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模擬戦前のダンジョン改装

ダンジョン改装挟みます。


「名前言ってなかったわね。私はエリス、エリス・ドミニクよ。こっちのマジーメの姉に当たるわ。」

「は、はぁ」


 これが姉か。マジーメ思いっ切り素を出してたな。少し笑えた。じゃなくて。


「じゃあ模擬戦しましょう?」

「今、夜って分かってます?」


 そう、今はちょうど深夜である。俺も死霊公戦でヘトヘトなので、早くダンジョンに帰りたい。


「俺は早く帰りたいんですが」

「じゃあ私が貴方の家までついていくわ。そこで模擬戦しましょう?」

「いや、家知られたくないので結構です」

「そう?じゃあ今模擬戦しましょう?」

「マジーメさん、この人止めて!」


 この人話聞いてねぇ!俺はもうヘトヘトなの!


「おい姉貴!そろそろやめろ!客人が困ってるだろ!」

「え~?」

「え~?じゃねぇ!」


 マジーメの顔から血管が浮き出て、今にも裂けそうだ。相当この姉に悩まされたのか。ストレスがマッハでたまってるだろうな。


「じゃあ、明日でいいわ。明日、このファースの街の領軍練兵所に来なさい。時間は正午の刻よ」


 そう言って、エリス・ドミニクはメイドさんとともに応接室から出ていった。


「・・・・」

「・・・・」



 マジーメと俺はしばらく沈黙する。



「あ、えっと」

「・・・うちの姉がすまない」

「あー、戦いが好きなんですか?」

「ああ、子供の頃からあのような感じだった。貴族の子弟などに勝負を挑み、全てに勝ってきた。しかし、その性格のせいで婿を見つけようとお見合いをしたが、どういう訳か決闘になってしまってな。そして相手を打ち負かし、破談になってしまったことが何回あったか」

「なるほど」


 確かにお見合い相手、しかも女相手に負けたら嫌だろうな。どうでもいいが。


「さて、姉の話は置いておこう。報酬の件だが、先程オルフェから届いた。これが金貨50枚と冒険者ギルドのギルドカードだ。ランクはC、ベテランと言われるランクだな」

「いきなりランクCですか?」

「ギルドの上層部も、他の冒険者も納得してる。森の一部を完全消失させた化け物を倒したんだ。当然納得するさ」


 そう言うもんか?というか、いつの間に受け取ってたのか。まぁ、街に入る際に怪しまれることはないか。


「ところで、ギルドカードを登録するには名前が必要なのだが」

「カゲマサです」

「分かった。・・・・よし、カゲマサで登録完了だ」


 良かった。名前で怪しまれるかと思ったけど、怪しまれなかった。


「ではこれで」

「待ってくれ。最後に一ついいか?」


うん?あ、ま、まさか。


「その仮面の下の顔はどうなっているんだ?あ、いやさらしたくないなら構わない」

「あ~」


そりゃそうだよな。いきなり仮面を被った男を信用するのは、無理な話か。良し、イメージしよう。見られたくない理由のように見せるため、・・・・完成っと。


「見たいですか?」

「あ、ああ」

「では」


 俺は仮面を脱いだ。そしてマジーメは、その顔を見て絶句する。その顔は、顔全体に広がっている火傷の跡が付いていた。


「そ、その顔は」

「以前炎を吐くモンスターにやられましてね。あまりにひどいから仮面で隠しているのですよ」

「・・・・すまない」

「構いませんよ。もう納得しています。では」

「ああ」


 俺は、再び仮面を被ると応接室から退室した。そして領主の館から出ると、急いで外の門に直行した。


「あれ、貴方はあの時の」

「ここ通りたいんだけど」

「え、夜はモンスターが凶暴化して危険ですが」

「大丈夫!俺は強いから!」

「あ、はい!」


 俺は、開けられた門から急いでダンジョンへ帰っていった。










◆ダンジョン



「や、やっと帰ってきたぞ」


 俺はダンジョンの入り口で、そう呟く。辺りはもう朝になりかかっていた。


「ただいっま!?」


 ダンジョンに入り、挨拶しようとした瞬間誰かに抱きつかれた。


「え、カレン!?」


 そう、抱きついたのはオークの下級魔人であるカレンだった。


「う、う、ひぐ」

「??ど、どした?」

「どした?じゃありません!!」

「え!?」

「私達は貴方がいつまでも帰らなくて心配してたんですよ!?」


 ああそうか。連絡手段なかったからな。でもカレンからこんなに泣かれるほど仲良くなった覚えはないぞ?あ、そうか。俺がいなくなったら、庇護する存在がいなくなるからか。それならまだわかる。


「もう!みんな待ってますよ!」

「おう、今いく。」


 その後他のメンバーにも、帰らなかったことに怒られた。特にシロ。


 そしてしばらく怒られた後、


「みんな聞いてくれ。明日また俺は、街に行かなければならない。だからダンジョンを改装する」


 俺の言葉に皆賛同する。俺がいない間に襲撃されコアを破壊されたら、目も当てられない。俺は早速ダンジョンの改装に着手した。まずはDPを使い、階層を6階層から9階層に増やした。そして、道具創造カタログからある物を作った。



●モンスタースポーン(ゴブリン)1000DP 固定

 一定時間毎に、ゴブリンを生み出すシステムだ。これを第1階層に設置しておく。宝箱も設置しておいた。


●モンスタースポーン(オーク)10000DP 固定

 一定時間毎に、オークを生み出すシステム。第2階層に置いておく。後は宝箱だ。


●モンスタースポーン(獣系)20000DP 変異

 上に同じ。これは、第三階層。



 DPについては、アンデッド一万体分と死霊公、そしてドラゴンゾンビ分、支配領域から吸い上げた分があるのでたくさんあった。


 モンスタースポーンについてだが、上の二つのスポーンは、固定種で、あらかじめ決められたレベルで出てくる代わりに、ダンジョン内しか生きられず、レベルも上がらない。命令を聞く知能はあるが、しゃべるほどの知能はない。


 最後のスポーンは、変異種という。初めは小さいネズミのような姿だが成長することができ、様々な種類に進化できる性質を持っている。外でも活動できる。


 この変異種スポーンから出てくるモンスターは、幹部達との協議で幹部主導で訓練させることに決まった。それから、罠やら宝箱の中身やらと決めていく内に外は昼頃になっていた。


 俺は、街に行くため準備を整えると。


「んじゃ、行ってくる」

「お気をつけて、マスター」

「いざとなったら、影に入ったシャドウウルフを寄越してくだせぇ」

「応援してるっすよ!」

「・・・無事に帰還することを祈っております。」

「ガンバれ」

「お気をつけて」

「今度長く帰ってこなかったら、泣きますよ!」


 シロ、ロウガ、ゴブイチ、ヨロイ、ドーロ、クロ、カレンが見送りをしてくれた。


 俺は頷くと、ファースの街に駆けた。


次回は、マジーメの姉と模擬戦です。

少し予定が、変わってダンジョン改装を入れました。

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