ブラッドの末路と何処かの狂人
激突。カゲマサ対マリアンナ④のマリアンナのステータス、種族を変更しました。
残酷描写、注意。
◆ダンジョン第??階層
ブラッドは、血みどろになりながらも次々に襲い掛かってくるモンスター達をギリギリで躱し、いなしながら持ちこたえていた。しかしいくら粘っても敵が諦める気配もない。ロディックは既に敗退し、連れていかれた。
「・・・糞、ロディックめ。早々に負けおって。しかしコイツ等、全員ランクAとかふざけているのか!?ランクA自体貴重だというのに!」
モンスターの攻撃を躱しながら愚痴るブラッド。その間もモンスターの攻撃は止まらない。炎や水、風、岩、剣撃、弓撃、ハンマー、槍撃といった様々な攻撃が階層に飛び交う。ブラッドは、かすり傷がどんどん増えていくが、致命傷には至らない。
「コイツ、すんでのところで躱しやがる!」
「落ち着け!囲んで確実に仕留めろ!」
厄介なことにモンスター同士がコミュニケーションを取り、連携をしてくるのだ。ブラッドから見れば厄介この上ない。
「・・・仕方無いな。マリアンナも去ったようだし、俺も撤退するか。」
そう言うや否やブラッドは、懐から無色透明な宝石を取り出す。
「っ!?何かする気だぞ!気を付けろ!」
「・・・残念。攻撃じゃないんだなこれが。」
ブラッドは、宝石を床に叩きつける。すると床に魔法陣が出現し、
「・・・あばよ。」
その場から転移した。
そこは、ダンジョン前にある村だった。入り口に戻ってきたブラッドは、軽く息を吐く。
「・・・ふぅ、危なかった。あのまま戦っていたら死んでいただろう。」
「あの、ラッドさんですよね?」
「・・・ん?」
偽名を呼ばれたので振り向くと、冒険者ギルドの制服を着た男性が立っていた。恐らく職員だろう。
「・・・ああ、そうだ。」
「おお!それは良かった!って、酷い傷じゃないですか!?急いでギルド内の医務室に!」
職員は、ブラッドを担ぎ上げてギルドに運んでいく。ギルドに入ると、他の職員に話しかけられる。
「おい、ソイツは」
「怪我人です!医務室の使用許可を!」
「お、おう!わかった!上には説明するから!」
運んでいる職員に気圧され、若干引きながらも答えた別職員。それに頷きながら職員は、ブラッドを運んでいった。
「あれ?あんな職員いたかな?」
そんな別職員の呟きを残して。
職員は、医務室に入るとラッドをベッドに寝かせる。
「傷の方は?」
「・・・まだ痛む。恐ろしい場所だった。」
「どのようなモンスターが?」
「・・・数が多すぎてわからん。一つ言えるのは、どのモンスターも恐ろしく強い。」
「ほうほう。・・・こほん、他には?」
「・・・モンスター同士がコミュニケーションを取っていた。そして連携を行い、的確に侵入者を排除する。そんな奴等だったよ。」
「そんなことが・・・。もしや武器も?」
「・・・ああ、一体一体が武装していた。効果も様々で、炎や氷、風、岩、毒などがあった。信じられんかもしれないがな。」
「なるほど、・・・・こんなものとか?」
職員が取り出したのは、毒々しい色のナイフ。ブラッドは、思い出す。そういえば、ラミア系のモンスターが使っ・・・て、た。
「・・・貴さ!」
「遅い。」
ブラッドが職員に襲い掛かる前に職員は、ブラッドの心臓にナイフを突き立てていた。
「・・・がっ!」
「悪く思うなよ。貴様が手を出したんだからな?」
そう言って職員、シャドウ・ブラック、自分を騙したダンジョンの刺客は、冷たくに言いはなった。その声を聴きながらブラッドは、
「・・・く、そった・・れ」
恨み言を吐きながら、息絶えた。
「ミレンダ。」
「あいよ。」
シャドウ・ブラック、ダンジョンマスターカゲマサは、迷宮研究所主任のミレンダを呼ぶ。
「コイツから情報、いや記憶を抜き取れ。何かわかるかもしれん。遺体は、そうだな。人工魔人の素体にしても良いが、バグが起きそうだから良いか。ダンジョンに吸収する。」
「はいはい、わかったよ。じゃあ、脳を取り出すよ?」
ミレンダは、メスを取り出し頭を切開、脳を取り出した。
「では頼んだ。」
「任せな。」
◆■シ■■■■王国 ????
