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ペンダントから眩い光が広がる。
そして森がザワザワと騒ぎ始め、どこからともなく翼が羽ばたくような音が聞こえた。
「!?」
驚いて空上を見上げる。
そこには
巨大な翼を広げた白いラゴンが口から火を吹き、物凄い速さで俺たちに近づいてくるのが目に入った。
「………なんなんだ!? こいつは」
白竜はそのサファイヤブルーの瞳を宝石のように輝かせなが、らこちらを見つめてきた。
なんだ!? 俺を食う気なのか!?
警戒をして剣を構えると、
「ワハハハハッ!!! 感じる、感じるぞ! 久しいオーヴの力だ!
私は長い眠りから目覚めたぞ!」
どこか威厳を感じさせるような女の声が聞こえる。
ドラゴンの口も声に合わせて、動いている。
……まさか、あのドラゴンが喋っているのか?
信じがたい光景に目を見開く。
だが次の瞬間には俺の体は宙に浮いていた。
「なっ……!?」
背中にゴツゴツとした感触が布越しに伝わる。
俺は白竜に捕まえられていた。
鋭い爪が自分の身体に触れているのがわかり、恐怖を感じる。
「うわっ! お、おろせ! 魔物が!」
ドラゴンから逃れるために、手足をジタバタとさせて暴れる。
「離せ! ミサが……!!」
俺は届かないとわかっていながらも、遠ざかって行く彼女に手を伸ばす。
だがその手は虚しく空を切る。