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ダンジョン防衛作戦、開始

短い上にまだダンジョン防衛戦には行かない。多分次の話でいくでしょう。(遅い)


◆ダンジョン手前の村 ダンジョン入り口



ダンジョン入り口には、千人を超す武装した人間達が終結していた。先頭に立って演説しているのは、冒険者ギルド本部副長であるヤーコプである。


「聞け!我が私兵団に冒険者諸君!我々は、たった今からこのダンジョンを攻略する!」


脂肪の詰まった腹を揺らしながらヤーコプは、更に口を動かす。


「このダンジョンは、出現して長らく第六階層以降は未開らしいが、恐れることはない!所詮は片田舎のダンジョンよ!この戦力なら何ら問題あるまい!必ずやこのダンジョンを攻略出来るであろう!」


そして一旦言葉を溜めて、彼等のやる気を引き出すべく、悪い笑顔を浮かべながら言い放った。


「第一から第五までお宝の山なのだ!第六階層以降は、更にとんでもないお宝があるに違いない!そしてダンジョンマスターを捕獲出来ればお宝聖造機を手に出来る!」

「ははっ!そいつはいいぜ!」

「なあ、美人の女だったらヤっちまおうぜ?」

「おいおい、まずは宝だろ」


宝。この言葉にヤーコプの私兵団達は色めき立った。中には、まだ見ぬダンジョンマスターに対して下卑た笑みを浮かべる輩もいた。


そんな私兵団達とは対照的に冒険者達は、まるでお通夜みたいな状態だった。


「···やっぱり、止めようかな」

「パークス、気持ちは解りますが」


その冒険者達の一人であるBランク冒険者パーティーリーダーのパークス・ロアンは、弱音を口にした。周りの目をあるので慌ててパーティーメンバーのタロ・エルーゼンが止める。


「貴方は、こちらの最高戦力に数えられているんです。あまり混乱は」

「タロ、君だってあのダンジョンに入るのは嫌だろう?ならば今逃げた方がいいんじゃないのか」

「···」

「···解ってるよ。いくら愚痴を言っても無駄だってことぐらい。妹と治療費が掛かってるんだ。ダンジョンマスターには悪いがさっさと攻略させてもらおう」

「··ええ、そうですね」


パークスとタロは、はぁと溜め息を吐いた後立ち上がりダンジョン入り口に向かっていく。


「ギニャ!!?」


その時、パークスのパーティーメンバー紅一点であるエマ・ニャントルが突如身体を振るわせた。


「···どうした?ネズミでも踏んだ?」

「ち、ちがうわい!その、誰かに見られたような気がしただけだい!」

「···見られた?私兵団の誰かにいやらしい目で見られたんじゃない?」


パーティーメンバーの人形をいじくり回す不気味な男であるドトール・マリオネットがエマに問いかけるが、返ってきた答えに周りを見渡しながら私兵団の者と推測する。


「いやいや、何て言うのかな?そう、殺気よ殺気!とんでもない殺気が私達に向けられた気がしたのよ!」

「···殺気?」


ドトールは、エマに再度質問しようとしたとき、ヤーコプが声を上げた。


「いざ、ダンジョン攻略だ!さあ、このヤーコプに続け!」

「···疑問は後だエマ。さっさといこう。パークス達も行ってる」

「え、ええ!」


ドトールとエマは、疑問を残しながらもダンジョンに侵入していった。















◆ダンジョンコアルーム 総合指揮所 カゲマサside



時は少し戻って、ヤーコプがダンジョン前で人間相手に演説しているときだった。私兵団の会話を聞いた俺は、表面上静かにしていたが、内心腸が煮えくり返っていた。


(悪かったなぁ。片田舎のダンジョンでよぉ)


俺は、内心怒り狂っていたからか殺気を辺りに撒き散らしていた。そのせいで総合指揮所にいた指揮官クラスのモンスター達はすっかり萎縮してしまい、シロはたまらず俺に声をかける。


「ま、マスター。お怒りは最もです。ですがここは、殺気をお控えください!」

「···ああ、そうだな。すまん」


俺は、シロの忠言に少し平静になりながら演説を続けるヤーコプを見る。


「シロ、誰一人生かすんじゃないぞ?」

「勿論です。誰一人このダンジョンからは出しません。そのために準備してきたんですから」


俺の言葉にシロは、自信をもって頷く。同時に決意を持って。


(見ていろ人間共、我が最愛のマスターの城に入ってきたのならば誰一人、まともに死ねると思うな!)

「ふむ、やはり第一から第五までは楽勝か」


シロが決意を固めるのを余所に俺は、侵入した千人以上の輩が映ったモニターを見る。そこには、スポーンモンスターであるゴブリンやオークを殺しながら進む私兵団達に冒険者が映っていた。


「···そろそろ奴等が第六階層に入ります」

「わかった。お前等ァァァ!!準備はいいか?!」


俺は、《念話》でシロ以外の各〈六将〉に連絡を送る。


『こちらゴブイチ、準備完了してるっすよ!』

『お父さんを襲う奴等は、ぜ~んぶ溶かしちゃうよ!』

『何時でも』

『キラー、準備完了です!』

『ご命令を、我等がマスターよ』


良し、皆大丈夫だな。


俺は、そう感じながら大声で指示を出す。


「いいか!?奴等は俺達のダンジョンを奪おうとする盗っ人共だ!手加減など必要無い!徹底的に潰せ!いいな!!」

『『『『『おおっ!!』』』』』







「これよりダンジョン防衛作戦を開始する!総員、気合いを入れろ!」



俺の言葉に呼応するように雄叫びをあげるモンスター達。


長らくダンジョン奥地で牙を研いできた化物(モンスター)達が今、人間達に牙を向く。

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― 新着の感想 ―
[一言] 本部副長、カゲマサ様を怒らせんじゃないわよ!  妹のために来た人が助かれば良いなぁ、弓の人みたいに(名前を忘れた)
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