死霊公の最後
死霊公と対決です。
「やってくれたな」
満身創痍の死霊公は、辛うじて声を出し俺をにらんでいる。
「まさかアンデッドの軍勢だけでなく、我が強化改造を施したドラゴンゾンビさえも打ち破るとはな」
強化改造か。何の強化改造か知らないが。
「だが、あれほどの上級魔法を放てば貴様も魔力はほとんど残っていまい」
いやまあ確かに、今俺の魔力は全体の三割程しか残っていない。だからもう【ライトガトリング】は使えないな。
「覚えておけよ。いつか必ずセブンス帝国を滅ぼしてみせる!今回よりも更にアンデッドを引き連れてな!」
捨て台詞を吐いて逃げる気か。出来ればここで逃がしたくないんだよなぁ。絶対面倒だし。・・・。
俺は、無言のまま逃げようとしている死霊公の背中に【ライトボム】を放った。
「うごぉぉぉ!!」
【ライトボム】を食らった死霊公は、地に倒れた。
「それもう一発!」
「うぬわぁぁぁ!」
俺は、地面に倒れた死霊公に【ライトボム】を放ち、追撃した。死霊公は、地面から辛うじて立ち上がり俺をにらむ。
「貴様、ゆルさんゾォォォォォOOOOOOOOO」
あれ?バグった?
死霊公は、まるで怒りをそのまま押し出したように全身から赤黒いオーラを放ち始めた。
KYOOOOOOOOOOOO!!
「あ、理性失ってる。なるほど、これが《狂化》か」
死霊公は突然手をあげると、手から赤黒い炎が噴き出す。そして、
【ダークインフェルノ】
聞き取りづらい声で魔法名を言った。すると、赤黒い炎が一気にビームのように放たれた。
「あっぶね!」
俺は、咄嗟に左にかわした。そして後ろを見て言葉を失う。なんと、森の一部が完全に消失していた。あの魔法はヤバい。しかも、山まで少し削れてしまっている。
KYOOOOOOOOOOOO!!
【ダークテンペスト】
今度は黒い竜巻かよ!聞き取りづらいけど!くそ!誰かに見られるかも知れないが、やるしかない!道具創造!
俺が道具創造を念じると、目の前にモニターが写し出される。そしてお目当ての物を選ぶと、目の前にお目当ての物、瓶入りの魔力ポーションが出てきた。俺は、蓋を開け一気に飲み干す。
「よ~し、魔力戻った!即興でいくぞ!【ライトテンペスト】!」
あれが闇の竜巻ならこちらは光の竜巻である。そして、予想通り相殺した。
KYOOOOOOOOOOOO!!
【ダークジャベリン】
今度は黒い槍かよ!俺は避けながら、死霊公に標準を合わせて。
そう考えたその時、俺の背後から二体のアンデッドが襲いかかる。
「っ!こいつ等は、アンデッド軍の中央にいたやつじゃねぇか!【ライトガトリング】!」
俺は、手から大量の【ライトボム】を発射。二体の、体格の良いアンデッドとトロールの如きアンデッドにぶつける。アンデッド二体は、そのまま光に飲み込まれて消えた。
俺は、そのまま死霊公へと【ライトガトリング】を放つ。
だがそこに、死霊公によっえ透明な壁が現れたと思ったら、完全ではなかったが【ライトガトリング】を防がれてしまった。
しかし、死霊公は弱点の光魔法を食らったせいか少し態勢が崩れた。その隙を、俺は見逃さない。俺は、死霊公の所に全力で跳躍、そして。
「今度は防ぐ暇は与えん!いい加減地獄に行ってろ!」
俺は、至近距離で死霊公の骨しかない腹に手を入れた。そして、止めの一撃を放つ。
「【ライトボム】!」
ありったけの魔力を使って、【ライトボム】を発動した。
そして巻き起こる光の爆発。
KYOOOOOOOOOOOO!!
断末魔の叫びをあげながら、死霊公は光の中に消えていった。俺は、【ライトボム】の爆発の余波で吹き飛んだ。・・・・・街の方に。
「へ、へへへ。やったぞ。俺はやったぞ!」
初めての強敵に勝ったので、目立ちたくない俺でも喜んでしまった。しかし、その喜びは束の間、
「君、少しいいかな?」
「え?」
俺が後ろを振り向くと、数人の鎧を着た人間がいた。そして更に後ろには、巨大な壁があった。俺はその時点でここが人間の街だと気づいた。
「やべっ」
次回は、人間の街に入ります。(仕方なく)
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