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逃亡聖女は引き籠もりたい  作者: 橘可憐
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店舗経営


ノームは既に到着していてどの様に改装するのか聞いてきた。


「エドガーには部屋数増やせとしか言われて無いんだ

それからロックさん一家がここに住み込みたいって言うから

その部屋も必要だしどうしよう?」私がノームに尋ねると

「分かった新しく建て直してしまおうぞい

ここは別の物に作り替えればよかろぉ」

そう言って温泉施設の隣に3階建ての大きな宿泊施設を作った。


3階は4人部屋4室と2人部屋4室とスイートルーム

2階は2人部屋8室と1人部屋10室と備品室

1階は厨房とロックさん一家の部屋と食堂と受付

出来上がってみるとかなり大きな作りとなっていた。


「これ管理もかなり大変になって来るよね

また従業員増やさなくちゃダメじゃない?」

私がそう心配していると

「連泊の部屋は掃除はしませんから大丈夫です」

そうマリーさんが教えてくれた。


私が考えていたビジネスホテルの様な物とは違い

シーツの替えは希望すれば渡す程度の掃除で

宿泊施設とは基本部屋を貸すだけなのだそうだ。


そして部屋に洗面所やトイレが付いている分

冒険者にとっては夢の様な宿泊施設だと言うのだ。


「分かったやり方は任せるけれど

入れ替えの時はきちんと掃除を徹底させてね

清潔感だけは絶対に損なう事の無い様にお願いね」

私は強く念を押してから

隅で大人しくしていたダリルを紹介した。


「この子はダリル12歳

私はここで主に調理補助を覚えて貰おうと思っているの

もっとも仕事が合わない様だったらまた別のを考えるけど

暫く教えてあげて貰えないかしら」私がそう紹介すると


「ええ、とても助かります」マリーさんは喜んで見せた。


「ここの食堂でゆくゆくは昼食や夕飯も出せる様にしたいの

だからしばらくはマリーさんには負担が増えるけれど

調理出来る人の増員は考えているのでお願いします」

そう言ってロックさんとマリーさんにも

ペアの腕時計をプレゼントした。


「これからは時間の管理はきっちりしてください

そして労働時間は基本8時間ですから

その辺は上手く都合をつけて働いて下さい」

私がブラック体質改善のために特に強く念を押す様にそう言うと

「8時間ですか?」と聞き返された。


「ええ、途中で休憩時間を入れるとか

営業時間を工夫するとかその辺はお任せします」

私は融通を聞かせてでも守ってくれと言う意味でそう言った。


「ダリルは朝食の手伝いだから朝早くなるけど

朝の6時からお昼まで仕事を教わってね

仕事が大変で無理そうだったら遠慮せずに言って

その時は別の仕事を考えるから」私がそう言うと

「頑張ります」と控えめな返事だったが

私は大丈夫だろうと判断していた。


だって目が輝いていたから。


私はダリルのその様子を見て安心して

宿泊施設の内装を整えて行った。


3階のスイートルームは特に高級感を出して

天蓋付きベットや応接セットやカーテンにも拘った。


そしてその他のベットもスプリング式のベットで統一し

シンプルながら清潔感を保てそうな

ビジネスホテルを見本にして整えて行った。


厨房はやや広めに作り

オール電化のアイルランドキッチン風にして

業務用冷蔵庫や冷凍庫にレンジにオーブン

圧力鍋に炊飯器にミキサーと色々揃えた。


これでかなり色んなメニューに挑める筈そう思った。


食堂はカウンター席とテーブル席と

ゆったりと30人は入れる様に作ったが

追加でテーブルや椅子を出せる様にはしておいた。


最悪ルームサービスで部屋で食べて貰っても良いだろうと考えた。


そうしてすっかりと作りあげて

元の宿泊施設に連泊していた冒険者に

新しい宿泊施設へと移って貰った。


そしてそこに以前から考えていた素材買取所と

さっき考え付いたエドガーが事務作業が出来る執務室とに

作り替えて貰う事にした。


執務室と応接室と他に予備に何部屋かと店舗と

給湯室の様な部屋と大雑把なイメージをノームに伝えた。


