拠点となりうる施設の環境改善に集中、休息は不要と判断……悪夢など初めてみる
地層そのものを魔術的接触により鉱石の塊に変換、施設内に持ち戻り修理素材へと精製し施設全域の改善から取り掛かる。
『……これからどうするの?』
アイの質疑に応答を拒絶すると物理的接触による効率低下につながることが判明、よって可能な限り返答を試みる。
施設の建物としての機能回復、居住区としての利用価値の復旧、軍事基地として持ち合わせる防衛能力の完全再起動。
密閉性の修繕を行い鳥獣族が入ってきたとされる侵入口及び侵入経路を閉鎖し出入口を電動の入り口に限定することに成功。
通気性の改善を済ませ空調設備の再稼働を確認、一般居住区に必要な機能の修理及び生成を行う。
浴槽にお湯を溜めシャワーを使用可能状態にして待機、少年少女に身体の汚れを落とすことを指示。
魔王統治下における社会文明の低下を確認、基本生活設備の使用方法を開示し改めて実践するよう指示し行動を促す。
衣服棚を生成し内部に少年少女の服と同等のデザインの服を充填、さらに低温保管庫に飲食物を充填。
居住区を整備し休息を可能にできるよう改善、プロパガンダ用映像より基本生活設備の使用方法のみが映るよう調整したモニターを設置。
『……えっと水道をひねって、あ、水が出たー』
最重要設備である防衛機能の修繕に取り掛かるも安全のためのセキュリティロックを発見、解読を試みる。
『……あったか~い、幸せ―』
解除失敗、再試行……解除失敗、再試行……解除失敗、再試行……解除に成功……07214545、誰だ考えた奴は。
『……なあ、アイって言ったよな、あの人って何者なんだ?』
正面モニターに外部情報が提示される、オートタレットも起動を確認するもエネルギー不足にて使用不能。
『……私もわかんない、でもいい人だよ』
自身のエネルギーを配給し機能及び威力自体は正常であることを確認、早急なる発動機の修理が求められる。
身体の清掃を終えた少年少女に衣服の着用を促し飲料を提供の後、休息のための睡眠を指示。
『『『『……はーい』』』』
全員から了承を意味する言葉を確認、改めて発動機の修理に没頭するも素材の不足を確認。
外部にて再度地層の改善を行い鉱石を回収、途中蟻型の魔獣の群れの襲撃を火炎放射機能を用い一掃し食料物資への変換及び保存を行う。
設備内に鉱石を移送して必要物資を生成し発動機の修理を続行。
修理完了、自身よりの電力の提供を停止し発動機にて改めてオートタレットを含む施設内を再稼働させることに成功。
現時点で全設備の90%の起動を確認、残る10%の内訳の情報を収集する。
地下に重要設備が隠されていることが判明、セキュリティコードを入力し入り口のロックを解除し侵入を試みる。
臭気を検知、成分を精査……毒性は薄いと判明するも念のため装備の密封性を高め体内だけで呼吸を完結するよう身体調整を行う。
内部にて独立したコントロールシステムを発見、アクセスの後パスワードを解析し管理権をはく奪し管理下に置く。
体内より電力を供給し内部システムを再始動する、照明が点灯し設備内の情報収集が容易になる。
人体実験設備と判明、人と魔物の融合を試み魔法と科学を一体化させた独自システムを構築し効率論を上回る無限エネルギー発生装置の開発。
システムにアクセスし実際の研究の進み具合を確認、実働した試作品のナンバーを判別……これは私のことか?
腐臭の元を生態スキャンで検索し使用可能な部品を求めるが該当なし、全ての失敗作を処分する。
再度システムにアクセスし内部データを自身の装備に転送、飛行艇の製造方法及び飛行要塞化計画の全容を発見。
後に設備内コントロールシステムから全データ及び全システムを消去し離脱、該当設備を完全封印する。
『……どこ行ってたの?』
アイの疑問に対する答えを提示するも半睡眠状態による判断力低下のため理解を得られず。
『……一緒に寝よ?』
体内に刻まれた魔術回路と連動した自身の装備の効果により食事も睡眠も不要であることを説明。
理解を得られず物理的接触による拘束を受ける、物理的排除は自身の内部にエラーが発生する可能性があるためアイの要求を承認。
居住区へ移送し既に他の子供が横になっているスペースの隙間にアイの身柄を安置、自身も装備ごと身体を横たわる。
子供たち四人による物理的接触及び拘束を確認、物理的衝撃を与えずの移動は困難と判明。
瞼を閉じて疑似的に睡眠状態を装う……目を閉じたのはいつ以来だろうか、もう覚えていない
遠距離アクセス機能を使用、設備の持つ外部への連絡手段を起動し電波を送信。
返信を待つも受信機能に反応なし、返信を待つも受信機能に反応なし、返信を待つも…………………
……何であんただけ生きてんだ隊長っ!!
悪意を検知、即座に戦闘態勢に移行し敵の所在を探索すべく全設備を稼働しレーダー機能にアクセスし周辺状況の情報を収集する。
『……ど、どうしたのっ!?』
子供たちに敵の存在を探知したことを報告、直ちに安全地帯への非難を勧告し指令室へ移動するも未だ敵の所在は判明せず。
防衛設備の全機能をフル稼働するも敵影見当たらず……おかしい、先ほど私は確かにあいつを……ああ、あいつは私がこの手で……
戦闘態勢を解除、防衛設備も平常モードに移行し館内放送にて誤報であると報告。
必要のない睡眠状態へ強制移行したことから身体機能に異常があると判断。
先日の胸部の痛みや思考の乱れも同一の原因から発生する可能性を考慮し再度全身を検査すべきと決断を下す。
不安を抱く子供たちに不要な混乱を招いたことを謝罪し、ただの悪夢からの錯覚である旨を報告し彼らの精神的安定を図る。
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