いざ、マーロイへ⑤
感想にて指摘がありましたので、追記しておきます。描写不足ですみませんっ!
MOBの死者数が多過ぎだというものですが、カゲマサ以外の他のダンジョンマスターは、さほど殺していません。大体は、ナナ・セブンスのように表向き村や国として統治しDP源として生かしています。例えば侵入者を五分の一は殺害、残りを特定のエリアに放り込み生かすといった感じです。あんなに殺しているカゲマサがおかしい。
人口については、沢山死んでいますがそれ以上に人が産まれています。そして日本人勇者がいたこともあり、子供は積極的に保護すべしとの風潮が出来上がっています。(主にロシフェル聖王国)
エルザムにおける皆殺しについては、カゲマサは直接的な関与はしていません。只教育係の幹部の教育が敵は皆殺せというものだったので、皆殺しになった訳であります。
といった裏設定でした。
ここ直した方が良いといった指摘は、自分の未熟さがわかる指摘なのでどしどし送ってくださると嬉しく思います。出来る限り修正したいと思います。長文失礼しました。
◆サタリム王国属国跡 カゲマサside
D・レックスを倒した俺は、マーロイ首長連邦の目指して走っていた。
「しかしやはりと言うべきか、うじゃうじゃいるな。D・ラプトル」
そう。こうして走っているだけでも、何回もエンカウントするのだ。
「「「Gaaaa!!」」」
「うるせぇ!!」
俺は、建物の影から飛び出してきた三匹のD・ラプトルをナイフで切り刻む。このD・ラプトルで、既に十回目の襲撃だ。ここまで執拗に襲撃されると、流石にわかってしまう。
「あの時空を飛んでいたワイバーンっぽい奴、アレ偵察だよな?となると、俺の位置はバレバレか?」
それは困った。俺としたことが、この仕事自体隠密性が高い仕事ということを忘れていた。
「よし、サクサク行くためにも、スキルと魔法を使おう。魔力回復の手段もあるしな」
そして俺は、廃屋に身を隠しながら【ボックス】から魔法書を取り出す。ペラペラとページを捲っていくと、目的の魔法を発見した。
「【ステルス】、か。【ミラージュ】と【インビシブル】の複合魔法で、透明化と認識阻害の両方を付与。使えるな。スキル《暗殺者》と併用すれば、素晴らしい効果を期待できる」
俺は、早速【ステルス】と《暗殺者》を発動。すると、俺の体がみるみると消えていく。
「おっと、消臭もしなくちゃな。奴等は鼻が良いから」
ついでのように消臭剤を体に振りかけておく。
「良し、出発」
俺は、慎重に廃屋から出ると、走り出す。途中D・ラプトルと遭遇したが、【ステルス】と《暗殺者》、消臭剤のお陰でバレなかった。
(よっしゃ、バレなかったぞ。・・・始めからこれで行けば良かったな)
俺は、今さら後悔しながらもマーロイへ走り続けた。
因みに途中で、D・ラプトル百頭とD・レックス二頭の大部隊と遭遇したが、何とかバレなかった。
◆マーロイ首長連邦 首都パレクス ボザ宮殿
「見失っただと!?」
マーロイ首長連邦の宮廷のとある一室にて、〈調教師〉は声を荒くして叫んだ。部屋には、彼一人しかいない。では〈調教師〉が誰と話しているのかというと、部下であるD・ワイバーンである。
「何?廃屋に入ったと思ったら、そこから生体反応が消失しただと!?馬鹿者が!隠密系統の魔法かスキルを使ったに決まっているだろうが!」
一通り叫んだ〈調教師〉は、一旦椅子に座り精神を落ち着ける。
「・・・ふぅ、すまない。取り乱してしまった。しかし厄介だな。侵入者の位置が分からないとなるとーーー」
〈調教師〉は、顎に手を当てて考え込む。そして熟考の末結論を出した。
「仕方無い、都市部付近の警備を厚くするか。あとD・ラプトルだけだと不安だ。他の〈D・シリーズ〉も投入しよう」
そう言って〈調教師〉は、己の部下に命令を下す。
「D・スコーピオンとD・ドッグよ。命令する。都市部付近にやってくる不審者を、全て始末せよ」
◆マーロイ首長連邦国境付近 カゲマサside
あれから走り続けた俺は、どうにか夕方の前までにマーロイの国境付近にまで到達した。
「さてと、妙に長い壁があるが、どうしたものかな」
今俺の目の前には、端から端までに広がった壁が鎮座していた。高さは、凡そ十数メートル程。壁には、複数の兵士が巡回していた。
「まあ、流石にモンスターには任せないよな。しかしどうやって通り抜けたものか」
普段なら、【核撃爆弾】で壁もろとも吹き飛ばすのだが、あまり目立つことが許されない以上、その手は取れない。潜入したことが忘れ去られるくらいなことを隠れ蓑にしないと。・・・・あ。
「奴等は、〈調教師〉製のモンスターに信頼を置いている。じゃあそのモンスターが、兵士に牙を向けたらどうなる?」
俺は、岩陰に身を隠しながらD・ラプトルの死体五十体を【ボックス】から出した。そして魔石を置き、スキル【アンデッド創造】を行う。
次々とアンデッドとなって立ち上がるD・ラプトル。俺は、D・ラプトルもといアンデッドラプトルとなった者達に命令した。
「お前らがやることは一つ。あの壁にいる兵士を殺せ。殺しまくれ」
「「「Gugaaa!!」」」
アンデッドラプトル達は、雄叫びをあげて壁に突貫していった。やがて壁から聞こえてくる怒号や悲鳴。それを合図に俺も壁に走った。
俺が壁に着いた時には、そこには殺戮現場が広がっていた。
「こ、コイツら、〈調教師〉のモンスターだろ!?何で俺達を···ぎゃあ!!」
「ヒィッ!!来るな!来るなぁぁ!!」
「俺の腕がぁぁ!!」
そういえばマーロイの軍隊って、質は普通だと聞いたな。《鑑定》した感じ、ランクE~D-までだし、隊長だってランクDだしな。
俺は、そう呑気に考えながらも、壁を越えていった。
背後に響く悲鳴を無視しながら。
やがて、壁の警備に着いていた部隊が全滅したという情報が、マーロイ首長連邦の三大首長の耳に入った。
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