぞれに返事を返していた。


私は精霊達の話からこれからいったい何が起こるのかと

何だか少し混乱していた。


「終わったんじゃないの?」

「これから結合した大陸を定着させ

我々の加護をも定着させる必要がある

コオ殿にはもう少しお付き合い願いたい」

「それは構わないけど私はどうすればいいの」

「コオは私と一緒に来てください

そこでもう少しだけ魔力の提供をお願いします」

そう言うと精霊達はそれぞれに

精霊の通り道を使って何処かへと転移して行った。


私はアウラに連れられやはり精霊の通り道を使い転移した。


そこは大陸の端であろう断崖絶壁が続く中で

少しだけ飛び出た格好になった場所で

まるで灯台でも建ちそうな感じの所だった。


するとアウラは私の中へと入り私と同化すると

私の身体を操り出して何かを念じ始めた。


その思念が私の中へも流れ込み始めまずノームと繋がり

サラマンダーと繋がりシルフと繋がりウィンディーネと繋がり

そうして全員と繋がると頭の中に色んな思念が流れ込んだ。


大陸の違和感のない融合、世界を守るための力

実り溢れる豊かな環境、眩しい命の誕生

争いの無い規律ある世界、そして腐敗と堕落の無い文明の発展

願いとも言えないもっと強い意志の様な思念が

私の中に渦巻いていた。


それは私の考えでは無い筈なのに

昔からずっと自分で考えていたかの様に

まるで遠い昔の記憶を思い出したかの様に

私の中に自然に溶け込んでいく様だった。


きっとこれは精霊達の願いの様な意志なのだろう

私はそう考えあるがままを受け入れる様に身体を預け

ただじっとその思念を感じながら魔力を放出していた。



どの位の時間が経ったのだろうかはっきりとは分からない

もう何日も経っている様な気もするし

何時間も経っていない様な気もする。


ただ辺りはすっかりと暗闇に包まれ夜だと言うのは分かった。


するとアウラが私の身体から抜け出て

「ありがとうございました、これですべて終わりました」

そう言った。


「これからどうなるの」

「それは分かりません私達は見守り少し手助けをするだけです」

「これからもアウラと一緒に居られるんだよね」

「そうですねでも私も忙しくなります

そう簡単に人間の前に姿を現してはいられません」

「それは私の前にもって事?」

「少なくとも今までの様には行かないと思ってください」

「もう会えなくなる訳じゃ無いよね」

「そうですねそうなったら私も寂しいです

取り敢えず戻りましょうみんなが待っています」

そう言うとアウラは私を連れ森の中心部へと戻った。


そこには既に精霊達が戻って来ていた。


「私もこれから忙しくなりますがまたお会いしましょう」

まるで別れのあいさつのようにサラマンダーがそう言い

「偶にはお主に酒を貰いに来るかのぉ」

ノームがまるでそう簡単には会えなくなる様な事を言い

「そうですわねぇこれで別れって事になならないわぁ」

ウィンディーネは気休めの様な事を言い

「そうなのです~コーちゃんとまた遊ぶのです~」

シルフはいつもの様に言いながらやはり別れの挨拶だった。


「ちょっと待って本当にこれで最後じゃないよね?

