拳マン第2部 7話
青龍魔「ガハッ!?このォ!」
負けじと叩き付けられた腕を振り払う。
そして、すぐに俺の近くまで距離を取る。
青龍魔「私の猛攻に耐えるだけには留まらず反撃すらもしてしまうのか..」
青龍は不可解な表情を浮かべたの後、再び攻撃を仕掛ける構えを取る。
拳「気持ちは分かる。けど1回落ち着いて考えろ。アイツはまだ意思があるぞ」
「たす..けてくれ...ァァ」
人が出していいのか分からない声を出しつつも、助けを求めいるのは確かだ。
青龍魔「まぁ..分からなくもない」
拳「だろ?まだ助かるかもしれないんだ。だから」
青龍魔「だが、時には慈悲も捨てるべきだ」
ダッダッダッ
背後から何者かが走ってくる。
「タス..ケテ...」
青龍魔「ハァ!」
ドガァ!
青龍は躊躇なく、殴り飛ばした。
青龍魔「このように」
拳「お、お前..」
青龍魔「手先は1匹だけじゃない、何十匹もいるぞ」
拳「今のを手先だと思ったのか?」
青龍魔「何を言っている、周辺を見ろ」
俺は言われたままに周辺を見渡す。そして色々と察した。
拳「おいおい、全方位やんけ..」
俺達の周りには人間?が包囲していた。一体何時からこうなっていたんだ?
その連携力は誰かが統率しなきゃ実現しないほどだ。
拳「誰か..か」
青龍魔「私が羽ばたけば直ぐに立て直せるがな」
翼を羽ばたかせ、飛ぼうとする。
その瞬間だった、
ビュンッ!
血がかなりのスピードで飛んでくるのが分かる。
拳「ッッッッ!?おい!」
ドンッ!ビシャァ!
拳「うッ!痒ぃ..」
俺は青龍を押し飛ばして、飛んでくる血を浴びた。
青龍魔「突拍子もなく突き飛ばしてどうした?」
この不快感..この血は紛うことなきアイツだ。
拳「もう来てんだよ。アイツが..ブラッドが」
ダッダッダッ!
突如、俺と青龍の直線に居た人間達の道が1人分の道を開かせる。
そして、その奥には赤き肉体が道を歩いてゆく。
ブラ「鬼ごっこもやめにしようでは無いか、拳マンよ」
俺の名前を発しながらそう言う。
拳「鬼ごっこだぁ?..うッ!」
ブラッドの血が付着した部分が疼く。
拳「ァァァ!?..カハッ..」
俺は跪き、横たわる。
青龍魔「お、おい?どうした?」
拳「分かんねぇ..分かんねぇけど、辛い..辛いんだ」
ブラ「どうやら、君の体は特別らしい。再認したよ」
拳「俺の体が特別?どーいう意味だ」
ブラ「...なるほど」
ブラッドは憐憫の目を向ける。だが次は安堵したかのような目になる。
ブラ「好都合だ。やはり貴様は早い内に生涯を終わらせるべきだ」
ダッダッダッ!
そう言った瞬間、全方位の人間?が俺向けて走り襲ってきた。
体が動かせねぇ..
拳「くッ..ここまでなのかよ..」
パシッ バサッ!フワァァァァン!
