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ダンジョン防衛作戦、第三十四階層⑥

戦闘描写、ムズカシイ。


◆ダンジョン第三十四階層 三番領域



 神殿跡周辺の森における三番領域にて、魔王朝のダンジョンマスターシャンガンとダンジョン第三十四階層三番領域を守護する〈狂星〉ミカエルが激しい死闘を繰り広げていた。


「喰らえやぁ!《破聖衝脚(セイントクラッシュ)》!!」

「効くかぁぁ!!【熱盾(ヒート·シールド)】+【熱雨(ヒート·レイ)】!」


 シャンガンの放つ紫色のオーラを纏った踵落としを【熱盾(ヒート·シールド)】で防御したミカエルは、防御と同時に【熱雨(ヒート·レイ)】を発射。


「今更喰らうかよ、こんなヘナチョコ弾がよぉぉ!!」


 しかしシャンガンは、紫色のオーラを纏った拳で発射された【熱雨(ヒート·レイ)】を全て破壊、霧散させた。そしてシャンガンは、再びミカエルへと急接近し拳を振るう。


「お返しだ!《破聖衝波(セイントブレイク)·連》!」


 繰り出されるは、通常のモンスターならば一瞬でミンチになってしまう紫色の嵐。聖なる者を打ち砕く暴力の具現。


「っ!【熱盾(ヒート·シールド)】×10!」


 対するミカエルは、熱を魔力で収束·固定させて盾を生成する。この【熱盾(ヒート·シールド)】は、攻撃を受ければ攻撃した敵が熱で溶けてしまうという凶悪な性能を誇る。それを十枚。


 衝突する《破聖衝波(セイントブレイク)·連》と【熱盾(ヒート·シールド)】。


 シャンガンが拳を振るい続けるたびにシャンガンの拳は、高熱によって僅かに溶けていく。僅かにで済んでいるのは、彼が装着した〈第三の邪眼(サード·アイ)〉によって身体能力と魔力が強化された結果、熱に対する強固な耐性を獲得したからである。


 その後、数分間シャンガンは【熱盾(ヒート·シールド)】を殴り続けた。その結果。


 ピキリッ。


「なっ!?」

「おっ♪」


 十枚の【熱盾(ヒート·シールド)】にヒビが入ったのだ。


 ミカエルはまさかの事態に動揺を露にし、シャンガンは邪悪な笑顔を浮かべながら攻撃を続ける。


「糞ぉぉ!こんな侵入者風情にこの私がぁ?!」

「はっ!諦めろ!これが実力差だ!魔力が上がったから少しビビったが、対して変わってないじゃないか!」


 シャンガンは、先程ミカエルから溢れ出していた魔力によってパワーアップしたのかと警戒していたのだ。だが、結果はどうだ。大した強化は無く、ほんのちょっとだけ身体能力が上昇しただけという、余りにも期待外れなものだった。


「まあ、お前との戦闘はそれなりに楽しかったぜ?」

「ふ、巫山戯るな!」


 ミカエルは吠えるが、【熱盾(ヒート·シールド)】がドンドン破壊されていくのを見ていることしかできない。今の彼女は、【熱盾】の維持がやっとの状態なのだ。


 やがて、全ての【熱盾】が破壊され…。


「取った!止めだクソ天使!《破聖衝波(セイントブレイク)·(ヴァンドゥ)》!!」


 シャンガンの強烈な一撃がミカエルの腹を貫く。貫かれた腹からは、血液が溢れ出てミカエル自身も口から血を吐き出した。


「ゴ··ハッ···っ!?」

「終わりだぜ」


 シャンガンは、ミカエルを貫いたまま口を開く。


「俺が認めてやる。お前は強い。お前がダンジョンマスターだったなら、魔王派の中でも上位を狙えただろうぜ?まあ、今から死ぬわけだが」

「まだ···だ、戦いは、まだ」


 ミカエルは、シャンガンの称賛を無視して彼の腕を掴む。火事場の馬鹿力なのかシャンガンでさえ、顔が歪むほどの握力でもって。


「まだやるのかよ。俺個人としてはいいが、俺の任務はこのダンジョンの調査だ。何時までもお前の相手をしている暇はない」




「······安心しろ。もう、終わる」


 ミカエルは、死の直前だというのに笑っていた。それも、まるで獲物を追い込んだ狩人のように。


 その笑みに疑問を覚えた直後、シャンガンは辺り周辺を見回して、変化に気付いた。


(なんだ?さっきまで青空だったのに、夕方になってやがる。天気の変化でも設定しているのか?)


 シャンガンはダンジョンマスターである。故に、このような地上と見紛う階層では、天気の設定が出来ることを知っていた。なので空がオレンジ色に染まっても、天気の変化として片付けた。


 片付けてしまった。


「ク、ククク」

「あ?何が可笑しい」


 シャンガンは、突如として笑い声を上げ始めたミカエルを怪訝そうに見る。


「いや、クククク。




先入観に囚われるのは危険だと思ってな」


 その言葉と共にシャンガンの頭上から、今までとは比べ物にならない程の熱が降りかかる。


「ッ!?···な、まさかアレは!?」


 シャンガンは、慌てて上空を見上げると、そこには小さな太陽とも言うべき球が浮かんでいるではないか。


 シャンガンは、その時点で察した。察するしか出来なかった。


「お前ぇ、あの戦いは全て時間稼ぎだったと!?死ぬ可能性がありながら!?」

「··さあ、自分で考えろ」

「貴様!」


 シャンガンは、一杯食わされたことを悟りながら右腕の拳を振りかぶる。


(魔法は発動途中の場合、術者が死ねば途中のまま霧散する!ならば、このクソ天使を殺さなければ!)


 シャンガンの拳がミカエルの心臓を貫かんとした、その時。




 複数本の樹木の根が、鋭利な刃となってシャンガンの右腕を貫いた。


「なあっ!?これは、あのザドキエルとかいう奴の?!」


 シャンガンが狼狽えた瞬間、何処からか蔦が伸びてきてシャンガンの左腕からミカエルを引き抜き、森へと運んで行く。


「ま、待ちや」

「ハイそこまで!【ショックサンダー】!!」


 シャンガンがミカエルを追おうとしたその時、飛び込んできた天使、ラグエルの雷魔法によって動きを止められる。


「ぐうっ!?テメェ!」

「アッハハハハハハ!これだけじゃないよ!」

「ええ。【ルートニードル】」


 追い打ちと言わんばかりに、シャンガンの身体へ樹木の根が襲いかかる。シャンガンは、普段なら余裕で避けられるそれを雷魔法のせいで思うように動けず甘んじて受けてしまった。


「はあ、はあ、はあ、さあ、仕上げだ」

「く、クソ、取れねぇ!」


 ミカエルは、ザドキエルに肩を貸して貰いながらシャンガンに向けて腕を振り上げる。


 一方のシャンガンは、雷の痺れが取れたのか必死になって根の針を取ろうと奮闘するが、あまりに強靭な根に手間取っていた。


 そして。



「死ね、熱の裁きを受けよ」

「っ!?」



 ミカエルは、ゆっくりと腕を振り下ろした。



「【極熱砲(オーバーヒートノヴァ)】」

「ち、畜生ガアァァァ!!」



 シャンガンは、必死に藻掻きながら超高熱の光の中へ消えていった。


展開が早い?自分の文才では、これが限界でした。異論は認める。


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