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俺はそれを確認すると、先ほどから疑問に思っていたことをぶつける。
「そいつはお前たちを助けた白いドラゴンだ」
「は?
ちょ、ちょっと待て、どういうことだよ。
………もう一度言ってくれ」
頭が混乱する。
人がドラゴンに?
そんなことありえないだろ。
「……僕も最初は信じられなかった。
この目で見るまではな」
「………………」
ミサは驚いて先ほどの女をまじまじと見つめている。
俺も全然、理解が追いつかない。
だが、ネロが嘘をついているようには見えなかった。
「お主ら、そんなに驚くことかのう」
女は俺たちの反応の方がおかしそうに笑う。
「とりあえず話を進めせるぞ」
「……ああ」
ちょっと待ってくれと言いたかったが、このままだと話が進みそうもなかったので、ネロに合わせる。
「ディーネ、自己紹介を頼む」
「うむ。
妾はラウル古代遺跡の番人。
お主のオーヴィの力で目覚めたんじゃ。
名はディーネ。そう呼ぶが良い」
よく聞くと、声もさっきの白竜と同じ声をしていた。
こいつは本当にさっきのドラゴンなのか。