青龍は俺を背負い、翼を羽ばたかせ、空を舞いながら、衝撃波を全方位に発生させた。人間?達は衝撃波により吹っ飛んだ。
青龍魔「一体何を話しているのか甚だ疑問だが、これだけは言えるぞ。此奴はこんな
完成度の低い舞台で、生涯を終える者ではない」
拳「青龍..」
青龍魔「私の手で始末するという晴れ舞台があるんでな!」
拳「...まぁそんな事だろうと思ってたよ」
こいつは助けたくて助けるとかそんなのないだろうし。けど、なんだろうか、色々と安心したのかな?少しだけ力が戻ったような気がする。
拳「はぁ〜あ、な〜んか辛かった事も、今はどうだって良くなってきたわ。背負って
くれてあんがとよ。青龍」
青龍魔「..降ろしてもいいのか?」
拳「あぁ、ちょっとアイツに色々やんなきゃ気が済まねぇ。お前もそうだろう?」
青龍魔「...」
バサッバサッ..スタッ
青龍は無言のまま、地上に降り立つ。
青龍魔「あの時にかなり消耗したぞ。くれぐれも、私を戦力に数えるなよ」
拳「あぁ、たった一発殴るだけだ。俺1人でも十分だ」
この感覚はかなり久しい。俺は力を入れ、足が地面に減り込む。
拳「この怒りを、全部ぶつけてやる」
ブラ「私から1つ言うが、触れたりするのは不可能だぞ」
拳「なら俺からも1つ。ボッコボコにされた時とは腰の入り方が全然違ぇんだよ!」
シュンッ!タタタタタタ
とても早いスピードでブラッドの元へ駆け抜ける。
ブラ「私を守れ」
ブラッドの周囲にいた人間?達がブラッドを護るべく受けの体制に入っている。
今の俺には色々考える余裕なんてない。ただ、一発をこの一撃を入れるだけだ。
拳「『こぶしパンチ!
ドガァ!
拳「余波バージョン』!』
フワァァァン!
パンチの風圧で、ブラッドの周りを固めていた人間?達を吹き飛ばした。
これで暫くは戻ってこないだろう。ブラッドは驚いたのか尻もちを着いている。
青龍魔「いつもの拳マンだ..」
拳「お前の肉壁は剥がしたぞ」
ブラ「...」
ブラッドは数秒の沈黙の後に言葉を綴る。
ブラ「少々驚いた、これが貴様の本領か?」
拳「..なわけ」
確かに、通常以上の威力は出てはいた。ただ、昔の俺と照らし合わせると、差は痛いほどに歴然だ。
あの程度の力を使っただけで疲労感と倦怠感はとても感じる。昔の俺なら、まずありえない事態だ。
拳「トドメを刺せるぐらいの力はまだ余ってるがな」
つっても、相手はさっきまで俺を殺しかけたんだぞ、油断は絶対してはいけない。
けど、先刻の動きは一切感じられらない。
拳「やっぱ、あれには制約みたいなもんがあるのか?」
ブラ「あぁ?..あ〜『ブラッドタイム』の事か。確かに制限はあるな」
拳「だろうな。まぁ聞かんけどな」
俺はトドメを刺すべく、今有る力をブラッドにぶつけようとする。
ブラ「聞かなくてもいい事だ。貴様はあと少しで壮絶な死を待っている」
拳「..どーいう事d」
ピュンッ!
ナニかが飛んでくる。
拳「ッッッッ!」
対処しようと反応できる範囲で、即座に腕を翳す。
ドガァン!
それと同時に体に激痛が走る。受けきれなかったんだ。
拳「アァァアアァ!?」
あまりの衝撃に数十mも吹っ飛ぶ。
青龍魔「拳マン!?」
ブラ「予想通りの軌道だ」
青龍魔「今のは..な、なんだ」
ブラ「私の手下だよ」
青龍魔「手下?」
ブラ「少なくとも君よりは強い、手下さ」
青龍魔「なんだと?」
青龍の体は震えている。怒りにも、恐怖にも。
ブラ「私の目的は君ではない。私に歯向かう行為をせず、このまま拳マンを見捨てれ
ば、そのまま生かしてやろう」
青龍魔「生死の主導権は貴様が握ってるとでも言うのか?」
ブラ「あぁ、そうとも」
青龍魔「..魔物の私なら恐らく、恐らくだぞ?このまま何事も無かったように生涯
を全うしただろう。都合が良いだけかもしれないが、今は、今だけは!人間
として、貴様に立ち塞がり、拳マンの代わりに向ける刃とならん!」
真っ直ぐな姿勢を貫き通す。
ブラ「君の心には魔物らしからぬ、人間味で満ち溢れているな。だが、頼みの綱は既
に切り離された。私に勝てる保証はもうないぞ?」
青龍魔「奴がいないから何だと言うんだ!勝つか負けるかの基準ではなく、私が抵抗
するかしないかの問題だ!」
ドンッ!
