断罪、そして離別
ネタが出ぬ···(゜ロ゜)。
◆マーロイ北部 “乾きのダンジョン”前 勇者パーティーside
勇者サユリの《極光聖斬》が“騎士”に炸裂し、あたり一面が青白い光に包まれた。やがて青白い光が収まると、そこには大きく抉れた砂漠。そして。
真っ二つに成ってなお、生きようと足掻いている“騎士”の姿だった。
「ヒィ~~、ヒィ~~、イタイィィ、イタイィィィィ!!ナンデ、ナンデ、ナンデナンデナンデナンデナンデナンデ!!ナンデオレサマガコンナメニィィ!!?ナンデェェェ!!アイツゥゥ、カテルッテイッタノニ!ダマシタナァァァァァ!!!」
「自業自得だろ」
“騎士”は、心底訳が解らないと叫んでいると、勇者サユリが聖剣を突き付けながら冷たく言い放つ。
「~~~ッ!!フザケルナ!!シュミデニンゲンヲコロシテナニガワルイ!!?オマエハヒトノシュミニクチヲダスノカ!!オマエラニンゲンダッテ、タクサンニンゲンコロシテルジャナイカ!!」
「····ゴミがっ!」
“騎士”は大声で喚く。何で人間を殺してはいけないんだ、お前等は沢山殺してるのに何で自分はいけないんだ、理不尽だ、ズルイ、など“騎士”は多く叫んだ。
「人間は、確かに多くの人間を殺すこともあるだろう。他ならぬアタシもそうだ。こっちに来てから、初めて盗賊退治の際に殺した」
「初めは吐きそうだった。いや、実際吐いた。覚悟は出来ていたとはいえ、やはり吐かずにはいられなかった」
「だが、少なくとも敵は盗賊だった。罪を犯してたんだ。だから、アタシの行動は称賛されたよ。···それ以来、あまり盗賊退治の依頼は受けてないけど」
「それに対してお前はどうだ?盗賊といった罪人やモモンスターならいざ知らず、罪無き人間まで手に掛けて。それを趣味だと?」
勇者サユリは、底冷えするかのような口調で 言う。
「ふざけるのもいい加減にしろ」
その言葉に“騎士”は、少し怯むがすぐに言い返す。
「ナンダト!!レットウミンゾクフゼイガ、オレサマ二クチゴタエスルノカ!!」
口から出てきたのは、まさかの差別発言。“騎士”の支離滅裂な言動に勇者サユリは、怒りを通り越して呆れてしまった。
「もう良い、お前と話しているだけで嫌な気分になる。死んでしまえ」
そう言って聖剣を“騎士”に突き刺そうとしたその時。
「あ~、思いの外あっさりとやられたな?死んだフリして後ろからグサっていこうとしてたのに」
呑気にそう言って出てきたのは、胸を針で貫かれた筈のカゲマサだった。
◆カゲマサside
俺が死んだフリをしつつ、勇者パーティーと“騎士”の戦いを観察していたのだが、思いの外あっさりと終わってしまった。何たが違和感がぬぐえないが、俺は一旦死んだフリを止めて勇者パーティーの前に姿を見せた。
「···や、やあ、無事だったんだな」
「あれくらいで死ぬか」
因みに、《冥針剣・針山地獄》で貫かれた胸は既にスキル《超速再生》で修復されている。スキル様々だ。
「···エ?エ?····エッ!?」
ん?どうやら“騎士”は、訳が解っていないようだ。まあ、死んだと思ってた奴がいきなり現れたらこうなるか。というか、コイツなんでこんなに性格変わってるんだ?多重人格者なのか?
「ナンデ」
「はい?」
「ナンデイキテイル!?タシカニシンゾウヲツラヌイタハズダ!ニンゲンハシンゾウヲツラヌイタラ、シヌンジャナイノカ!」
あ~、普通の人間だったら死ぬわな。俺には、《超速再生》があったり。そもそも、俺は人間じゃなくて王級魔人という人間に似たモンスターだから。生命力桁違いに上なんだよ、人間より。だから、こんなもの致命傷でも何でもない。
まあ、そんなこと言わないけど。
「知るか、訳なら自分で考えろ」
「アリエナイィィィィ、アリエナイィィィィィィィィ!!」
何やら“騎士”が恨みがましくこちらを見ているが無視して、勇者サユリに話しかける。
「おい、止めささなくて良いのか?」
「今からさすさ」
勇者サユリは、“騎士”を見下ろすと、聖剣を構えて魔力を集中させる。
「ヒィ!ヤ、ヤメロ!!」
「嫌だ」
「クルナッ!!」
「行くね」
「タスケテ!」
「死ね」
勇者サユリは、真っ二つにされた身体で這いずり、逃走を謀る“騎士”に聖剣を振り上げる。
「マッ
「聖剣よ。我等の敵を討て」
その言葉と同時に青白く輝く聖剣を勇者サユリは、なんの躊躇もなく聖剣を振り下ろした。
「チクショォォォ~~~!!モット、モットコロシタカッタァァ!!」
そんな断末魔をあげながら“騎士”は、聖剣によって切り刻まれた。そして、残った肉片を俺が【ヘルフレイム】で燃やし尽くした。
「···これで終わり?」
「···かねぇ?」
勇者サユリと俺は、あまりにもあっさりと倒せたので首を傾げる。
「何言ってんの!終わったのよ!あれだけ切り刻まれた挙げ句、燃やし尽くされたら誰だって終わるわ!!」
勇者パーティーのナハリアは、どうやら“騎士”は死んだと捉えたらしい。鼻息を荒くして俺と勇者サユリに力説する。
「でも、なぁ?」
「ああ、何か胸騒ぎがするって言うか····おい」
そこで俺は、あることに気がついた。“騎士”に夢中で今まで忘れていたこと。
「おい、〈調教師〉の奴は何処に
グサグサグサグサっ、グチャ。
その音に俺と勇者サユリ、ナハリアは音がした後方に振り向く。
そこには。
赤いトゲが身体中から生えて、絶命した勇者パーティーの一員、サマンサとリリエル。そして。
〈調教師〉チョウ・キュウホが立っていた。
「よお、さっきぶりだな。間抜けども」
こちらを嘲るような笑みを浮かべて。
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