ソレは、一つの報告を受けていた。
「ぷ、ぷっぷっぷ、ぷぶぶぶ、ブゥワーハッハッハッハー!!♪敵に、敵に誘導されて♪ぷぷぷ、あっさりと殺されたってぇ~?♪マ♪ヌ♪ケ♪!だねぇ、ブラッド君♪あ~ハッハッハッハ!!♪」
ソレ、何かを研いでいた男性は、受けた報告に大爆笑していた。
「そんなマヌケな最後なら、私にも見せてほしかったなぁ~♪ぷぷぷ~♪」
「「・・・“騎士”様。」」
側には二人の男。“騎士”に報告した二人である。
「ん~♪?どうしたぁ~♪?」
「おもちゃはどういたしますか?」
「あ♪!忘れてたぁ~♪」
“騎士”は、研いでいた何かを数回振り、歩き出す。歩く先には。
「ン~~!!ンン~~!!」
一人の中年男性が縛られていた。
「ごめんごめん♪忘れてたよぉ~♪じゃあ、遊びを再開しよう♪」
“騎士”は、高らかに宣言する。すると、縛られている中年男性の前がライトアップされた。そこには、中年男性と同じく縛られた三人の人間がいた。
「!!??ン~!!」
「ええ♪ええ♪ええ♪あの三人は、貴方にとっての近しき人ですぅ~♪右から、貴方の弟さんに貴方の妻、貴方の最近二十歳になった娘さんですねぇ~♪さあ、遊びのルールを言いましょう♪」
「ルールは至ってシンプル♪まず貴方がこの白ダーツを的に投げます♪的は三色に別れており、赤が弟、青が妻、緑が貴方の娘さんで~す♪そしてあたった人は~」
「後ろにある舞台で~、惨たらしく死んでもらいま~す♪」
「っ!?ン~!!」
「さあ♪さあ♪さあ♪ダーツを投げてくださいな♪大丈夫、死ぬのは一人ですから♪」
中年男性は、必死に首をフルフル横に降る。
「ン~♪嫌ですかぁ~♪ならば~、」
“騎士”は、中年男性の耳元に口を寄せ。
「ぜ・ん・い・ん、殺しますよ♪」
「ン~!?」
「嫌なら~、早く投げてくださいな♪ほら、早く♪早くぅ~♪」
脅しを受けた中年男性は、解かれた右手でダーツを持ち、的を狙う。的は高速で回転しており、色がわからない。
中年男性は、意を決してダーツを投げた。真っ直ぐ飛んだダーツは的に刺さり。
「ン~♪色は、青♪よって、妻さんが死にま~す♪」
「ま、待って!嫌よ!死にたくないわ!」
「そんなこと言われてもねぇ~♪ダーツで決まったしぃ~♪」
「ッ!ふざけんじゃ」
中年男性の妻が罵声を浴びせようとしたその時、舞台後ろから伸びたナニかにからめとられた。
「っ!?」
「行ってらっしゃ~い♪」
「嫌ぁ」
悲鳴をあげる前に妻は、奥の闇に連れてかれた。そして再度上がる悲鳴。
「さあ、見に行こっか♪」
“騎士”は、中年男性の肩を持ちながら告げた。そして“騎士”と中年男性は、半ば中年男性を連行する形で奥の闇に歩いていった。
そこには。
中年男性の妻が、巨大なカエルに組伏せられる光景が。
「あのカエルは、パラサイトフロッグと言いましてね♪珍しい習性の持ち主なんですよ♪」
「?」
「どんな習性か、ですか♪?それは~。」
その時妻を組伏せていたカエルが妻の上に股がった。
「あのパラサイトフロッグは雌なんですが、なんとですね~♪
他生物の雌に、卵を植え付けるんですよ♪」
