短編:【ハスタとセブンキャット 】~犬と猫の世界で紡ぐご主人との生活~
私は仕事してる時にハスタ(シベリアンハスキー)の事をもふもふなでなでしてるのを考えながら日々勤めていた
うちのハスタは、お風呂が何故か苦手で無理やり入れたりしないだが、今日こそ入れて見せる!って思ってる
「やぁまだ仕事してるのかい?もう23時だよ?」
「...業務を任せたの貴方でしょう?課長」
この課長やたら私に残業するように仕事を任せてるのだが、嫌がらせにも陰湿過ぎる。ハゲろ、ハゲろ
「まぁ遅いし送ってあげようか?俺車で出勤してるから早めに帰れるよ?」
「いえ、私はこれから寄るところがあるのでこれで、失礼します」
さっさと終わらせたかったのに・・・ハゲ散らかせ
―何時も降りる駅手前で降りて私は、さっそうと目的地に向かう
昨日ハスタが少し寂しそうな顔をしてたので、猫の里親に会う約束してたのだが、かなり遅れてしまった
普通この時間に人の家を訪ねる事は無いのだが、少し緊張するな。私はインターホンを押す
―ビイー―
「あいあいどちらさんですかーって貴方は―」
出てきたのは168cmの髪の毛がぼさぼさの20台後半辺りで細い体の男の人でした
「夜分遅くにすいません。猫ちゃんの里親の宅で良いでしょうか?」
「...女性の方だったんですね。若く見える」
私はこうみえても23歳なんですよ?若く見えて当然です
「まさか中学生の方だったとは。ご両親は?一人で来たのかい?」
ち、中学生に間違われてるだとぉ!?
「あの、ちゃんと年齢教えていませんでしたっけ?」
事前に年齢を教えてハスタの事も伝えてるのになんて人だ
「もしかして、両親連れてこないで1人でこんな時間に来たのかい?危ないよ?」
「あの!本人なんですけど!」
私はそうして免許証を見せた。
「え、本人?偽造じゃなくて?―あ、いやうーん...ロリババァ?」
―ブチッ
キレました、この人態と煽ってる気がする。
「あの、本当に本物ですよ?(威圧)」
「おぉう...小さい虎に睨まれてる感じする...」
失礼な・・・
「にゃーん...」
猫だ猫がいる猫ですよ猫。猫だ猫
「可愛い子猫ですね。」
「実はその...他の子猫達の引き取りをキャンセルしまして...もしよろしかったら7匹預かって貰えないでしょうか?貴方になら任せられる気がします。」
はい?7匹も?何故他の子達はキャンセルしまわれたのでしょう・・・
「事前だと2匹ですよね?他の猫ちゃん達は何故キャンセルされたのでしょう?」
「昨日引き取りに来たんですが...余り人が好さそうになかったので。キャンセルしました」
まさかの当日キャンセル。引き取る相手が悪かったのだろうか?
「事前に身元の照会をしてたんですが、―全員動物虐待の疑いがあったのです。」
動物虐待?何故そのような方が
「しかし7匹もですか...万が一病気になったら私が心労で倒れそうですが...去勢はしても宜しいでしょうか?」
人間でも同じ血縁が続くと強い病気になると聴いた事がある。―もし、他の動物でも同じような事が起きない保証など何処にもない。
「えぇ、この子達が長く生きられるのならそれでいいです」
―この人は辛い顔をしている...猫ちゃんと別れるのが辛いのだろうか
こうして7匹の子猫を我が家に迎えることになった
―ハスタside―
昨日ご主人と喧嘩をしてしまった。
私がお風呂嫌いなのにご主人が入れようとして、怒ってしまった
朝にご主人は何か言ってたけれど、私には人間の言葉か解らない。だけどご主人と喧嘩したのは悪い事だから謝りたい。伝わるかな?
―ご主人の帰りが何時もより遅い。もしかして私は―悪い事ばかり頭に過る
そんな時、ご主人が返ってきた
―帰って来た!思わず喜んで尻尾を振ってしまう
でも、匂いが一杯ある。なんの匂いだろう?
―ご主人side―
かなり帰りが遅くなってしまった。ハスタ待ってるんだろうなぁ
ドアを開けるとハスタがキューン...と寂し気に鳴いている
「ごめんねハスタ。この子達を迎えに行ってたんだ」
私がそう言ってハスタが不思議そうな顔をしている
―子猫達side―
僕達は人間さんが嫌いだ。
自分達の都合で僕達家族を他の人間さんに渡すそうだ。
僕達は必死に抵抗する覚悟を決めていた、だが実際に人間さんはその人間に渡そうとしなかった。
解らない、だけどもう少し居られるのかな?
―人間さんは僕達全員を1人の人間さんに託した。これで別れる心配ないよね?
恐ろしい、目の前に巨大な猛獣が居る、僕達は餌にされるんだ。
品定めをしてるのだろう、覚悟を決めよう―あれ?何か言ってる?
(―ねぇ貴方達は外から来たの?)
―とっても優しい声だった
―ハスタside―
この子達は別の人間さんが私のご主人に託したらしい
この子達よく視ると弱々しいわね・・・
(僕達を食べないの?)
何を言っているのだろう?私がこの子達を食べる?
(何を言ってるの?ほら、案内するわよ?)
―この子達をみてると守りたくなってしまう
案内してたら人間さんが騒いでいる。何かあったのだろうか?