地面を蹴り飛ばし、ブラッドに殴り掛かる。
青龍魔「これが私の2年間だァァァ!」
パシッ
青龍の拳が何者かに受け止められてしまう。
青龍魔「ッッッッ!?き、貴様h」
ドガァ!
カウンターの打撃をモロに受ける。
青龍魔「ぐッッッッ!?」
ドタドタッ!っと咄嗟に、地面を這いつくばって、衝撃を抑える。
ブラ「ようやく来たか、攻撃が直撃すると思ってヒヤヒヤしたぞ。神田神壱」
あの時の彼の面影は無くなり、肌や血管の至る箇所が赤黒く、結膜は赤く染まり、瞳は常に深淵を覗いている程、黒く染まっている。
そして、背後には大型の武器を背負っている。
神田「ここから5分以内に来たのだぞ?贅沢を言うな」
ブラ「まぁ、成長はしているか。君の能力も更に1層、強くなって嬉しいよ」
神田「..全部俺のおかげだ」
青龍魔「...何故生存を..」
殺したはずの亡者がそこにはいる事に、青龍は驚きの目を隠せなかった。
青龍魔「...ぁあ」
青龍は立ち上がろうとする、体の言う事が聞かなくても。
神田「まだ息があるのか、手加減はしなかったのに」
ブラ「先程の力で出し切ったようだ。瞬殺だろ」
神田「当たり前だ。急所を当てて即ボーンだ」
スタスタと青龍の近くまで歩き、追い詰める。
青龍魔「神田..神壱」
神田は何かに勘つく。
神田「...思い出した」
ドガァ!
神田は急所とは違う箇所を痛め付ける。
青龍魔「ウグゥ!?」
ドガァ!ドガァ!ドガァ!..
それを何度も、何度も。
ブラ「お〜い、すぐに殺すんじゃないのか?」
遠くからブラッドが声を掛ける。
神田「それは変更だ。楽には死なせない、もっと痛みを味わい、もっと苦しめ。俺の為
にも、殺月の為にも!」
青龍魔「ぁあ..ぁぁ」
バタンッ!
青龍は倒れてしまう。
パシッ!
だが、神田はそれをさせない。腕を持ち上げ、強制的に立たせる。
神田「おい、立て。まだ死なせないぞ?」
っと言い、青龍の体の親指でグッ、と押す。
青龍魔「うッ!?」
青龍は息を吹き返した。
神田「体が回復するツボを押したんだ、凄いだろ?これでまた数発は殴れるな!」
ドガァ!ドガァ!ドガァ!..
数発の打撃を、また与える。
青龍魔「ガハァ!?...」
神田「もう限界か..シラケるなぁ」
グッ、と再度ツボを押す。今度は感情が籠ったのか、強めに押す。
青龍魔「ウガァ!?..ぁぁ..化け物め...」
青龍は徐々に声のトーンが下がっていく。
神田「魔物に言われたくねぇよ。人間様に向かって言うセリフじゃねぇなぁ!」
ドガドガドガァ!
更にまた打撃を食らわせる。
神田「もっとだ!もっともっと苦しm」
パシッ
ブラッドが神田の殴る方の腕を抑える。
神田「..何の真似だ?」
ブラ「もうそこまでにしておけ、目的は拳マンだ、目的にそぐわない部外者はさっさ
と始末するべきだ」
神田「..俺に指図をする気か?」
ブラ「それは過去のトラウマを踏まえた上で、そう言うのだな?立場を弁えろ」
神田「ッッッ..」
神田は冷や汗を流しつつ、ブラッドの手を振り払う。
神田「..チッ」
背中の武器を取り出す。
神田「『満月斧』
ブラ「お、使う所は初めて見るな」
神田「これは殺月の為の使用だ。殺月もそう言っている」
首を切り落とす体制を取る。
青龍魔「私は..まだ」
神田「地獄で後悔しろ」
ヒューン
隣から、岩石が飛んでくる。
神田「うん?」
シャキンッ!
流れる岩石を真っ二つに切り裂く。
神田「これは岩か?」
ブラ「おい、上を見ろ」
空に巨大な岩が出現する。
青龍魔「岩の魔物..か?」
岩魔「『岩:隕!』」
ズォォォン!
