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戦闘、そして予想外なこと

沢山の誤字報告ありがとうございます!


◆ダンジョンコアルーム カゲマサside



「良し!かかった!」


 俺は、シャドウとしての姿のままガッツポーズをする。モニターには、リューゾウとツリーの攻撃を凌いでいるブラッドとロディックが映し出されていれていた。


「シロ!他のランクA組は!?」

「後十数分程で到着します!」

「わかった!リューゾウとツリーに伝えろ!援軍が来るまで持ちこたえろってな!」

「了解ですマスター!マスターはどうしますか?」


 その言葉に俺は、笑顔から一転真顔になる。


「俺は、〈神罰者〉の動向に注力する。下手に“冥府教”と絡んで、その隙に〈神罰者〉がコアを破壊しに来たらどうする?」

「そこは我々が!」

「お前達じゃ勝てない。ギオの時は武装が無いこともあり対等だったが、今回は違う。タケミカズチなんて付いてる槍だぞ?強いに決まってる。俺より強い可能性が大だ。だから駄目」

「・・・・くっ」


 シロが悔しそうに俯く。シロも内心そう思っていたようで、反論はなかった。


「・・・まあ今は侵入ではなく、地表でロディックについての情報収集をしているらしいからな。その隙に倒せばいい。お前は“冥府教”に集中してくれ」

「・・・はい」


 シロは、渋々といった様子で“冥府教”の二人が映し出されているモニターに目を向けた。俺は、それに満足して情報収集をしている〈神罰者〉達の監視を続行した。

 頼むから来るなよ?神罰者。















◆ダンジョン 石畳の大部屋 第??階層



 ブラッドは、リューゾウと名乗る龍人の猛攻を必死に避けていた。


「オラオラァァ!我等の攻撃を凌ぎきるのではなかったのかぁ!?」

「・・・くっ、厄介な」


 ブラッドは、魔法で強化した身体能力でギリギリ躱している。リューゾウは、拳による打撃に加えて、蹴り技、尻尾を駆使した一撃、それらを嵐のように繰り出し、ブラッドを追い詰める。

 ブラッドは、どちらかと言えば魔導師タイプなので動くのはニガテだ。そんな彼が近接戦においては〈狂星〉内でも指折りとされているリューゾウの猛攻をギリギリとはいえ避けているのは、単純に培ってきた技量ゆえだった。


「ほうほう、貴様只の魔法バカではないな。このリューゾウの攻撃を技量だけで避けおって」

「・・・ふん、敵に誉められても嬉しくない。【血槍(ブラッドランス)】!【血錠(ブラッドロック)】!」


 ブラッドが魔法を唱えると、リューゾウの腕と脚が血の色をした錠前で固められる。そんなリューゾウに飛来するは、血の槍数十本。


「ほう、格闘戦で無理なら手足を封じて遠距離攻撃か。しかしなぁ」


 リューゾウは、息を吸い込み始める。そして血の槍がリューゾウを貫かんとした時。


「【灼熱吐息(プロミネンスブレス)】。ブゥゥゥゥゥーーーーー!!」


 口から深紅の炎を発射。血の槍は、炎に飲み込まれて蒸発、霧散した。


「別に遠距離攻撃が出来ないわけではないぞ?」

「・・・化け物が」


 【灼熱吐息】の余波を喰らったのか、ブラッドの左腕が重度の火傷を負っていた。


「さて」


 リューゾウは、力任せに【血錠】を破壊してブラッドに近付く。


「貴様等はもう袋のネズミだ。もはや逃げることさえ叶わぬが、どうする?降伏するか?」

「・・・寝言をほざくな。貴様を殺し、とっととダンジョンから脱出する。それが俺のやることだ」

「そうか。ならば続けるとするか!」

「・・・【血剣(ブラッドソード)】」


 ブラッドは、魔法で血の剣を造り出す。そして血の剣を握り締めてリューゾウに躍りかかった。


「・・・死ねぇ!龍人んん!」

「それは無理な相談だな!」


 そして二人は再びぶつかった。一方のロディックはというと。


「ぜぇぜぇぜぇ」

「君・・・本当に全力?」


 ツリーの根本に転がされていた。


「ぜぇぜぇ、何故だ。何故俺の【冥炎飛斬(フレイムウェーブ・アビス)】が効かねぇ!?」


 ロディックは、黒炎を纏う剣を見ながら信じられないように叫ぶ。植物系統のモンスターには、炎系の攻撃が一番だと聖騎士時代に教わったのだ。そして今まで討伐してきた植物系統モンスターも皆炎が弱点だった。そうだったはずだ。


「はあ?そんなことも分からないの?」


 ツリーからは、嘲るような声が響く。実際ツリーは、ロディックを嘲っているのだが。


「マスターにお願いして【炎耐性】を付与してもらったんだ。寝ている最中に燃やされたら嫌だろうからね」

「・・糞が、弱点補強してくるかよ。当然か」


 ロディックは、フラフラと立ち上がりながら悪態をつく。剣を杖がわりににして立ち上がる姿は実に弱々しかった。


「ぜぇぜぇぜぇ、ところで少ししか闘っていないのに体力の減りが早いんだが、貴様の仕業か?」

「うん。【生命吸収】っていうスキルで吸ってるからね」

「糞、マジか!」


 その言葉にロディックは、納得する。どうりでツリー根っこが腕を貫いた時、体力がごっそり抜けた訳だ。


「さあ、どうする?」

「へ、へっへへへへ」


 ロディックは、薄く笑うと残る魔力を総動員してツリーと対峙する。


「どうする?だって?決まってるだろ。最後まで闘い抜くんだよ!俺が最強に成るためになぁぁ!!」

「はぁ~、めんどくさいなぁ」


 そして両者は再びぶつかった。しかしこの時予想だにしないことが起こる。ロディックは、己の残る魔力を全て解放した。残る魔力とはいえ、その膨大な魔力は波動となり辺りに拡散した。してしまった。そして。















 〈神罰者〉マリアンナが、それを感知してしまった。


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