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激突。カゲマサ対マリアンナ①


◆ダンジョン 第??階層 キルエリア



「・・・パトリック、行きますよ。」

「はっ!」


マリアンナとパトリックは、ビジェーフの亡骸に簡単な祈りを捧げた後、ダンジョン内を進み始めた。


構造はいたってシンプル。只一直線状の道があるだけだ。一番奥には扉がある。


「・・・そこっ!」


だが罠は沢山存在した。今マリアンナが破壊した刺つきハンマー、マグマや毒液入り落とし穴、毒ガス、破裂する球体、爆発する床等といった殺意に満ち溢れている仕掛けばかりだ。


「どうやらダンジョンマスターは、意地でも私達を亡き者にしたいようですな、マリアンナ様。」

「わかりきっている事です。急ぎましょう。」


そう言ってマリアンナは進み始める。パトリックも続いた。


その後も罠は、次々と二人を襲う。巨大な鉄球が降ってきたり、空間を閉じて水攻めをしようとしたり、天井から針が生えて押し潰そうとしたりと殺意が高い罠が続いた。


しかし。


巨大な鉄球は、マリアンナの〈聖槍タケミカズチ〉によって粉々に破壊され、空間に閉じ込めようが〈聖槍タケミカズチ〉で空間の壁ごと破壊し脱出。針の生えた天井も〈聖槍タケミカズチ〉どころか【聖雷(ディバインサンダー)】で粉々となった。


「流石はマリアンナ様、自分の出る幕がありませんな!」

「私としては犠牲無く終わらせたかったのですけどね。」


現に、イリアス一等級聖騎士にマトロ二等級聖騎士、ビジェーフ二等級聖騎士を失っている。せめてパトリックと後方待機のエリベラとベギンは本国に帰したい。


そして二人は、一番奥の扉にたどり着く。


「行きますよ。」

「はっ!」


二人は、それぞれの得物を持ちながら扉を蹴り飛ばした。扉の先に侵入した二人は、そこにいた玉座に座るソレに目を向ける。


「・・・貴方がここのダンジョンマスターですね?」


ソレは、黒の軍服に黒コートを纏った黒髪赤目の青年の姿だった。


「ふん、人間風情が礼儀の無い行動だな。いきなり扉を蹴り飛ばすとは。」

「質問に答えなさい。」

「・・・然り。俺こそがダンジョンマスターである。貴様等人間風情よりも遥か高みにいる存在よ。」


傲慢に言いはなったダンジョンマスターをマリアンナは冷たい目で見据えて、〈聖槍タケミカズチ〉を構える。パトリックは、剣を構えて備える。


「そうですか・・・・。ふふ。」

「ん?何が可笑しい?」


ダンジョンマスターが訝しむと、マリアンナは嘲笑を浮かばせて言った。





「だって貴方、弱そうですもの。」


















◆ダンジョン キルエリア カゲマサside



「だって貴方、弱そうですもの。」


弱い?ヨワイだと?俺が?


ショックを受けた影響で事実上の錯乱状態になり、王級魔人特有の傲慢さが出ているカゲマサにとっては、その言葉は怒髪天を抜くには十分だった。


怒りによってカゲマサの魔力が辺りに漏れ出す。漏れ出たものとはいえ、その膨大な量に二人の内男の方は驚きと恐怖で顔が歪んでいた。


「貴様ぁ、この俺を。邪神より選ばれた俺を弱いだとぉ?」


俺を蔑む輩は、誰であろうと許さんぞ!


「ふざけるなよぉぉぉぉ!!!貴様程度のゴミカスがぁぁぁ!!!」


コートを脱ぎ払った俺は、魔力を拳に纏わせて殴り掛かった。本来普通の生物なら、カゲマサの拳に軽く殴られただけで体が吹き飛び、五臓六腑を撒き散らすのだが、この時は違った。


「怒り、それは力を引き出す有用な材料になりますが。」


マリアンナは、俺の手首を掴み俺の力を利用して。


「動きが単調に成りがちですね。」


見事な背負い投げをされてしまった。


「き、貴様ぁ!!」

「ふふ、これならあの黒仮面のほうが余程手強いですね。」

「舐めるなぁ!!」


俺は、【ディメンションムーヴ】で転移。距離を取ると、一気に魔法を発動させた。


「【ヘルフレイム】!【ウォーターレーザー】!【ハリケーン】!【ロックバレット】!!」


四つの魔法の連続発動。地獄の業火や水のレーザー、竜巻、岩の弾丸がマリアンナに向かうが。


「【聖雷盾(ディバインサンダー・シールド)】」


突如現れた雷を纏う白い盾に阻まれた。その後も俺は、何度も魔法を放ったがすべて防がれる。


「もう終わりですか?」

「貴様ぁ、人間の分際で!」

「・・・人間も頑張れば」


そこで言葉を切り、俺の目の前から消えるマリアンナ。


「誰だって、ここまでやれるのです。【聖雷】」


その言葉と共に放たれる聖なる雷。俺は、避けようとするが対応しきれず、左腕に直撃。そして。


「わかりましたか?魔人さん?」


左腕が余りの電熱で溶け、焼失したのだ。


「ぐっ・・・・。」

「あら?まだ戦うつもりですか?」


俺は、スキル《超速再生》を使い腕を生やす。


「ふん、いくら貴様が俺の腕を捥ごうと、意味がないのだ。これが人間と魔人の差だ!」

「まあまあ、それは凄いですね。」


マリアンナは、心底思っていないといった顔で誉める。そして槍を構えて言い放つ。


「では、再生出来なくなるまで何度でも壊しましょう」


俺は、その槍〈タケミカズチ〉が構えられたことに顔を歪めながらも【ボックス】からオリハルコン製の短剣を出す。


「やってみろぉ!人間がぁぁ!!」


そして二人は、再びぶつかった。

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