表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/18

初めての戦場、称賛、褒美、部下……そして敗北

思いつくまま書いてます、着地地点はまるで決めてません。

 「だからね、きっとここならあなたは幸せになれるから」


 私を帝国に売り渡した母、一度も愛情など感じたことがなかったから特に何も思わなかった。


 「子供か、ちょうどいい人体実験班に回せ」


 白衣とマスクをつけた人々、個性のない軍団、理想的な集団だと思われた。


 「壊れても構わない、魔術回路を直接肉体に刻み込め」


 初めて魔術に触れた日、正式に教わったわけではないから未だに発動原理はわからない。


 「前線は人手が足りていない、使い捨てで良いから最新の武装をつけて送り出せ」


 初めて実戦に出た日、薬で感情を抑えて殺戮を作業的に行った。


 『……素晴らしい成果だ、君には前線指揮官を任せよう』


 初めて認められた日、だけどもう何も感じなかった。


 『……君の部隊が上げる戦果は見事だ、特別に褒美を与えたいが何かないかな?』


 何かを貰えることは初めてだった、親にも貰ったことがなくて逆に困惑した。


 『……今日から配属になりますヒカ、じゃなくて製造番号0421071号です』


 命令をこなすために兵員の増強を願い配属された新人兵、私が帝国に買われた時と変わらない年齢の子供


 『……すっげーっ!! あ、あんなデカい魔獣を一人で退治しちゃうなんてっ!?』


 この部隊では個人が上げうる最低限の成果に驚く新兵、装備も能力も低く作戦に組み込むのは困難で教育が必要不可避と判明。


 『……なんか隊長ってものすごく強いし寡黙だけど声も綺麗だしどこか可愛いですよね』


 教育係としての威厳を強調する必要があると思われる、合成音声による発生に切り替えつつ口調を変更しイメージの変換を図る。


 『……俺、もっともっと強くなって隊長達と一緒に戦えるようになりたいですっ!!』


 教育による成長も低く新兵たちは実戦投入が不可能と判明、拠点の防備に回すことに決定。


 『……よ、よしついに実戦ですね、俺頑張りますっ!!』


 隣国の部隊による進軍が活発化、魔王軍との関連を調査しつつ前線拠点の死守の命令が下り全部隊を投入する。


 『……隊長、残ってるのってもう俺たちの部隊だけなんじゃないですか?』


 魔王軍による首都の陥落、周辺国からも同様の被害を観測……命令に変更はなく前線基地の防衛を続行。


 『……もう止めましょうよ隊長っ!! 人間の国なんてもう残ってないじゃないですか、この基地を守って何になるんですかっ!?』


 下士官を中心とした反乱が発生、鎮圧に時間がかかるも対話による説得により戦力維持に成功……新たな命令は届かない。


 『……俺たち以外人間生き残って無いみたいですね、外に凄い魔族が集まってますよ』


 魔王軍の幹部クラスである四天王が視認可能距離に部隊を展開、奥に司令部と思わしき施設も確認……命令通り基地の防衛を続行する。


 『……命令してください隊長、一か八か切り込みましょうっ!!』


 魔王の存在を確認、部隊の士気を鑑みて反撃戦の立案を許可……残存兵力僅か三十二名。


 『……行きましょう隊長、人間の意地を見せつけやりましょうっ!!』


 反撃戦による魔王殺害の可能性5%、魔王軍殲滅の可能性0%、自軍の予測被害100%……防衛命令に支障をきたすとして却下。


 『……どうしてまだ耐えられるんですか、こんな意味のない戦いを何で続けられるんですか』


 命令違反は死罪に相当する、命令厳守は軍隊における基本との指導を徹底……不満は抑えきれない。


 『……う、受け入れましょうっ!! こんなチャンスありませんよっ!!』


 魔王及び四天王全員の署名入りの降伏勧告要求発生、条件は全残存兵力の魔王軍への配属……私に判断する権限はない、却下する


 『……すみません隊長、だけど俺たち命が惜しいんですよっ!!』


 全兵員による反乱が勃発、対話は不可能よって武力による鎮圧を……鎮圧を……対話を続行する。


 『……もう耐えられないんですよっ!! 死ぬまで戦い続けるなんてっ!!』


 対話による鎮圧は不可能と判断、武力による鎮圧を……対話を続行する。


 『……隊長、ならあなたの手で殺してください』


 対話による鎮圧は不可能と判断、武力による鎮圧に成功……残存兵力一名。


 『……………………………………………発言を許可する』


 魔王軍による猛攻の開始、全敵兵力の30%を消耗させるも基地施設の97%を損失……防衛を続行する。


 『……………………………………………士気向上のため発言を命令する』


 魔王軍による猛攻が続く、全敵兵力の10%の消耗及び四天王を撃破するも被害甚大……自己修復機能低下。


 ……………………………………………誰か、何か


 魔王自ら軍を率いての総攻撃開始、全敵兵力の10%の消耗及び魔王へ重傷を負わせるも基地施設全壊及び戦闘機能の消失を確認


 ……………………………………………寒い


 防衛任務の続行は不可能と判断、初めての敗北により今後の指針が不明瞭……命令を求める。


 ……………………………………………ああ


 命令を求む、命令を求む、命令を……命令は来ない、私は今更どうしたらいいのだろうか何も思い浮かばない。


 ……………………………………………助け


 生命活動機能の低下を確認、意識障害発生……全て、終わりだ。


 この作品を読んでいただきありがとうございます。

 

 少しでも面白かったり続きが読みたいと思った方。


 ぜひともブックマークや評価をお願いいたします。


 作者は単純なのでとても喜びます。

 

 評価はこのページの下の【☆☆☆☆☆】をチェックすればできます。


 よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