(ねーおねぇしゃって呼んでもいー?)
一匹の小さい子が寄ってきた可愛い。「おねぇしゃ」ってなんだろう?
(それって何の事?)
聴いてみよう、外の話も聞きたい
(おねぇしゃってねーちょーじょのことなのーだからおねぇしゃなのー)
ちょうじょ?もしかして長女の事だろうか?前に主人が「長女なのに...」言ってた気がする
もしかし家族の中で偉い人の事だろうか?もしかしたらこの子達は人間さんの言葉を理解してるのかもしれない
(そうね、今日から家族だし呼んでも良いわよ?)
(ありがとーおねぇしゃさまー)
姉...今までご主人と居て時折帰りが遅い時あったけど、もしかしたら寂しさが紛れるかもしれない。
それにしても―
(ふふっ...お姉様)
―ご主人side―
そいえばまだあの子達の名前が思いつかない...
「名前思いつかないよぉぉぉ」
そう、あの里親名前を付けておらず呼び名をどうするか困っていた、その時―
ガタン
ハスタ達が遊んでるのだろうか?犬と猫だと仲が悪くなりやすいって思ってたけどそんなこと無かったわね、よかったよかった
思いつくのは女の子だけ...「アス」「コト」「もちもち」「大福」「苺大福」って―
「自分が食べたいだけじゃない...」
自問自答を繰り返してたら朝になって居た
―雄猫―
ロシアンブルー「マギア」ブリティッシュショートヘア「モル」ラグドール「モチ」
―雌猫―
メイクイーン「メリッサ」マンチカン「マロン」アメリカン・ショートヘア「メル」ターキッシュアンゴラ「エリー」
「よし決まった!おーいハスタ―って寝てる?えっもう朝じゃん、仕事の準備しないと!」
不味い決めるのだけでかなり時間掛かった
仕事終わったら名前を伝えよう
―それから猫達が馴染むまで1年半掛かった。最初の内は、ご飯の取り合いにおやつの取り合いをして喧嘩してたみたいだけど、ハスタが何時も止めに入っていた
マ(ハスタ姉様、またモルとモチが!)
ハ(はいはい、ダメでしょう?マギアのおやつ取るのは?)
―マロンside―
家族の中で私は一際目立って小さい、よくエリー姉様とメル姉様に構って貰っている
メ(ねぇねぇ、僕の寝床に使ってるご主人の服知らない?)
エ(あら?あれはメルが使っておりましたの?)
エリー姉様はよく私達が散らかしたご主人の服を【せんたっき】とやらに持っていく
メ(もーご主人の服に匂い付けてただけなのにー)
エ(あらあら駄目よぉ。人間さんの間では私達の毛が重い病気になる人も居るのですから)
メ(ぶぅー良いじゃないか!ご主人は平気だし...)
―こうして私達の日常が日々幸せであり、何時か来るお別れまで幸せに過ごせるのなら
―モチside―
今日わぁご主人のぉ服にぃ僕のぉ匂い付けたからぁ他のぉ猫がぁ近づかないねぇ
マ(なぁモチ、今日は日向ぼっこ日和だし窓の近くでお昼寝しないかい?)
わぁマギア君のお誘いだぁ
モ(良いねぇ場所わぁ何処にぃするんだぁい?)
マ(最近リビングの辺りが気に入ってるんだ)
リビングかぁ、リビングならぁモル君居た気がするなぁ
―モルside―
どうしよう、僕話すのが苦手でつい興奮してしまう癖があるのに・・・
モ(モル君も一緒にぃ日向ぼっこしよ~?)
モチ兄様はまったり喋るから聴き取り難い・・・
マ(モチ君が此処に居るって聴いたから来たんだが、余計だったか?)
そんなことはない嬉しい、だけど家族の中で唯一喋れないのが僕だ。そんな僕も居ても良いのかな。
モ(それじゃぁ決まったしぃ行くよぉ~?)
―モチ兄様は僕が喋れなくても察してくれた
―メリッサside―
私は家族の中で2番目に賢い猫メリッサよ!
朝からメルとエリーが騒いでたけど、私はそんなことより―
メ(スーハースーハ...ご主人のもふもふの中は一杯ご主人様の匂いがするわ)
私の日課の一つご主人様のベッドの中で過ごす。これだけは譲れないわ
―こうして私はそのまま寝てしまいメルとエリーに起こされるのだった
メ(メリッサ~)
エ(メリッサちゃん出ておいで~)
―ご主人side―
「よく解らないが酷い風邪らしいんだ」
はぁ?私のせいで酷い風邪になった?あのハゲそんなこと言ってたの?
「はぁ、それで話とは?」
まさか責任を取って賠償とか―
「本来君がやってる仕事は私が彼に任せてた物なんだ」
「へ?そうなんですか?てっきり態と残した仕事を任せられてるとしか...」
「近々会議に彼は呼ばれてこの問題を指摘されるんだが、先に君に言っときたくてな。それと―」
―私はこの後ハゲが私に任せた仕事は、重大案件だったそうで責任問題で仕事を辞めることになった
あのハゲが苦しんでたのは、【猫アレルギー】でした
まさかこんな身近にアレルギー持ちが居たとは・・・
あの子達が切っ掛けでハゲを振るい落とせたのは運が良いのかも知れない
その後ハゲの仕事を終えた私に待ってたのは、契約社員から正社員に位が上がり自給も上がり幸せな日常を送るのでした。
~END~