「っ!?」
「ほら、今にも貴方の奥さんが♪」
中年男性の妻は、いつの間にか全身ボコボコな体格になっていた。
「全身に卵を植え付けるんです♪文字通り全身に♪で、卵は即孵化するんですが♪」
「その際に母体となった生物から、栄養を抜き取るんです♪」
「ァアあアァァァァああああ!!」
やがて妻の全身が膨らみ、そして萎んでいく。体が萎みきったところで、妻の体から大量のおたまじゃくしが這い出てきた。
「っ!?ひっ!?」
「う~ん♪なかなかの悲鳴です♪おや?」
這い出てきたおたまじゃくしは、ナニかを探すように這い回っている。
「エサを探しているようですね♪ならば、え~い♪」
「っ!?」
“騎士”は、中年男性をカエルの間に蹴りおとした。中年男性は、何故といった顔になる。
「何故?って顔ですねぇ♪私は別に、貴方を助けるなんて一言も言ってませんよ♪良かったですねぇ♪貴方の妻共々死ねるんですから♪」
絶望の表情を浮かべる中年男性に這い寄るおたまじゃくし。そして一匹のおたまじゃくしが中年男性に噛みついたと同時に大量のおたまじゃくしが中年男性に襲い掛かった。
「相も変わらず、良い食べっぷりですねぇ♪」
おたまじゃくしが引いた時には、中年男性は骨すら残らず全ておたまじゃくしのエサとなったのだ。しかしおたまじゃくしは、何処か足りなさそうだ。
「おやぁ♪まだ足りませんかぁ♪?ふむ、どうしましょう♪」
迷う素振りを見せながらも、“騎士”は一直線に中年男性の弟の元へ歩みより。
「エサ、なってください♪」
「ひっ!?や、止めてください!助けて!」
「イ・ヤ♪」
「っ!?あ、ああああァアアア!!」
弟もおたまじゃくしの元に落とされ、エサにされた。
「う~ん♪満足♪」
「「それはよろしゅうございました。」」
「うんうん♪“兵士”二人も誘拐ありがとねぇ♪」
「「はっ。」」
「じゃあ、もう飽きたし♪焼却だぁ♪」
“騎士”は、何処から取り出したのか、一本の剣をパラサイトフロッグとそのおたまじゃくしに向ける。
「《冥剣・灼熱地獄》。全部燃えてしまえ~♪」
パラサイトフロッグ達の回りを黒い炎が取り囲み、炙っていく。悲鳴を挙げるパラサイトフロッグ達。そして全てのパラサイトフロッグが焼死した。
「良し、次行こ次♪新しいおもちゃと遊びを考えなくっちゃ♪それに死の力もたんまり貯めないとねぇ♪」
「「“騎士”様。この娘は?」」
「うん?」
二人の“兵士”の言葉に“騎士”は、中年男性の娘に目を向ける。娘は、涙を流しながら怯えていた。
「もう興味ないし、そこらに捨てときなさい♪あ、そうだ♪セブンス帝国に奴隷として売ったらどうですか♪?」
「「御意に。」」
そして娘は、二人の“兵士”に連れられて転移していった。
「ふふふクククククク、次はどんなことをして遊びましょうか♪臓物的当て?人骨家具作り?肉の像造り?ああ♪!妄想が止まらないなぁ♪!!」
“騎士”の称号を持つ狂人、又の名を外道の笑い声が響く部屋から。
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