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「やれやれ。めんどくさいマスターだ」
そう言うとドラゴンは再び地上に戻ると、ミサの方に近寄っていき、俺と同じように捕まえ出した。
マスター?なんのことだ?
そう疑問に思ったが、口に出すことができない。
そもそもこいつの正体がなんなのかが、俺には全くわからなかった。
ドラゴンの魔物なんて本の中でしかみたことがない伝説の存在だと思っていたし、この状況だって幻なんじゃないかと思う。
しかも喋るときた。
もう何が何だかわからない。
そんなことを考えていると、思考がだんだん鈍くなり俺は気を失ってしまった。