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ーーーーーーピアス
それは俺とネロがミサにプレゼントしたピンク色のハートの物。
右がネロのやった薄いピンク色で、もう片方は俺のやった濃いピンク色のピアスだ。
俺は別の体制に変えながら、自分の耳をミサと同じように触る。
羽ピアスのそれは、右についている金色がミサからので、左の銀色がネロからもらった物。
パワーグローブをつけているせいで触りづらいが、しっかりとそこにあった。
ネロの左耳にもミサがやった黒色のピアスと、俺がやった亜麻色のものがついているはずだ。
「ごめん……」
ただ危険なことに二人を巻き込みたくなかっただけなんだ。
本当はこの場所だって一人で行くつもりだったのに、ネロにバレて一緒に行くことになった。
俺はただただその言葉しか言うことができなかった……。
「もう……いい……。
帰ろう……?」
しばらくして泣き止んだミサが、涙で潤んだ目で俺たちを見つめる。
彼女の黒いグローブが、拭った涙のせいで濡れていた。
泣いていたせいか、ミサの顔色が悪い気がする。
「ミサ……お前大丈夫か……?」
と言っても、俺がミサの体調に気がついたのはネロのその言葉だった。
「ミサ……!?」
声をかけると、「……大丈夫」と微笑みながら返される。
いや、どう見たって大丈夫じゃねぇだろ。
頭を抑えてホバードボードの上をよろけるミサ。