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夜会の始まり②

※色々追加しました。


「ほうほう、皆元気そうで何よりだよ。あれ?少し減ったかな?」


 邪神が嬉しそうに、時に悲しそうに話す。悲しそうにと言っても、顔は笑顔のままだが。


「う~ん、減っちゃったか。また追加で補充しようかな?ねぇロワン」

「父上の望むままにすればよろしいのでは?」


 ロワン。邪神が一番最初に生み出したダンジョンマスターで、人間や他のダンジョンマスター達からは大魔王と呼ばれている。人間の間では、世界の敵のような扱いだ。


「うんうん、前と一緒の回答だね。もうちょっとないかな?えっと、ナナ!」

「はい」


 邪神は、詰まらなさそうに言うと、次にナナを指名する。

 ナナ・セブンス。セブンス帝国の建国者にしてセブンス帝国を操る支配者。邪神によって七番目に生み出された。


「父上、まだ新人達はたくさんいます。新人達がある程度減ってしまったら新たに補充、というのはいかがでしょう」

「なるほどなるほど、参考になったよ」

「お役にたてたなら幸いです」


 邪神がお礼を言うと、ナナは深く礼を取る。


「後は・・・よし、リザンは?」

「ワシですかな?」


 リザンと呼ばれたのは、顔はドラゴン、体は人間の大男だった。身長が三メートル程ある。邪神によって三番目に生み出されたダンジョンマスターである。声は以外に優しそうな声だった。


「そうですなぁ。父上の望むままにすればよいのでは?只、言うなら新たに増える後輩達が扱きがいがあるか、気になるぐらいですわい。この年まで生きては、それぐらいしか楽しみがないのでねぇ」

「ハッハッハ、リザンらしいや。うん、やっぱり止めにしよう」


 邪神は、コホンと咳をつくとダンジョンマスター達にとってお楽しみの時間の到来を告げる。


「さあ、皆お待ちかねのDP取得ランキングだよ!!」

「オオオオーーーー!!!!」


 ダンジョンマスター達が、雄叫びを上げる中一人だけ熱気の違う者がいた。


「・・アホらし。さっさと終わらせてくれよ」


 その者、カゲマサは雄叫びを上げるダンジョンマスター達を見てため息をついた。











「じゃあいくよ!まずは、トップ5からだ!」


 邪神は、モニターに順位表を映し出す。順位は以下の通りである。


●総合ランキング


1位 ロワン

2位 ナナ・セブンス

3位 リザン

4位 ゴーガ

5位 エイトール



「このようになったよ!まず1位のロワン!おめでとう!この調子で頼むよ?新人の面倒もね?」

「ありがたき幸せ。今後も精進致します」

「次に、2位のナナ!ナナも素晴らしい結果だよ!この調子で頑張るように!」

「ありがとうございます。お父様」

「3位はリザンか。ナナと僅差だね。もうちょっと頑張ればナナをぬかせるかもよ?」

「ハッハッハ、まあ年寄りなりに頑張らせていただきますわい」

「4位はゴーガね。最近勢い落ちてるんじゃないかな?頑張りなさい」

「申し訳ございません父上ェェ!!次こそは必ずやァァァ!!」


 ゴーガ。このダンジョンマスターは、髭もじゃで全身毛深いおっさんだった。だが、肉体は鍛えあげられており生半可な存在ではないことが分かる。邪神によって五番目に生み出されている。


「5位にエイトール。最近頑張ってるね。このままどんどん頑張っておくれよ?」

「はい、父様」


 エイトール。見た目は、金髪蒼眼の美女だが目の奥には、あまりにも冷たく人間味が無かった。邪神には、八番目に生み出された。


「この五人以外の子達もよく頑張ったね。これからも精進するように!」

「オオオオーーーー!!!!」


 ダンジョンマスター達が雄叫びをあげ、それを微笑ましそうに見る邪神。だが、カゲマサから見れば何かのカルト集団に見えてしまった。


「さあ、今から全てのランキング表を映すよ!自分の順位をしっかり見るように!」


 すると、円卓の中央にランキング表が映し出された。









「さて、俺の順位はどれかね?」


 俺は、自分の順位を確認するためにランキング表を眺める。興味は薄いが気になるものは気になるのだ。まあ、自分でもそこそこ貯められたのだ。他の奴だって貯められたはずだ。自分が高順位なんてない。

 周りには雄叫びをあげ喜ぶ者、悲鳴をあげる者、淡々と確認する者と様々だった。


「ん?これか?」


 ランキングの隣に《今年の新人ランキング♡》と書いてある項目がある。微妙にイラッとしながら自分は新人らしいからそっちかなと思い、《今年の新人ランキング♡》を見てみる。


「・・・・へ?」


 俺は、一時言葉を失った。



●今年の新人ランキング♡


1位 アルカ

2位 カゲマサ

3位 リューゼ

4位 ユラ

5位 パンドラッチ


「・・嘘ん」


 俺は、何とも目立つ新人2位だった。


「ふ、ふふふふふ、はあ。巫山戯るなァァァァァァ!!!」


 俺は、思わず怒鳴り声を上げてしまった。目立つことが嫌と言っておきながらここまで貯めてしまった自分への怒りを放ちながら。


次回は、夜会の始まり③の予定です。

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