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ダンジョン防衛作戦、第六階層②

相変わらず戦闘描写は、クソザコナメクジ。


◆ダンジョン第六階層 四番領域



第六階層でいう四番領域に飛ばされた冒険者+私兵団達は、今正にダンジョンの猛攻を受けていた。


「糞っ!糞っ!糞っ!何でモンスター如きが、人間様の使う兵器を持ってんだよ!」


そう言って逃げ回るのは、私兵団の下っ端でヤーコプの言う儲け話に乗った者達である。


「····想定外だ。まさか兵器を使ってくるなんて。魔道具があるとはいえ、何処まで持ちこたえられるか」


逃げ回る私兵団達を尻目に考えているのは、このダンジョン攻略に加わった五組のランクB冒険者パーティーの内一組、そのリーダーであるサミュエルである。サミュエルは、私兵団を囮にして敵の動向を観察していた。


「しかしあの魔導砲、俺が見てきた魔導砲と少し違うな。殆どの魔導砲は、固定されているのに奴等のは車輪と箱がついてある程度動かせるようになっている。おまけに砲身も長い。まさか、人間よりも高い技術を」

「リーダー、私兵団達がまもなく全滅します」


サミュエルが考察しているとサミュエルのパーティーメンバーが報告にやって来る。


「そうか。では、ここから退避するぞ。こんな危ない場所に長居は無用だ」

「はい、他のメンバーを呼び戻します」


そう言ったメンバーの一人は、残りのメンバーを呼ぶべく走り去る。


「···ここの戦力の一端は見えた。後は、冒険者ギルドに報告して情報料を」


サミュエルは、上に戻った後の事を考えながら、他のメンバーを待った。


「おせぇな」


しかし他のメンバーは戻ってこない。サミュエルは、しびれを切らして自分だけでも上に行こうと通路に出た。


そこには。





「···ほう、仲間を見捨てて自分だけでも、か。中々に冷たい奴だな」


居たのは、巨人。トロールの倍はあろうかという程の巨人が仁王立ちをして立っていたのだ。


「なっ···あ····」

「···うん?貴様、我を見て怖じ気づいたのか?それでもランクB冒険者か」


巨人が何やら言っているがサミュエルの耳には入らなかった。巨人の足元には、既に潰されたパーティーメンバーの死体が転がっており、生存は絶望的であることに気付き、今正に自分がああなろうとしているからだ。


(考えろ、考えろ考えろ考えろ!どうやってここを切り抜けるのかを!)


サミュエルは、どうにかこの場を切り抜ようと脳をフル回転させる。


しかし巨人は、待ってくれなかった。


「···ふん」


巨人は、持っていた金棒をサミュエルに向けてスイング。巨人からすれば、単なる軽いジャブのようなものだが、サミュエルから見れば命の危機を感じる一撃だ。


「···はっ!チィィ!!」


しかしそこは、腐ってもランクB冒険者。得物である双剣で巨人の金棒スイングをどうにか止める。


「ぐっ、ヌゥゥゥ!!??」

「···多少はやるか。しかし、」


だが、それも。


「下らぬ抵抗だ」


巨人の圧倒的なパワーに押し負け、通路の壁に叩きつけられた。


「ガハっ···!」


壁に叩きつけられたサミュエルは、口から血を吐き出し地面に転がる。


(つ、強すぎる···!!)


サミュエルの僅かにあった自信、それが巨人の一撃で木っ端微塵に砕け散った。たった一撃、されど一撃。あまりにも強さの格が違うのだ。それだけで、サミュエルの戦意は喪失した。


「···さて、そろそろ始末」

「ひぃっ!い、嫌だァァぁ!!」


自信を木っ端微塵にされたサミュエルは、その場から逃げるために悲鳴をあげながら、地面を這いずって逃げようとする。


「···無駄な足掻きだ」


しかし、巨人は金棒をサミュエルの両足に振り落とし、使えなくする。


「グギャァァァァ!?」


サミュエルは、再び悲鳴をあげるが、それでもなお両腕を必死に動かし巨人から逃げようとする。


「···哀れだな。これ以上苦しめるのもアレだ。このまま頭蓋を潰し、終わらせてやろう」

「··っ!?や、止めろォォ!」


サミュエルは、悲鳴をあげながら懇願するが巨人は無視する。


「このダンジョンに攻めこんだことを後悔しながら、死ぬが良い」

「止めろォォ!止めて!止めてください!止め」


サミュエルの命乞いを巨人は、金棒で頭蓋を潰すことで答えた。


「··ふん、始末完了」


巨人、マキアは潰れた死体を呼び寄せた餓鬼の集団に喰わせた後、残る侵入者を始末するべく動き出した。














◆ダンジョン コアルーム カゲマサside



「ふ~、見事だマキア」


俺は無意識に流れ出た汗を拭き取り、マキアの勝利を称賛する。


「マキアは、〈狂星〉の中でも一位二位を争う実力者です。そう簡単には負けませんよ」

「でもさ、不安なものは不安なんだぜ?もし、ステータス以上のナニかを隠してたらと思うと」

「そうならないため、マキア達は訓練を積んでおります」


シロが大丈夫だと言ってくれるが、やはり不安なものは不安だ。


「で、七番領域はどうなった?」

「はい、あちらも一番領域同様、〈百魔〉率いる部隊で処理が完了したようです」

「ふむ、第七から第十までの階層はどうだ?」

「順調に始末出来ているとのこと」

「わかった」


それを聞いて俺は、少し安堵する。少なくとも第六~第十階層には想定以上の敵はいなかったようだ。


「次は、ワイズの階層か。大丈夫かな」

「まあ、ワイズの場合はクーハやタマモなど優秀な者が多いので、上手く補佐してくれるでしょう」

「だと良いがな」


俺は、ワイズのことを少し不安に思いながら第十一~第十五階層のモニターを映した。

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