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ダンジョン確認作業①

難産でした。


◆ダンジョン第十階層 カゲマサside



幹部会から数日経ち、俺は鍛練をする傍ら各階層を見回ることにした。ダンジョン機能で見ることも出来るが、直に見てみないと分からない事があるかもと考え、各階層に足を運んだのだ。


まずやって来たのは、ゴブイチが居住区とする第十階層最奥にある砦。砦の前には、数多くのゴブリンやオーク、オーガ等が武器をもって待機している。ゴブイチが言うには、砦直属の部隊で緊急時に各階層に派遣する用の部隊だとか。


「いやぁ、ここまで部隊運用を考えてくれているとは。全く、頭が上がらないよ」

「いやいや!オイラがここまでなれたのもマスターのお陰っすから!」

「だから、それはお前の努力の結果だろうが。一々謙遜するな」


ゴブイチは、ここまで成長出来たのは俺のお陰とか言っているが、俺からすれば俺が不在の間ずっと努力し続けた賜物と考えている。


「まあ良いさ。この話しは、一旦止めてと。ゴブイチ、この階層の部隊編成を纏めたんだろ?見せてくれ」

「了解っす!」


ゴブイチは、そう言って一枚の紙を持ってくる。そこには、『第六~第十階層、部隊編成表』と書かれていた。俺は、ゴブイチから『第六~第十階層、部隊編成表』を受け取った。


●第六~第十階層、部隊編成表


・重軽装歩兵部隊

最も数の多い部隊。徒歩による移動で警備をしている。軽装備と重装備の二種類


・騎獣部隊

狼系統や馬系統モンスターなどに騎乗した部隊。兵団内で一番の機動力持ち。


・飛行部隊

飛行できるモンスターや魔道具によって飛行を可能とした者で編成された部隊。


・ゴーレム機甲部隊

ゴーレム技術を使った戦車等といった試験的に運用されている部隊。まだ実験段階。


・魔法部隊

魔法が使えるモンスターが集められる部隊。


と、書かれていた。


「なんとまぁ」

「有事の際には、モンスターを纏めて軍を編成するので必要ないかもしれないっすけど、一応編成してみたっす」

「なるほどね。まあ、あまり多くしすぎると混乱するから、迷宮攻略軍や迷宮防衛軍みたいに単純化したほうが良いかもな」

「じゃあ、そうするっす」


ゴブイチは、そう言って『第六~第十階層、部隊編成表』をあっさりゴミ箱へ投げ捨てた。


「良いのか?」

「まあ、部隊は残すっす。部隊を削減して効率化を図って···」


その後、俺とゴブイチは部隊編成の見直しを行い、じっくりと討論したあと、俺は第十階層をあとにした。














◆ダンジョン第十五階層 スライムハウス



「お父さ~~~ん!!」

「お、ワイズか」


俺が次にやって来たのは、第十五階層。本来第十一から第十五階層は、荒野が広がるのみだったが、カオス・スライムキングであるワイズがいるスライムハウスだけは、辺りに草むらが生えている。


ワイズは、俺が来ると真っ直ぐと飛んできて、俺の腹に抱きつく。


「お父さん!今度は遊べるよね!遊ぼうよ!」

「おう、そうだとも」


そう言うとワイズは、太陽のような笑顔になった。見た目は、可愛い少女だがコイツ性別無いんだよなぁ。なんせ、スライムだし。少女なのにスライムキングだし。冒険者達だと騙されるやつもいるかもしれん。


「ねえ、お父さん!何して遊ぶ?おままごと?鬼ごっこ?」

「う~ん、よし鬼ごっこにするか!」

「わ~い!じゃあ、皆を呼んでくるね!」


そう言うとワイズは、スライムハウスの中に入っていく。俺は、その場で待機していると、スライムハウスの中から数人の人影が。


「連れてきたよ!」

「いや~、まさかマスターと~、鬼ごっこする事に~、なるとはね~」

「ふむ、マスターに近付くチャンスか···。ならば、妾の力存分に示し、マスターの心を射止めてやろうではないか」

「あ、あの~、出来れば被害を最小限に」


やって来たのは、ワイズを入れて四名。


まずは、鬼ごっこの発案者であるワイズ。


二人目に幹部会でレオーネの代わりに出席していた〈狂星〉クーハ。


三人目は、艶やかな黒髪に黒目。頭に生えた二つの狐耳。金色の和服といったいかにも傾国の美女といった存在だった。《鑑定》。



名前 タマモ

種族 九尾

職業 〈狂星〉 第十一階層守護者

レベル 59

ランク A+

スキル 妖術王 超速再生 魔力障壁 幻影 護身術etc.



そう、階層が追加された際にワイズの部下兼〈狂星〉となったタマモという九尾の狐である。比較的若手なので、手柄に躍起になっているようだ。


「マスター、今回の鬼ごっこ。もし妾が買ったら、妾をマスターの寝所に」

「は~い、タマモちゃんストップ~。それ言うと~、シロ様が黙ってないよ~」

「···チッ、ならば妾が〈六将〉になった暁には、再び誘いましょうや」

「それでいいですよ~」

「あ、じゃあ次は私ですね。こんにちはマスター」


最後の四人目。それは、紫色の髪に半眼、メガネとなにやらインドア系な女性だった。


「きょ、〈狂星〉のポイズンです。今回はなるべく手加減をですね」



名前 ポイズン

種族 ヴェノムスライム

職業 〈狂星〉 第十五階層守護者 お守り

レベル 51

ランク A+

スキル 猛毒王 超速再生 魔力障壁 隠形の達人 呪詛etc.



「ま、マスター、私は貴方のように強くありません。だから、せめて手加減を。手加減を···っ!」


ポイズンは、そう言うと只でさえ暗い顔をさらに暗くさせて懇願する。


「善処するが、遊びだ。そこまで酷いものにはならんだろう」

「し、しかし」

「じゃあ私が鬼ね!範囲は、この十五階層で!いっくぞ~!!」

「ヒィ!!ま、マスター!お先に失礼しまふ!」


鬼ごっこが開始された瞬間、クーハは空、タマモは妖術で転移、ポイズンは恐ろしい速さで走り去った。あ。


「しまった、逃げ遅れた」

「よ~い、ドン!」






その後は、ワイズや他の仲間と鬼ごっこを楽しんだ。え?詳細?



ワイズが捕まえる際触手連打で荒野が穴ぼこだらけになったとだけ言っておく。

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