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いざ、マーロイへ①


◆セブンス帝国 空 カゲマサside



俺は、今空にいた。【フライ】を使っているのではない。とある乗り物に乗っているのだ。


「おお、カゲマサ殿!どうですかな?帝国が誇る空中機動戦艦アマシロは!」

「···凄いですね」

「そうでしょうそうでしょう!この空中機動戦艦アマシロは、約二百年前に帝国が召喚した勇者テツジ様が構想を練り上げ完成させたのです!性能は格別!なんといっても~~~」


そう。まさかの空に浮く戦艦をセブンス帝国は造り上げていたのだ。形は、空に浮く船?といった方が良いのか、とにかく飛行機というより船だった。


「~~~といった機能があります!更に武装は、魔導研究所が開発した魔導砲台五十門に兵士二百人は搭乗可能です!次に~~~」


で、今熱心に説明しているのが、帝国軍指令本部から派遣されてきた技官である。説明役として派遣されてきたらしいが、どうもテンションが高い。


「あ~、わかったわかった。もう説明はいいから」

「そうですか?まだ説明出来ていない箇所があるのですが」

「いいから!」


俺は、技官を追い出すように退出させると、昨日決まった方針を思い出した。


「あ~、確か俺がサタリム王国に行って、現状を確認してくるんだったか」


そう。指令本部にて決まった方針。それは、俺一人による調査である。先遣隊だな。え?一人なら空中機動戦艦アマシロが出る意味がわからないだって?まあ、そうだよな。実は、空中機動戦艦アマシロはサタリム王国への援軍にして囮だ。俺から目をそらすとかなんとか。まあ、サタリム王国への貸与用として用意したらしいからな。このアマシロ。


「はあ、仕事は面倒臭いな。さっさと終わらせて帰ろう」


因みに俺は、技官以外には技官のお付きとだけ伝えられている。服は、いつもの茶色外套ではなく、帝国軍の制服に仮面無しとしている。無論顔には、【ミラージュ】という幻影魔法を掛けて平凡な顔とした。


「よし、暫く時間はありそうだし、マヤが作ってくれた弁当食べるか」


俺は、そう決めて用意されたソファに座り、【ボックス】から弁当を取り出した。開けてみると。


「ふむふむ。白ご飯にハンバーグ、ブロッコリーにレタス、焼き鮭か。中々に色とりどりだな」


俺は、いただきますと手を合わせると、箸を持ち弁当を食べ始めた。


「もぐ···もぐ、うん。旨いな。ハンバーグはジューシーだし、ブロッコリーとレタスはみずみずしい。焼き鮭はしっかり焼かれてる」


そのまま弁当を堪能した俺は、空になった弁当を【ボックス】に放り込み、サタリム王国に着くのを待った。















◆サタリム王国 首都エンバイ 広場



さて、暫くしたらサタリム王国に到着したようで、兵士達が走り回っている。荷物の整理か?まあ、いいか。


「良し、任務開始だ」


俺は、技官に着いていってアマシロから降りた。アマシロが着陸した広場には、大勢の野次馬がいたが、気にしない。降りた兵士は、現地で出迎えた駐屯帝国軍の将官に率いられて何処かに行こうとしている。


「では、後は頼む」

「お気をつけて!」


技官の言葉に頷きながら俺は、透明になる魔法【インビシブル】を使用。たちまち俺の姿は見えなくなった。


俺は、魔法が効果を発揮したのを見届けると、建物の上に跳躍する。


(しかし改めて見ると、活気が無いな。やはり戦争の影響か?)


行き交う人々の顔を見て俺は、そう思った。どの人間も沈んだ顔をしている。


(さて、まず何処から調べるか)


俺は、熟考した後、決めた。


(まずは、外から調べよう。あわよくば、マーロイに潜入できると良いな)


そう考え俺は、立ち上がり駆け出した。











首都エンバイから出た俺は、懐から樹の棒を一本取り出す。


「良し。探索魔法【コンパス】。マーロイはどっちだ?」


探索魔法【コンパス】。魔法書に記されていた魔法で、念じた場所を指し示す魔法。やるには、一本の棒切れが必要だ。


「···良し、西だな」


棒切れが指し示したのは、エンバイから見て西の方角だった。


「行くぞ。《魔力障壁》+【フライ】」


俺は、飛んでくる砂対策にスキルの《魔力障壁》と時間短縮の為の風魔法【フライ】を合わせて飛び上がる。そして西に向かって加速した。















◆??? “騎士(ナイト)”一派



とある暗闇の中、ソレはナニかを食していた。丁寧にナイフとフォークを使って食していた。


「ふぅ~~む♪もう少し焼いた方が良かったですかね?♪」


ソレの名は、“騎士(ナイト)”。カゲマサが購入したアンという奴隷に録音を残した張本人で、生粋の殺人狂にして外道。


「「“騎士”様」」


食事をする“騎士”の元に二人の男性が現れる。


「おやぁぁ~~、“兵士(ポーン)”♪何か用ですか?♪」

「はっ。西方大陸にて、大規模な争乱が発生致しました」

「大量の死の力が手に入るチャンスかと」

「ふぅ~む♪」


“騎士”は、顎に手を当てて考え込む。


「···まっ、良いでしょう♪その方が面白いでしょうしね♪」

「“騎士”様?」

「何でもありませんよ~♪さあ、転移の準備をなさい♪」

「「はっ」」


“騎士”の命令に二人の“兵士”は、直ぐに動き出した。


「····ヒュー⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅ヒュー」

「あっ、すみません♪食べ残しはいけませんね♪」


“騎士”は、そう言って食べていた物に剣を振るった。


「《冥炎剣・灼熱地獄》♪」

「⋅⋅⋅あああああアアアAAAAAAAAAAAaaaaaaaa!!!!??? 」


“騎士”が食べていた物、人間は灼熱の炎に焼かれ、黒ずみとなり死んだ。


「あらら♪焼きすぎちゃいました♪失敗失敗♪」


“騎士”は、黒ずみの死体を見ながらおどけたように笑い、その場から去っていった。

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