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冒険者ギルド

すみません。次回こそエリスとの模擬戦書きます。


 俺は途中で野良のモンスターを倒しながらファースの街へ向かった。


「見えたな」


 やがてファースの街の門が見えてきた。


「あ、これは英雄殿。すみませんが身分を証明出来るものを提出していただけませんか?」

「へいへい。ん?英雄?」

「はい、領主様が昨日の一件の顛末を領民に話されたんですよ。貴方が英雄だと仰ってました」

「はぁ?というか俺が死霊公を倒したって何で分かったんだ?俺が嘘ついてる可能性を考えなかったのか?」

「何をご冗談を、貴方の戦いは我々兵士や冒険者に見られてますよ」


 なんということだ。まあ、あんなに派手にやったから見るか。何か俺の目立ちたくない生活から離れていく気がする。死霊公に手を出した俺の自業自得だけども。


「まあいいや。はい、ギルドカード」

「確認します。・・・・・はい、確認しました」


 さて、何しようかな。まだ正午まで時間あるし、冒険者ギルドに行って簡単な依頼でも受けるか?


「ねえ、冒険者ギルドって何処にあるの?」

「ああ、それなら大通りを真っ直ぐいった先に、剣の描かれた看板が掲げられている建物が冒険者ギルド支部です」

「ありがとさん」


 俺は兵士にお礼を言って大通りにある冒険者ギルド向かった。









◆冒険者ギルド



 ここか。支部だから小ぢんまりしてるかと思ったんだけど、中々大きいな。


「すいま・・・・せん?」


 中に入った瞬間、冒険者達から一斉に視線を浴びてしまった。いきなり仮面を被った男が来るとこっち見るか。俺は肩身の狭い思いをしながらカウンターまで行くと、


「すいません。今軽い依頼ってあります?」

「え!あ、はい!ギルドカードを提出お願いします!」

「あ、はい」

「お預かりします!・・・・はい、少々お待ちください!」


 若い女職員は、慌てたように奥に引っ込んだ。・・・嫌われてるのかな?悲しい。周りの冒険者もヒソヒソと話してるしな。陰口かな?まあいいけどさ。


 しばらく待っていると、若い女職員が三枚の紙を持ってきた。


「あ、あの!こちらの三枚が依頼書です。順に説明しますね」


 若い女職員が、説明したことをまとめるとこうだ。


・ゴブリン退治

近隣に現れたゴブリンの討伐。数は五匹

報酬は銅貨20枚


・掃除の手伝い

街の西側にある民家の掃除を手伝う。

報酬は銅貨12枚


・戦闘教練

街の孤児院の子供に戦闘の術を教える。

報酬は銅貨30枚



「ふむ。二枚目の掃除の手伝いでお願いします」

「え、それですか!?その依頼は、大変な割に報酬が安いのですが」

「大丈夫、やりとげますから」

「わ、分かりました。依頼人は街の西側にある民家の女性です。何でも家の汚れが酷いとか。あ、場所分かります?案内しましょうか?」

「お願いします。」


 そう言うと女職員は、案内するべくカウンターから出て俺を先導するべく地図を持ち、


「ではいきましょう。少し遠いですが」

「構いませんよ」


 俺は、女職員に連れられ冒険者ギルドを出た。何故か驚いた顔している冒険者達を尻目に。しばらく歩いていると、女職員が聞いてきた。


「あ、あの!」

「はい?」

「え、英雄さんですよね?」

「この領ではそう呼ばれてますね。それが何か?」

「えっと、死霊公を倒した程の人ならもっと高いランクの依頼を受けるのかなって」

「あ~」


 確かに高ランクの依頼は、報酬は高いからやりがいあるからな。でも今の俺は新米だし、時間ないし。


「まあ冒険者としては、新米ですし経験を積んどいてもいいかなと」

「そ、そうですか」


 適当にはぐらかしたから大丈夫だろう。


「あ、着きました」

「ここか」


 民家は、小ぢんまりとした家だ。だが、所々がカビ臭い。どうしてこんなになるまで放っておいたんだ?


「じゃあ後はお願いします」

「へい」


 女職員が、立ち去った後俺はドアをノックする。


「すんません。掃除の手伝いの依頼で来たのですが」

「は~い」


 出てきたのは、恰幅のいい四十代の女性だった。


「じゃあ頼もうかね。場所はこっちだよ!」


 そう言われて連れてこられたのは、埃まみれでカビの繁殖した倉庫だった。


「お願いねえ」

「はい」


 ふむ、すごい埃だな。カビも酷い。だがしかし、こんなもの風魔法と熱魔法ですぐに片付く。イメージしろ。風は弱すぎず強すぎず、風向は回転式で、中央に埃が集まるように。


 イメージが完了し、魔法を発動させる。


「【ウィンド】」


 すると俺の周りに風が発生し、部屋の中央に埃が集まるようにふきはじめた。次第に埃が部屋の中央に集まり始める。数分後、部屋の真ん中には山盛りの埃が積もっていた。因みに、少量の埃は風魔法を使い、埃を巻き上げ中央に集めた。その後集めた埃は全て袋に入れた。


「次はカビだな。一気に乾燥させてやる。【ドライ】」


 俺が魔法を使うと一気に倉庫内の湿度が低下し乾燥していく。カビは、乾燥してカサカサになっていく。そのカサカサになったカビを風魔法で回収し、埃の入った袋に入れていく。やがて全て回収し終わると、依頼人の女性を呼びに行った。


「すんません」

「なんだい?もしかして音をあげたって言う気じゃ」

「埃掃除終わりました」

「はい?」

「埃とカビ掃除終わりました」

「あの量を?」

「はい」


 女性は、無言で倉庫の中に入った。倉庫には、埃は一ミリも無い。カビは全て取り除いた。


「本当に、埃がない。カビも」

「どうでしょうか?」

「・・・ああ、合格だよ。紙だしな」


 俺が、依頼書を出すとそれを受け取り外に出ていく。


「ついてきな。ギルドに行くよ」

「はい?」


 女性と一緒にギルドに帰ってきたら、冒険者達は何故かざわめいていた。


「あ、あのどうかされましたか?」

「依頼達成だよ」

「え!?あのゴミ倉庫を綺麗に出来たのですか!?」

「ああ、綺麗さっぱりとね。これでしばらくは埃がたまらないね。カビはわからないけど」

「は、はあ」

「じゃ、頑張りな青二才!」


 お、おう。青二才って初めて言われたぞ。


「凄いですね。あのゴミ倉庫を綺麗にするなんて」

「そんなに凄かったんですね」

「ええ、ではカゲマサさん。依頼達成です。銅貨12枚をお渡しします」


 俺は女職員から、銅貨12枚をもらった。











 俺はギルドを出て、エリス・ドミニクの指定した領軍練兵所にやって来た。


「すみません。エリス・ドミニクさんに何か模擬戦を挑まれた者ですが」

「はい。エリス様のお相手ご苦労様です」


 そう言われて、練兵所に通された。領軍練兵所では、大勢の兵士が訓練していた。そして、そのど真ん中で例のご長女様が仁王立ちしていた。


次回は、ご長女様と模擬戦です。

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