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乾きのダンジョン、第二階層③


◆“乾きのダンジョン”第二階層 カゲマサside



“乾きのダンジョン”の最奥にて、“騎士(ナイト)”が嗤っている頃、俺は第二階層の砂嵐が吹き荒れる黒砂漠を着実に進んでいた。道中、サンドマンやゴーレム、ブラックワームに何度も襲われたが魔法で蹴散らした。


そして、黒砂漠を進んでいくなかでふと気付く。


「そういえば、〈調教師〉の奴は何処行った?俺達と同じで転移罠にかかったはずだが。まあ、良いか。死んだら死んだで。どうせ今回限りの協力だ」


魔王軍のテイマーだか知らんが、まったく知らない赤の他人だからな。死んだら、名誉の戦死という形にしよう。


「さて、さっさと進むぞ····ん?」


暫く進んでいくなかで、前方に何か巨大な建造物が見えてきた。そしてその建造物は、前世である地球にて見たことのあるものに酷く酷似していた。


「黒い、ピラミッドだと?」


色以外は、まさにピラミッドだ。巨石を四角錐状に積み上げて、中に通路やら部屋やらを作り配置した建造物であるピラミッドが黒塗りの姿で鎮座していたのだ。


しかも、ピラミッドの入り口?から、多数のモンスターが這い出てくるではないか。


「GAAAAAAaaaaaa!!!」


包帯を身体中に巻き付けた動く死体、ミイラ。単体では、ランクEクラスとお世辞にも強くはない。しかし数自体は多く、今や這い出てきたのは五百体を越えようとしている。


「ナンでぇ····なンでぇ···?」

「タスヶてヨォ··イタい···いタイ··イたイ!」

「なンでェ··タスけテくレナいノォぉオおォ呉雄尾苧%$*@?>::@?>=.)@:@.??{...>!?!?!????!!」


ミイラの次に出てきたのは、何やら人の形をした怨霊だった。服装を見る限り奴隷だったようだな。数は、五十体。何故か、途中から壊れたレコードみたいにバグってるし。良くわからん。ただ、ここにきて奴隷の怨霊がやってきたのは“騎士”の差し金だろう。


「はっ、あの世から復讐か?まさか“騎士”の野郎、この程度で怖じ気づくとでも?」


俺は、五百体のミイラ軍団や五十体の奴隷怨霊集団を前に、俺は何の容赦もなく【ヘルファイア】を放つ。俺の手から深紅の炎がミイラ五百体と怨霊五十体を焼き尽くす。


「駄目押しだ。【ライトニングボム】」


俺は、駄目押しで光の爆弾で完膚なきまでに破壊しつくした。


「あ唖々ああ···唖々あああ!!」

「ナンで、ナンで··、タスけ····て、くれナイの」

「ヒトでナし!!」


何やら消えかけの怨霊共がほざいているが、容赦なく滅ぼしていく。赤の他人だし。それに。


「もう人じゃない怨霊が何言ってんだか」


そう。コイツらはもう怨霊というモンスターなのだ。生かしておいて何の利益もない。おまけにダンジョンモンスターの筈だから“乾きのダンジョン”のマスターに絶対服従だ。つまり、敵。本当に生かしておく価値がない。


俺は、最後に一体の怨霊を消滅させた後、再び黒ピラミッドに向かって進行を開始した。

















◆ダンジョン最奥 コアルーム



“騎士”は、ダンジョン最奥のコアルームにてゲラゲラと嗤っていた。


「ギャハハッハハははっはは!!♪出すタイミングミスりましたねぇ♪まあ、いいでしょう♪どうせ生物やモンスターが死ぬ度に死の力はドンドン貯まりますから♪」


と、心のそこから愉快とでも言うように嗤った。無造作にゴーレムモドキのダンジョンマスターを蹴りながら。


「グ···!」

「さて、私もさっさと準備しますか♪















そろそろ、動いてよろしいですよ♪」


“騎士”は、コアルームの入り口に声をかけた。いや、正確には入り口の影にいた〈侵入者〉に。


「···やれやれ、運良くたどり着いたはいいが。どうするかな」


入ってきた〈侵入者〉は、額に角を生やした魔族、〈調教師〉チョウ・キュウホだった。

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