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「グルルルルル」
どこからともなくさっきの魔物が現れやがった。
こいつら……まだいたのか。
ゆっくりと剣を抜きながら、敵を睨み付ける。
相手は背中にヤバい兵器をつけてる連中だ。
しかもたくさんいる。
正直勝てる気は全然しない。
それでもネロがやってくるまで、なんとか持ち堪えてやる。
ーーーードオン!!!
魔物の背中からミサイルが飛んでくる。
俺は一気に剣を振り、弾丸を真っ二つに切り裂いた。
近くに二つに割れた弾が当たる音がする。
それを皮切りに、敵が一気に攻撃を打ち込んでくる。
俺は【ゾット帝国騎士団普通科養成学校】で鍛えられた技でなんとか攻撃をかわし、銃と剣で相手のことを倒して行く。
それでもやはり数の多さでは叶わないせいで、所々に攻撃がぶつかる。
くそっ!!痛えよっ……!!
ボロボロになってく体には目もくれずに、ミサを守るのに必死になる。
ネロ、頼む。……早くきてくれ。
そんな願いも虚しく、俺はとうとう立っていられなくなった。
「くそっ……!!
おい、立てよっ……!!」
片膝をつき、自分の足に怒鳴りつける。
……俺はまた失うのか。
爺さんと父さんと母さんを失った時みたいに。
いつかネロが言っていた
『カイト。お前は後先考えずに行動するな。いつか大切なモノをなくすぞ』
と、言う言葉が胸に染みる。
嫌だ!!
ミサを失いたくないっ!!
思わず思いっきり首元にあるペンダントを握りしめた。
その時。