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彼女の指差した方をみると、みたこともない少女がいた。
「これ小娘よ。人を指差すでない。」
少女は雪のように白い髪をミディアムヘアにしており、肩にかかるくらいの長さ。
目鼻立ちは整っていて、瞳はどこかで見た覚えのある吸い込まれそうなサファイアブルーをしていて、
服は長袖の青コットンのロリータクラシックドレスに黒いショートブーツを履いている。
「誰だ? こいつ」
「あたしも知らないわよ。
目が覚めた時に一緒にいたの」
なんだかわからないことだらけだな。
「マスターもこいつとはひどいよのう。
せっかく二人のことを助けたと言うのに」
シクシクと鳴き真似をして見せるが、あまり気にしていなさそうにも見える。
ていうか、こいつ今なんて言った?
『助けた』って。
「どう…」
「あ、ネロ〜!!」
どう言うことだよ、と訊こうとしたのに、ネロが入ってきたせで遮られてしまった。
「やっと目、覚ましたか……。
大丈夫か?」
「ああ。大丈夫」
無表情な瞳をこちらに向けるネロに軽く笑って返す。
若干まだ体は痛むが。
紅茶とお菓子を持っている彼は、それをテーブルに置くと、ソファーに腰掛ける。
「ネロ、こいつはなんなんだ」