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逃亡聖女は引き籠もりたい  作者: 橘可憐
第一章 1

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等価交換様の機能


他の冒険者を見かけなかったのはあの瘴気溜まりのせいだろう。


あれだけの魔物の数では近寄れば無事では済まないだろうし

魔物に付けられた傷は聖女じゃなくちゃ治せないと言う話だし

誰だって尻込みしてしまうよね。


でも傷はシスターでも直していたんだから

結局聖女じゃなきゃ治せないとは瘴気の取り除きの事だろう。


回復魔法の書では

キュアと言う状態異常を取り除く魔法があったけれど

瘴気はキュアでは取り除けないのだろうか?


「キュアポーションで可能です」


「キュアポーションって?」


「聖女が調合で作るポーションの一つです」


「ポーションって聖女が作るの?」


「薬師も作りますが性能が違います」


「じゃぁ、私がポーションを作れる様になったら

そのポーションって高く売れそうだね」


「種類や性能によって価格が変わります」


そうかぁ、ポーション売れるのかぁ。


拠点が決まったらポーション作ってお金稼いで

それってもうずっと引き籠っていられるって事だよね。


拠点を離れずに悠々自適生活が出来るよね。


もうずっと本気で引き籠り生活していられるって事だよね。


うん、魔界の森を拠点にするのは決定だな。


問題はその魔界の森までどのルートで進むかだけど、

このまま最短で湿地帯を行くか

一度カルザック方向に出て山脈沿いに行くか

このままグロシアートの海沿いに向かい大きく迂回して行くか

どのルートを選んでも一長一短って感じで悩む所だ。


でも、出来るだけこの国とは関わり合いになりたくない。


そう考えれば山脈沿いが一番無難な気がするがどうだろう。


何となく私の第六感が山脈沿いは別の危険がありそうだと言うし、

少しでも街道を外れていた方が追っ手に出会う危険も少ないと思う。


そこまで考えれば湿地帯を行くという一択しかないが、

問題は寝袋を設置できる場所の確保だな。


「簀の子台やパイプベッドがお勧めです」


商品のお勧めまでしてくれるとは等価交換様マジ有能。


そうだよね地面に直接と考えるから無理があっただけで

ベッドだったら少しくらいぬかるんでいても大丈夫か。


お金だって大分貯まっているから

贅沢しなければ購入出来ない物は無いだろうし、

それならもう最短ルートで湿地帯を突っ走る決定だ。


私は方向を定め森を抜けるために歩き出した。


森は瘴気溜まりを浄化したお陰か魔物の数が大分減っていた。


私としては少しでも魔物を討伐したかったのだが仕方ない、

そう考え歩きながら魔力を練る練習を始めた。


大分コツを掴めたと思う、

何となく魔力の流れもスムーズになったと思う。


まぁ、自由自在にとまでは流れてくれないが、

自分の意識と連動している感じはある。


これもあの瘴気溜まりの魔物との戦闘のお陰かなとは思う。


もっと上手く使えていればもっと早く如何にかなっただろうけど

魔力が枯渇しないとは言え実践であれだけ『浄化』を使ったのだ

少しぐらい上達していても良いだろう。


私はステータスを確かめてみた。


名 前 青葉紅愛(聖女)

レベル 7

スキル 浄化3 結界2 ヒール1 キュア1

    調合 1

固有スキル 魔力量 ∞ 等価交換 3


やっぱりレベルは少しだけれど上がっていた。


と言うか、等価交換様のレベルも上がっている。


何でだ?

まさか等価交換様にまでレベルが存在するとは思っていなかった。


等価交換様のレベルが上がると何が変わって来るんだ?


「出来る事が増えます」


「それってどんな風に?」


「買取価格や購入価格の変動や保存数のアップに

お勧め品の提示やお買い得品のお知らせなど

レベルによって機能が追加されていきます」


「等価交換様のレベルはどうしたら上がるの?」


「累計表示金額でレベルは上がって行きます」


「じゃぁやっぱり魔物討伐でガンガンお金稼げって事だね」


これから等価交換様に追加される機能が私にとって不便な訳がない。


それならば迷うことなく一番に考えるのは等価交換様のレベルアップだ。


それに等価交換様のレベルアップを目指せば

必然的に他のスキルもレベルアップする事になる筈

私はそう信じるよ。


頑張るよ私、魔力の練り上げも体力アップも魔物の討伐も

全てはお金のためいや、等価交換様のレベルアップのため

これからガンガンに頑張るよ。


私はやる気に満ち強く心に誓っていた。



読んでくださりありがとうございます。

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