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山への強襲①


◆ドミニク辺境伯領北部 夕方



マリアンナ等追跡部隊は、ドミニク辺境伯領北部地帯を駆け抜けていた。先頭をマリアンナ。後続にイリアス、マトロ、エリベラの順で着いていく。



「あそこですね?イリアスさん」

「はっ!魔力の集まりを考えて間違いありません!」

「わかりました。急ぎましょう」



マリアンナは何かのスキルを発動させ、身体に雷を纏わせる。すると、マリアンナのスピードが倍以上にはね上がった。



「おお!流石はマリ・・お嬢様!」

「ちょ、ちょっと加速しすぎでは」

「ま、待ってくださいぃぃぃぃ!!」



イリアスは嬉々として着いていき、マトロは余りのスピードに懸念を口にし、エリベラはスピードに着いていけず置いていかれていた。



「え?あ、ご、ごめんなさい!」



マリアンナは慌ててスピードを落とし、マトロとエリベラに謝罪。その後は、なるべく同じスピードで駆ける。



そしてマリアンナ等は北部の山、脱走者ロディック・アトルフの潜伏場所に到着した。



(・・・あら?)



マリアンナは、そこに三つの視線を感じた。一つは、本国からの状況を確認する為の監視班による索敵だろう。二つ目は、山の中から感じる辺りロディックの仲間と思われる。しかし、最後の三つ目が謎だ。帝国にバレないように入念な準備をしたから・・・いや、相手は大国セブンス帝国。領内の監視ぐらい安いのか。



(急がなくては)



敵のみならず帝国にまでバレているなら、こそこそしている暇はない。



「入り口を魔法で破壊します。破壊次第突入してください」

「「「はっ」」」



マリアンナは、持ってきた短杖に魔力を集中させる。そして



「【聖雷収束砲弾(ディバインサンダー・カノン)】」



白き雷の砲弾が山の地表にある扉に突き刺さり、轟音をあげて爆発、破壊した。



(・・・少々やり過ぎましたか?いえ、今はロディックを)

「突入!」



そしてマリアンナ等がロディックの潜伏場所に踏み込んだ。













「来たか」

「チッ」



ロディックは、静かに呟く。ブラッドは、舌打ちをした。



入り口から聞こえる轟音。恐らくロディックを追ってきた追跡部隊がやったのだろう。そしてブラッドは、魔道具で見たから気付いた。



「・・・貴様、何が追跡されていないだ。よりにもよって神罰者を連れ来るとは」

「いや、すまん。お詫びといっちゃ何だが、奴等の足止めは俺がする」

「・・・チッ、貴様を昇格をさせていきなりこれか。疫病神め。180秒持たせろ」

「了解!」



ロディックは、剣を抜き追跡部隊に向かっていく。ブラッドは、襲撃にあった礼拝堂から地下に降り、ある魔道具を起動させる。



「・・・これを・・ぬ、魔力の流れが悪い。阻害している者がいるのか?まあ、この程度なら問題ない」













◆北部の山 礼拝堂



突入したマリアンナ等を待っていたのは、赤い外套に赤いマスクを被った集団による襲撃だった。



「死ね!」

「ふん、甘い!」

「ぶぎゃぁ!!」



一人をマトロが剣で片付ける。敵は、剣やハルバード、ナイフ、槍など思い思いの武器を使っている。



「・・・貴方達、ここにロディック・アトルフという人物が居る筈。身柄を差し出せば危害は加えません」



マリアンナは、警戒しながらロディックを出すよう促す。しかし、



「死ね!」

「偽神の走狗め!」



赤マスク達は、マリアンナの言葉に反応せず襲いかかってくる。



「お嬢様!ここは私にお任せを!」



そこに割って入ったのは、一等級聖騎士のイリアス。魔力を予め集中させていたので、最速で魔法を放った。



「お嬢様に近付く不埒な輩め!【聖光刃(ディバインエッジ)】!!」



すると、複数の光の刃が空中に出現。赤マスク達に向かって飛んでいき、切り裂いていく。今にも赤マスク達が全滅する寸前になった時。



「俺ならここだ」



黒い炎がイリアスの聖光刃を全て焼き尽くした。



「・・・まさか直接出るとはな、ロディック・アトルフ」

「ふん、貴様等もそうだろ。俺一人に神罰者を連れ来るとはな。なあ?マリアンナ・ミルム」



マリアンナは、その言葉を無視して口を開けた。



「それだけ貴方の脱走が異常事態だからです。さあ、大人しく捕まりなさい」

「それは嫌だから抵抗しよう。ただし、過去の俺と同じだと思ったら痛い目見るぜ?」



ロディックは、獰猛な笑みを浮かべながら黒い炎を剣に纏わせる。マリアンナは、無言で短杖を構えた。















「はい、既に追跡部隊がロディックと戦闘中。あと会話内に神罰者の文字があった為、やって来た神罰者は、マリアンナ・ミルムで決まりです」

『・・・そうか。仕方あるまい。隙を見て撤退しろ。ここで死んだら許さないからな』

「はい、マスター」



(と言っても、只で帰るつもりはありませんが。申し訳ありませんマスター。危ない橋を渡ります)

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