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激突。カゲマサ対マリアンナ③

戦闘描写、難しくない?


◆ダンジョン第二十五階層 カゲマサside



さて、マリアンナをどうやって仕留めるか。このまま行っても、また〈聖槍タケミカズチ〉に貫かれるのがオチだ。奴の隙を伺わなくては。


俺は、ダンジョンに開けられた穴をダンジョン機能で塞ぎながら考える。〈神罰者〉マリアンナは、これまでの行動を見た感じだと、怪物レベルの雷系統と光系統魔法を扱い近接戦もヤバイ。更には、〈聖槍タケミカズチ〉を手にしてから更に力が増した。


「予想だが〈聖槍タケミカズチ〉は、高性能武器としての側面だけでなく持ち主の能力を底上げする機能付きと見ていいだろう。となると、奴から〈聖槍タケミカズチ〉を取り上げれば、何とか互角に持っていけるか?」


いや、まだ駄目だな。取り上げたとしても、〈神罰者〉マリアンナの力は驚異だ。どうにかして力を削ぐ方法は無いものか。


「・・・一帯の魔法を封じるか。確か【封魔法陣(アンチマジックエリア)】という機能があった筈だ。俺も使えなくなるが、臨機応変に対応するしかない。」


俺は、ダンジョン機能を操作する。しかしマリアンナがいる階層には【封魔法陣】を張れなかった。どうやら人がいる階層には張れないようだな。こればっかりは仕方無い。文句を言っている暇はない。


「良し、奴等がいる階層から一つ上の階層に転移させるか。確か、十八階層の気まぐれで作った領域だったな。・・・十八階層から二十五階層までぶち抜いたのか。やはり恐ろしい存在だ。」


俺は、微かに身体を振るわせながら第十七階層に【封魔法陣】を張ると、〈迷宮研究所〉に顔を出してミレンダと準備を進めた後、【ディメンションムーヴ】で十八階層のキルエリアに転移した。















◆ダンジョン第十八階層 マリアンナside



ダンジョンに開けた穴が塞がっていくのを見て、私はダンジョンマスターが死んでいないことに気付いた。


「まさか頭を貫いても生きているとは。パトリック、奴は再び現れます。戦闘態勢を。」

「はっ!」


パトリック一等級聖騎士は、剣を構えながら辺りを警戒する。私も〈聖槍タケミカズチ〉を構えながら神経を尖らせる。


「・・・来ませんな。」

「・・・そうですね。しかし油断は禁物です。」


だがダンジョンマスターは、何時まで経っても来なかった。気配のけの文字も無い。魔法による監視もない。


「どういうことですか?」


ここまで何もないと、集中するにも集中しきれない。そして私の集中が一瞬切れた瞬間だった。


「待ってたよ、集中を切らすその時を。」

「っ!?」


私は、腹にタックルをしてきた存在、ダンジョンマスターに驚きながらも迎撃をしようとするが。


「【ディメンションムーヴ】。」


転移魔法で転移したことを察知して、苦渋に満ちた顔で私は転移した。














◆ダンジョン第十七階層 カゲマサside



良し、マリアンナを十七階層に転移成功だ!【封魔法陣】に阻まれて入れないのでは?と考えていたが、外から入る分には問題ないらしい。


「・・・あら、こんな所に連れてきて何をしようとするのですか?弱虫さん?」


何やら煽ってきているな。正常な思考をさせないためか?ここは素直に答えておこう。


「弱虫、弱虫か。ふむ、妥当な評価だな。まだ俺は弱い。少なくとも貴様より強くならなくてはな。」

「・・・っ!?」


あ、動揺してるな。煽ったつもりが真面目に返されたのが驚きだったのだろう。先程までの俺ならば、激昂して襲い掛かったはずだからな。


「・・・一体どういう腹積もりですか?」

「さあ、何だろうな。」


そう言って俺は、死蔵されていたスキル《暗殺者》を発動。そして魔人としての身体能力でマリアンナの目から振り切る。


「き、消え!」

「今は、弱体化した貴様を殺す。何がなんでもな。」


俺は、オリハルコン製の短剣でマリアンナの背中を切り付けながら後退する。マリアンナはというと、切られたことに怒りを見せながら〈聖槍タケミカズチ〉を構える。


(さっきまであった傲慢さが嘘のように消えていますね・・・。まるで別人のようです。)

(取り敢えず切り付けることは成功したが、ほぼ正面からの不意打ち。次は無いだろう。じっくりと勝機を伺うぞ。)


マリアンナは、変わったダンジョンマスターカゲマサに対して驚きを。俺は、分析しながらオリハルコン製短剣を構えた。


(・・・敵は短剣、攻撃範囲は此方が上。ならば、距離を取りながら敵を削る。そして今度こそ確実に倒す!)

(敵は槍だ。短剣では、攻撃範囲で負けている。ならば、どうにかして敵の懐に潜り込むしかないな。アドバンテージがあるなら、この階層では魔法を使えず、敵は知らないことくらいか)


武器を構えた二人は、お互い動き始める。俺はジリジリと近付き、逆にマリアンナはジリジリと距離を取り始める。


そして。


「スキル《身体能力超強化》《俊足》《剛力》。」

「【聖雷(ディバインサンダー)】!・・・なっ!?」


俺は、スキルを発動。マリアンナは、魔法を発動させようしたが、【封魔法陣】によって阻害された。


そして俺は、まんまとマリアンナの懐に入り込み。


「お返しだ。」


そう言って俺は、短剣をマリアンナの心臓に向けて突き立てた。


補足


パトリック一等級聖騎士は、十八階層に置いて行かれました。


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