第一ダンジョン作りはどうするのよまだ途中だよ」

私はこのまま別れになってしまうのかも知れないと言う不安から

ダンジョンの話を出し引き留めようと考えていた。


「これからはコオ殿がすれば良かろう」

「私に出来る訳ないじゃん」

「元々コオ殿の魔力を使わせて貰っていたのだ

コオ殿に出来ない訳が無いであろう

ただ私達も初めての事だった故に遣らせて貰ったまでだ」

私にも出来るとサラマンダーに簡単に言われてしまい

思わず「そうなの?」と聞いていた。


「では今回の礼にコオ殿には私達から精霊の加護を与える」

「精霊の加護?」

精霊達を引き留めようとしていた筈なのに

私はすっかりと精霊の加護に興味を示していた。


「その第一として転移石を作り出す事が出来

私達と一緒でなくても転移石間を転移出来る様になる」

「それって誰かも連れて一緒に転移は出来るの?」

「大勢は無理だな、せいぜいが一人か二人だろう」

「他に何が出来るの」

転移石が一人でも使える様になるのはとても有難い事だった。

だと言うのに私はまず第一にと言う言葉から

他にもあるのかと思いの外大きな期待を抱いていた。


「それぞれの精霊が与えた能力が使える」

「だからそれが知りたいって言ってるのよ」

「私はコオ殿が戦闘を好まぬ様なので与えられる能力が無く

仕方なくコオ殿の基礎能力値の底上げをさせて貰った」

サラマンダーは私の基礎能力を上げてくれたそうだ。


「わしはお主に創造の能力を与えたぞい

無からは生み出せぬが基本を知れば何でも作れようぞ」

ノームの創造能力ってそれって本当に貰って良いものなの?

と言うか私もあれこれ作れるようになったって事?

私は心がウキウキして行くのを感じていた。


「あなたには探知能力と魔法創造をあげるわぁ

これから色んな魔法を作って頂戴なぁ」

ウィンディーネの言う色んな魔法の意味が良く分からなかったが

魔法創造って好きな魔法が作れるのかと漠然と考えていた。


「シルフは~魔法の威力を高めるの~そして早く走れるの~」

シルフの言葉に私が速く走る事は無いだろうが

魔法の威力を高められるのは少し嬉しいかもと思っていた。


「私はあなたに何を授けようか悩みましたが

挫けぬ心と強運を授けましょう」

「あ、ありがとう、良く分からないけどありがとう」

何だか想像と違ったアウラの言葉に少しだけ狼狽えてしまったが

精霊達が私の事を思ってくれた能力だと言う事は分かった。


「本当にこれが最後って事じゃ無いんだよね?」

「お主とは捻話が通じるであろうが」

「そうですそろそろ独り立ちしてください」

「そうよぉいくら忙しくても暇は作れるわぁ」

「精霊の姿は人間に見せられぬが変化が使える様になった

偶には人間の姿で一緒に酒でも飲もうではないか」

「いつの間にそんな能力が?」

「コオと同化出来たお陰ですね」

「何だ、みんなすごく深刻そうにするから

もう会えなくなるかと本当に心配したよ」

「でも今までの様には行かないと言うのは理解してください」

「分かった、私もこれから色々一人でやって行くよ」

「あなたの行く末をいつまでも見守っていますからね」

そう言って精霊達は名残惜しそうに

それぞれの場所へと転移して行った。


引き留めた割には随分とあっさりとした別れだった。


彼らともう二度と会えなくなる訳じゃ無いと言う言葉を信じられた。


これから精霊達が何処で何をするのかは聞かなかったが

きっと今までと変わらずにこの世界の為に

何かを考え何かするのだろうと思っていた。


私も少しでもその手助けが出来る様に

今度精霊達に会った時に叱られない様に

私はこれから自分に出来る事を考え

そして出来る事をするだけだと思っていた。



名 前 青葉紅愛(聖魔術師)精霊の加護

レベル 89

スキル 浄化10 結界10 ヒール10 キュア10 エスナ10

     ケアル10 ライフ10 エリアヒール10 レイズ10

     リザレクション10 調合11

     サンダー10 ライトニング10 インディグニション10

     ファイヤー10 アース10 アクア10 ウインド1

固有スキル 魔力量∞ 等価交換13 創造 探知 魔法創造



読んでくださりありがとうございます。

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[良い点] レベル上げめちゃくちゃ頑張ってる [一言] 急展開でびっくり。何を聞いても大丈夫だ問題ないみたいな返しばかりで説明してくれなかったのに弟子たちのことどうするんだろう? 置いていくにしても連…
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