表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/18

目的地内部へと進むこと数分……なんだこれは?

 内部へ侵入して視覚情報を元に夢の国の社会文明を推測するも中世に至らぬ発展具合と判断。


 居住区は岩を削った人口の洞窟内部を利用しており、家具家財も木材もしくは石材を加工して制作したものと思われる。


 『……すっげえだろ、入り口はあいつが守ってるから魔獣に見つかることもないし家の中は暖かいんだぜっ!!』


 アイが愛想笑いと相槌を持ってこれをいなす、居住区はともかく市場及び農場の確認を求める。


 片隅に穴から取り入れた太陽光によって育成されし原始的な作物を発見、生態スキャンにより栄養源として未熟であると判断される。


 市場は外部に出向いて狩猟した魔獣の素材を用いての物々交換が主流であり、しかも食料物資の価値が高く資材としての使用価値はほぼ認められていない模様……安全性の確保はともかくそれ以外は外部の原住民と同レベルと推定。


 リキに社会制度についての確認を行うも理解を得られず、指導者について尋ねると胸を張り自身の名前を挙げる。


 『……だ、だから俺の妻になればこれが全部お前のもんだぜ』


 アイによる愛想笑いと相槌に交じりやんわりとした拒絶の言葉が発信される……そんな可哀そうなものを見る目を向けてやるな


 四天王という称号について詳細を尋ねると、唐突に発声に躊躇が混じる。


 『……ほのかの弟子ならシャキッとしゃべるっ!!』


 アイの一喝によりリキの口調が戻る、なおアイのことを兄弟子と呼称しこれを姉弟子へと訂正……誰が弟子だ誰が?


 リキからの聞き取りにより本当は四天王四人による共同経営であることが判明。

  

 各々が支配地区を設けての交流を図り相互間での発展を競い合っている模様、リキの順位を尋ねると現状で2位であるとの返事……眩暈がする。


 『……他の二人は引きこもって下の奴らを虐めてて虫がすかねえ、俺みたいに配下の分も食料を持ってこねえとトップとして恥ずかしいじゃねえかっ!!』


 実際に先ほど外部から持ち込んだと思しき食料物資を市民、特に年配や幼子さらに怪我人に優先して譲渡しているところを確認している。


 アイによる称賛の言葉が発せられ、リキは精神的高揚状態になる……子供に褒められて喜ぶな。


 他の三名の管理する土地を確認するも、この付近に点在している模様。


 『……一番すごい人もそういう威張ってる人なの?』


 アイの疑問にリキは否定を表明する、意気消沈し当方へと視線を断続的に発信しながら情報提供を始める……そんな捨てられた子犬のような目で見るな


 『……あれはもう、なんていうか別世界だ』


 リキの拙い説明を解析すると高度な文化水準を保っている模様、また管理する知の四天王は遥か昔より生き抜いていて絶大な能力を秘めているという……旧四天王とこちらも同じ称号か、まさかな。


 最後に魔王という存在について尋ねるもやはり神格的な概念としての解説のみに終わる。


 知の四天王の元への案内を要求するも同じ四天王でも許可証が必要であり、持っていない当方は侵入を許可されないとの説明を受ける。


 場所さえわかれば強引に侵入可能だと提示し再度情報公開を求めるが拒絶される。


 『……あんた、じゃなくてほ、ほのかなら力づくで入れるだろうけどあの人の強さだけは別格だから止めたほうがいい、それに流石に俺がほ、ほのかに惚れてるとは言え害をなそうってんなら仲間の場所はおしえられねえよ』


 アイによる追求を抑えリキの思考を元軍務に服したものとして称賛する……仲間に害をなすならか、かつての私より遥かに……


 他に知の四天王との会談方法があるかを確認すると定例会議に妻として参加させることを提示、これはアイの抵抗により断念……助かっ、いや感情がない私には特に思うところは無い。


 次いでアドバイザーとしての立場なら同行可能との提案にこれを了承する、次回の定例会議までの日数は三日と判明。


 一旦外部へと出向き基地施設へと遠距離アクセス機能を用いての連絡を行う。

 

 『……え、ええとほのか様ですか?』


 敬称不要と伝達の後、こちらで見聞きした情報を提供する……その際に頭部カメラ及び録音機能によるデータの送信を試みる。


 成功した模様、直ちにコントロールルームでの情報の共有化が始まる……夢の国に対する失望が確認されリキの感情の高ぶりを確認。


 リアに帰投予定時期を説明し、基地内部での異常はないかを確認する。


 『……ドマさんが時々ギリと争いますけどリザさんが仲介してくれてますのでなんとか、そうそう赤ちゃんが遂に目を開けて……』


 不要な情報と判断し報告を拒絶……アイによって赤子の情報が最優先事項に変更される。


 視覚が発達したことを受けて個体識別名称の必要性が発生、これをアユと称するとのこと。


 遠距離通信による音声を受けてリキが混乱状態に陥り、周囲への警戒を強めるもアイによる説明により理解はできずとも納得し収まる。


 『……ほ、ほのかさん簡単に結婚とか駄目ですよっ!! せ、せめて俺が大人になるまで待って……』


 ギリによる通信の割り込みが発生、越権行為だと指摘するも収まらず……何をそんなに焦っている?


 とにかく帰投予定時刻まで基地の維持を厳命し通信を終える、次いで三日の時間を利用してリキの支配地区の環境改善を行う。


 リキの好意的反応から将来的に第三拠点となる可能性を考慮の上での判断である……なお結婚の可能性は現状において1%未満と推測。

 この作品を読んでいただきありがとうございます。

 

 少しでも面白かったり続きが読みたいと思った方。


 ぜひともブックマークや評価をお願いいたします。


 作者は単純なのでとても喜びます。

 

 評価はこのページの下の【☆☆☆☆☆】をチェックすればできます。


 よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