神田「殺月、使うぞ。お前の力」
ドタッ!
地面を蹴り上げ、宙を舞い、満月斧を大きく振り下ろす。
神田「『全能伐採』
ひと瞬きをした瞬間、全ての岩の面に切れ目が入る。
岩魔「...嘘だろ?」
バシャァァァァン
もうひと瞬きすると、岩は粉々に斬られてしまった。
岩魔「こんな芸当を...あり得るのか..」
岩の魔物は戦意が喪失しかけた。
スタッ
神田が着地する。
神田「動くな。動いた瞬間、先にお前の首が吹き飛ぶ」
岩魔「ッッッ!...」
その場から動けなくなる。少しでも動いたら、命は無いのは分かりきっていた。
岩魔「...指図は受けない」
神田「自殺宣言か?」
岩魔「おいどんは屈しない。負けを、認めるまでな!」
背後に岩石を出現させ、神田に向かって投擲する。
神田「..所詮は魔物」
シャキンッ ボロォ
放った岩石が粉々に粉砕する。
神田「知能はそこまでのようだ」
シュンッ
一瞬にして近づき、神田の斧は、岩の魔物の首元にまで届いていた。
岩魔「ッッッッ!?」
岩の魔物は死を受け入れるしかなかった。
タタタタタタッ
拳「オラァ!」
神田「ッッッッ!」
キンッ!
ブラ「ギリギリ耐えたか」
間一髪の所で神田の斧と俺の足と相殺し、斧を弾き飛ばした。
岩魔「拳マン!」
神田「殺月ィィィィ!」
ドガァ!ドガァ!
岩魔「ぐはぁ!?」
拳「ぐッ!」
斧を飛ばされ、怒り狂った神田は、周囲にいた俺と岩の両者を的確に蹴り上げた。岩はモロに食らい、意識を失った。
神田「殺月!ごめんよ殺月!...許さねぇ、拳マン!」
斧が飛ばされた方向に向かう。
拳「ハァ..ハァ...」
状況がまるで分からない。
ブラ「落ち着け、神田」
ブラッドは神田に待てと言わんばかりに手をかざす。
神田「ウゥ!?..ハァ...ハァ」
神田は正気を取り戻し..いや、戻されたようにも見えた。
拳「んぁ...ふぅ..」
このまま戦いを続行する体力なんさ、残ってない。あまりにも分が悪すぎる..青龍と岩はもう使えない。
拳「..やっぱ俺がこの場を収めるしか...」
ブラ「やっぱり、君の体は特別だ。だが、相手は2人だけではない」
スタスタスタスタ
ブラッドの背後には、先程、俺の一撃で吹き飛ばしたはずの人間?達がこの場に辿り着く。
ブラ「これでも君はこの場を収められるか?」
こんなの八方塞がりじゃねぇよかよ...
拳「..クソがよォ!」
ダッダッダッ
俺はもう何が正解か分からず、神田に向かってしまう。
拳「オラァァァ!だァァァァ!」
ドシュ!ドガ!ドガドガドガ
神田「...」
俺と神田は殴り合う。
神田「前のキレはどこにいったのやら..」
神田は俺を軽くいなしている。負けるのは承知の上だ。けど..コイツは俺のパワーに打ち返している。
...押されてる?
神田「『神速下段蹴り』」
ボキッ!