「これを解体するけど良いのかのぉ」

私はそう聞かれ慌てて内部の売れそうな物を

片っ端から売り払って行った。


再利用も考えたけれどそのまま保管しっぱなしになりそうなので

迷うことなく売り払って行った。


そして売れなかった物は等価交換様に処分して貰い

ノームに解体をお願いした。


ノームは大抵石や土やレンガと言った物を使って作るので

解体も見事なまでに分解され見る見るうちに平地になって行った。


そして大雑把に伝えたイメージで

見事に素敵な洋風の2階建ての建物を作り上げてくれた。


三角屋根のレンガ作り風の建物だった。


中央に玄関と言うか入り口があって

中へ入ると右にカウンターがあって

素材の買取などが出来る様になっている。


カウンターの後ろには広めのスペースがあって

応接セットか何かを置けば私がゆっくり出来る様に思えた。


そして突き当りに大きな階段があり2階へと昇ると

左右に分かれそこに何部屋かづつありそうだった。


1階の左側にも中央を廊下にしてコの字型に3部屋あった。


私は天井にシャンデリアをつける事にした。


そんな雰囲気のお洒落な作りだった。


「ノームありがとう想像以上だよ」私が思いっきり喜ぶと

「礼はそれ、いつものなぁ、アレで頼むぞい」と言うので

「分かってるってば、内装を整えたら出すから待ってて」

そう言って私は取り合えずノームに

シャンデリアや電気設備の設置とトイレや給湯室を整えて貰い

すっかりと使える様にして貰ってから

カウンターに椅子を設置したり

応接セットを置いたりと買取所の雰囲気を作り上げて

ノームと居酒屋キッチンカーへと向かった。


そうして居酒屋キッチンカーを見て思った。


そう言えばキッチンカーにしたのは冷蔵庫などの

電化製品を使えるようにするためで

大きなソーラーパネル作って

彼方此方に電気を供給出来るようになった今

バッテリーやエンジン動かすのにわざわざガソリン使って

排気を撒き散らしているこの状況はダメだよね?


それに狭いし実は何気に不便だし


この際かなり活躍して貰ったキッチンカーだけど

ここも店舗に変えてしまった方が良いんじゃないだろうか。


そう思い立つと

ここを拠点の様に集まっていた精霊達の顔が浮かび

とても寂しい気もしたが

作り変えたい気持ちの方が大きくなっていた。


「ノームこのキッチンカー廃棄して

ここに店舗を作ろうかと思うんだけど良いかな?」

私は今自分が考えついた事を言うと


「わしの席があるのならどうなっても構わんぞい」

そう答えたノームの言葉に背中を押され

「ノーム達の席が無くなる事は絶対無いから安心して」

そう返事をして決行を決めた。


居酒屋キッチンカーを廃止して店舗営業する事にしたのだ。


キッチンカーを含め周りの物をすべて売り払い処分して

「この同じ場所にお洒落な雰囲気で建てたいの」と伝え

屋根を付けたオープンカフェの様に開放感を重視して作り

テーブルが倒れない様に厳重に設置して貰った。


カウンターにビールサーバーや酎ハイサーバーを置いて

カウンター側からも注げるようにし

カウンター下の内側に冷蔵庫を置いてビールジョッキや

瓶ビールやカクテルなどを冷やしワインセラーも置いた。


カウンター背面には何段も棚を作りいろんな銘柄の

ウイスキーにブランデーにジンにバーボンにウォッカ

そして日本酒に焼酎に果実酒や紹興酒など

目にも鮮やかに並べて行った。


棚の裏側が調理場になっていて調理出来る様にもした。


ノームは出来上がった内装よりも

棚に並んだお酒に目を輝かせていた。


「ノーム達の指定席を作るからどの辺が良い」

私は特別な椅子とテーブルを用意しようと考えてそう聞くと

「わしはここで構わんぞい」と中央付近の壁側を選んでいた。


「じゃぁノーム用の椅子を用意するね」私がそう言うと

「みなと同じで良いわい特別は酒で頼むぞい」と

あっさりと辞退されてしまった。


そうして出来上がった新しい居酒屋をオープンさせるべく

待ちきれないノームを宥めながら精霊達が集まるのを待った。



読んでくださりありがとうございます。

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