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休暇 見回りと無慈悲な召集

少しめちゃくちゃかも。



 え?え?新種?新種だって?俺は、意味がわからず狼狽えていたが、じっくりと鑑定結果を見たお陰で理解した。


「ふむ、ワイズに食器やらプラスチックやら吸収させたのが原因だな。一番の要因は、オリハルコンだろうけど」


 やらかしただろうが気にしない。何せ、ランクCクラスのモンスターが手に入ったのだ。それに、この世界には勇者とか、他のダンジョンマスターとかやら危険がいっぱいだ。自重?そんなものはいりません。


「・・・ここまでやっちまったんだ。徹底的に、ダンジョンの底上げをしてやる。明日に!」


 今は、絶賛お休み中だ。


「しかしワイズ。お前、一段と大きくなったな~お前」

「ピギーー!!」


 当初は、洗面器ぐらいの大きさだったが、今では二倍も伸びている。ワイズも、嬉しいのか震えながら鳴いた。


「さて、俺は今から各階層の見回り、と言っても浅い階層には行かないがな。来るか?ワイズ」

「ピギー!」


 ワイズは、ついてく!と言わんばかりに跳ねたので、連れていくことにした。

 早速コアルームから出ようとすると。


「これはカゲマサ様」

「なにかご用事で?」


 二人のアンデッド兵に見つかった。確かモンスター討伐部隊“虎”の隊員だったはず。


「いや、簡単な見回りだ。気にするな」

「「はっ」」


 俺が目的を告げると、アンデッド兵は納得したように頷くと、巡回に戻っていった。俺とワイズは、コアルームのある階層から第十二階層に登ると、そこには熱気が広がっていた。あっちこっちで行われている戦闘、あるものは血反吐を吐き倒れ、あるものは倒した相手に何やら薬をかけると、相手が起き上がり再び戦闘を開始する。


「じ、地獄絵図」

「ピギー!」


 俺は、若干引いたがワイズは興奮したように、何度も跳ねていた。


「おや、マスター。いらしていたのですか?」

「あ、クロ」


 すると、この階層を縄張りに持つグレータードラゴンのクロがやって来た。


「しかし何故このような、は!お前たち!集合だ!」


 クロが命令すると、戦闘をしていたモンスター達は手を止めて、こちらに走ってきた。おお、近くで見るとでかい。モンスター達は、俺の前まで来ると一斉に跪く。


「クロ、こいつらは何だ?」

「はっ、こやつ等は第十階層から第十二階層までの雑兵モンスターの指揮を担当する幹部の者共です」

「そうか。我がダンジョンへの貢献、快く思う」

「ありがとうございます!」


 クロが頭を下げる中、俺は幹部達を見る。恐竜みたいな奴がいれば、ヘビや小さいドラゴンもいる。今さらだが、このダンジョンの戦力層厚くね?いや、自惚れはいかんな。


「良し、俺達はゼクトの階層に向かう。このまま特訓を続けろ。何かあれば連絡するように」

「はっ!お気を付けて!」









 クロの縄張りから、ゼクトの縄張りにやって来た俺達は、森の中にいた。いや、森じゃなくて大量のトレントや蔦が人の形になって動くプラントマンに囲まれてしまった。


「おい、ゼクトに会いたいのだが、ゼクトは何処にいる?」


 そう質問すると、トレントやプラントマンの間から一体の人形モンスターが出てくる。全身濃い緑色の肌で、確かな知性を感じさせる。《鑑定》。



名前

種族 魔樹人

職業 幹部

レベル 46

ランク B

スキル 森の主・・身体能力上昇、植物系統のモンスターの統率力上昇 植物操作

風魔法、気配察知 等々



 おお、幹部か。しかもレベルもランクも高いね。


「カゲマサ様、こちらへ。ゼクト様の元へご案内します」

「ああ、頼むよ」


 魔樹人に案内され歩いていくと、大きい扉が見えてきた。扉の前まで来ると、扉の前にいた二人の虫のようなモンスターが扉を開ける。そこには、大部屋が広がっており、奥には玉座に座ったゼクトの姿があった。


「ゼクト様、カゲマサ様がいらっしゃいました」

「ぬ!来てるなら早く報告をいれろ!」

「申し訳ない」


 あ、ゼクトには知らされていなかったな?


「カゲマサ様、この度はなんのご用で?」

「いや、特には。最近変わったことは?」

「いえ、何もございません」

「そうか、邪魔したな」


 俺は、踵を返して大部屋から立ち去った。後ろで言い争いが聞こえるが、無視しよう。








 第六階層にやって来た俺とワイズは、早速ゴブイチの元へ向かった。


「やあゴブイチ」

「あ、マスターじゃないっすか。何かあったんすか?」

「いや、何か変わったことはない?」

「いや、特にはないっすね~。たまに冒険者が侵入して来るけど、撃退したり捕らえたりしてるぐらいっす」


 一通りの話を聞いた俺は、ゴブイチにある話を持ちかける。


「なあ、このワイズを預かってくれないかな?」

「へ?何でっすか?」

「時々冒険者と戦わせてほしいんだ。レベルアップできるだろう?」

「なるほどっす」


 俺は、ワイズに向き直るとワイズの体を持ち上げて口を開く。


「ワイズ。俺は、お前をここに置いていく」

「・・・ピギー」

「俺がまた来るときは、強くなってるんだぞ?あ、危なかったら逃げるように」

「!ピギー!!」


 ワイズは、少し悲しそうだったが、強くなることを命令すると張り切ったように返事をした。










 俺は、コアルームに戻ってくると、道具創造であるものを造り出す。その名を、《偽装》のスキルオーブ。かつて邪神がダンジョンマスターアルカに与えた《光耐性》のスキルオーブと同じ物。《偽装》とは、自身の鑑定結果を偽ることができる。外で活動するには、持ってこいなスキルだ。早速使うと、自分の中で何かが一つ増えた感じがする。


「よし、これで少なくともダンジョンマスターとバレる可能性は少なくなったぞ」


 俺は、高ぶる感情を押さえるため、道具創造を使いコーヒーを作・・・・・れなかった。何故ならば。


「ダンジョンマスターのカゲマサ様、ナナお嬢様がお待ちです。至急お越しください」

「え、ちょ」


 突如現れた少年に、転移で連れさらわれたからである。こうして、俺の休暇は突如として終わりを告げた。


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