拳「アガァァ!?ッッッッ!?」
足が折られる音がする。俺は立てなくなった。視界は、神田の下半身しか見えない。
神田「失望したぞ、拳マン。ここまでの弱化を受けているとは」
拳「...逆にあんたは変わったな。俺への呼び方も、力も」
神田「俺は全知全能になったんだ。環境も変われば性格も変わるものだ」
拳「..そうかよ...グゥゥ..」
ブラ「神田、もう殺ったれ。すぐにな」
神田「待て、恨み言がまだだ」
拳「恨み..言?」
神田「お前と出会った時から俺は気に食わなかった」
拳「...そうなん?」
神田「俺がこの世界の主人公のはずだった。能力だって、全知全能に近かった。この
世界は俺中心だと思っていた。生涯、ずっと活躍しかしなかったんだなって、
そう思えたんだ」
拳「..ならそれで良かったやんか」
神田「全てお前が掻っ攫ったんだよ。栄光も賞賛も」
拳「...いや知らn」
ドガァっ
俺を蹴り上げる。
拳「グハァッ!?..カッ」
ブラ「おい、思い切って殺れよ。苦しめて殺すな」
神田「致死のダメージは入れたはずだ。(俺の能力が外れたのか?まさかな)」
拳「ぁぁっ..ハァ...」
体では無意識に抵抗してるのか?そんなもの、返って苦しむだけと言うのに。
もう良いんだ、俺はここで死ぬべきなんだ..
神田「自ら首を差し出すとは、らしくもない。まぁその方が手っ取り早いがn」
ドォォォン!
突如、神田の真横に、巨大な大木が襲いかかってくる。
神田「ッッッッ!?」
キンッ ドォンッ!
速いスピードも相まって、斬る事が出来ず、そのまま大木と共に、遠くへ行ってしまった。
ブラ「また援軍...なるほど、納得だ」
拳「うぅ..ガァ...」
大木が飛んできた方角を目にした。
拳「あ..れは」
俺の目には、全身黄色の姿が映る。
拳「間違えない..アイツは」
松本だ。
松本「...ヘヘッ..ハハッ...」
まるで無くし物を探して見つけたような笑顔..だがその笑顔にどこか狂気を感じる。
スタッ..スタスタッ..スタタ
とても覚束無い歩きだ。千鳥足や攣るまた違う。まるで理性を保てていない歩きだ。
ブラ「..かかれ」
ブラッドの背後にいる人間?達が松本に向かい、突撃をする
松本「...」
片手にはエネルギー弾のようなものが..まさかあれではないだろうな?
松本「..ハハッ。『れきれきれっきー』」
次の瞬間、エネルギー弾は松本の周りを分散し、乱数になる。まるで弾幕だ。
松本「全部穿て」
周りのエネルギーは貫通する事に特化したかのよう尖り具合になる。
グサグサグサグサグサグサッ
松本「全部貫け」
周りにいた人間?達は松本の弾幕で全て貫かれる。
ブラ「..なるほど、やるな」
シュンッ
ブラッドの真横から神田が凄まじい速度で松本に向かってくる。
神田「さっきはよくもやってくれたなぁ!」
手元にある満月斧を松本に向ける。
松本「ハハッ!」
松本は咄嗟に満月斧の持ち手を素早く掴んで、攻撃を止める。松本とは思えない目付きだ。
神田「(俺の一撃を!?)..か、賢いn」
松本「シラケる」
ドガァ!
神田が反応できない程の打撃を食らわせる。
神田「ウガァ!?」
ヒューン!
おぉ、吹っ飛び..いや吹っ飛びすぎろまじで。
ブラ「..なるほど」
ブラッドは明らかに引き攣った顔をしている。まぁ流石にこのザマだとな..
拳「ま、松本..」
今の問題は済んだかもしれんけど..これからまた問題が増えるかもしれない。
松本「..こぶし..こぶしぃ」
スタッ スタスタ スタスタスタッ スタタ
千鳥足のまま、近付いてくる。俺の体は反射的に起き上がってきた。
拳「うッ!?」
あこれ絶対無理に起き上がっちゃダメなやつだった。マジ痛ぇ..
松本「アァハハ..ハハッこぶし..こぶし」
相変わらず不気味に笑っている。こいつ本当に松本かよ..
松本「こぶし..こぶしこぶし..ハハッ、こぶし!」
拳「ッッッ..」
押し潰されそうなほどの圧..通常の俺でやっと土俵に立たせてくれるぐらいだ。
松本「ァハハハッ..ごぶし、会いたかったぞ。こぶしぃ..」
ガシッ!
俺の肩をガシッ!っと掴んで再開に喜びの表情を浮かべている。
松本「俺はお前を..お前を...」
っが、その笑顔は蜃気楼のように消え去った。
松本「殺しに来た」