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いざ、マーロイへ③

短いかも。


誤字報告ありがとうございます!


◆サタリム王国領 砂漠地帯 カゲマサside



D(デビル)・ラプトルを殲滅した俺は、素早く【ボックス】にD・ラプトルの死体を放り込んでいく。やがて全ての死体を入れ終わると、俺はいつもの茶色仮面に茶色外套を身に纏う。


(コイツらが件の〈調教師〉の手下なのは確実。ならば俺が侵入したことは、直ぐに〈調教師〉の耳に入るだろう。ここは、陸路で慎重に行くか。下手に空を飛んだら見つかる)


そう考えた俺は、外套に砂漠の砂をくっつく限りくっつけてカモフラージュを施す。そして魔法【ミラージュ】で幻影を施した後、ゆっくりと砂漠を進み始めた。














◆サタリム王国属国跡 道中



やがてサタリム王国の抜けて、サタリム王国の属国が存在した土地にやって来た。道中に幾つかの村があったが、見るも無惨な姿になっていた。


何かに潰された民家。


血が付いた衣服。


そして、上半身を喰われたらしい人間の下半身。または、下半身を喰われた人間の上半身。


などといった物が散乱していた。喰われた人間を詳しく調べてみると、無理やり喰いちぎられた跡があるのを見るに、やはりD・ラプトル辺りが下手人だろう。


俺は、死体を一ヶ所に集めて火魔法で燃やした。一瞬人工魔人の素体にするべきか悩んだが、あまりに損傷が酷いため止めた。


死体を燃やした後再び進もうとした時、幾つかの気配を《存在関知》で関知。素早く物陰に隠れる。


「Guluuu?」

「Guaaa」


やって来たのは、数頭のD・ラプトル。どうやら、死体の燃えた臭いが奴等に届いたらしい。様子を見に来たのだろう。


俺は、【ボックス】からオリハルコン製のナイフを取り出し、死蔵していたスキル《暗殺者》を使って目に見えない速度でD・ラプトルの首を刈り取る。


「Gugaaa!?」


最後の一頭が戸惑いながらも闇魔法【ダークランス】を放とうとするが、その前に首を刈り取った。


「よし、サクサク進もう」


俺は、死体を【ボックス】に入れて、再び走り始めた。















暫く進み、二時間が経過した。道中に、何度かD・ラプトルに遭遇したが、やり過ごすか始末していった。


走っていると、前方に比較的大きい町が見えてきた。だが町といっても、外壁はボロボロ。チラホラと兵士と思われる死体が転がっていた。俺は、五体満足な死体を人工魔人用の素体として確保した後、一つの死体をスキル《アンデッド創造》でアンデッドとして復活させた。自由意思は封じているが。


「答えろ。何があった?」

「···はい」


アンデッド兵士は、無感情に話し始めた。簡単にまとめると、以下の通り。


▪ある日、突如としてマーロイ首長連邦が宣戦布告。この国に攻め込んできた。


▪マーロイ首長連邦軍は、黒いオーラを纏ったモンスターを使役しており、その数は三千頭。その中に一際巨大なモンスターも複数確認された。


▪モンスターの中には、ランクBのモンスターも確認された。


▪マーロイ首長連邦軍は、こちら側を殺し尽くした後、統治すること無く去っていった。理由は不明。


(ふむ、大体はロロさんから聞いた通りだが、一際巨大なモンスター、か。三千頭いたのがラプトルなら、巨大なモンスターはティラノサウルスあたりになるのか?)


俺は、アンデッド兵士にとどめを刺して骸に変えながら考える。しかしマーロイ首長連邦軍が、こちら側を殺し尽くした後、統治すること無く去っていったことの意味がどうにも分からなかった。


(会議では、DPのようなものと考えていたが、どうにも読めん。確かに手っ取り早く集めるなら、殺した方が早い····殺す?)


俺は、その殺すという言葉に引っ掛かりを覚えた。そして。


(あ、これって“冥府教”が関わっているのでは?)


そうだ。あるじゃないか。DP以外に殺すことで手に入るエネルギーが。そして、そのエネルギーを集める敵組織が。


(だとしたら一見無秩序な殺戮も、死の力を集めるのに効率的な方法だ)


死の力は、以下に殺害対象に負の感情を抱かせながら殺すか否かで採れる総量が変わる。道中の死体を見る限り、たくさんの死の力が採れたことだろう。


(ん?いや、待て?“冥府教”が関わっているなら、なんでロロさんは教えてくれなかった?)


ロロさんは、“冥府教”については何も言わず、只探ってこいとだけしか言われていない。


(···やはり、“冥府教”関連で隠し事があるのか?···まあ良い。今は仕事だ)


俺は、そう言って歩きだそうとした瞬間。


ポタッ。


ポタッ。


ポタッ。


と、俺の肩に何か水滴のようなものが垂れていた。


疑問に思った俺は、水滴の出所を見るために上を見ると。















「Gulululululu·····」





巨大な黒い恐竜が涎を滴しながら、俺を見ていた。

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