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世は無情②


◆ナデラン王国国境付近 スイーベルside



サタリム軍を壊滅させた首謀者を斬ったスイーベルは、剣を杖代わりにしながら呟く。



「ハァ・・・・ハァ、か・・たきは、とっ・・・・たぞ」



ヨロヨロと歩きながらスイーベルは、辺りを見回す。



(軍の再起は不可能。糞、これでは我が国の運命が!)



スイーベルは、内心で激怒しながらも生存者を探す。だが、一人も居なかった。出てくるのは、どれも武具の破片や肉片、誰かのペンダント。ペンダントには、サタリム王国の国旗が描かれていた。



「くっ・・・・・・!」



スイーベルは、ペンダントを握り締めながらも生存者を探し回った。だがやはり、どこにもいない。この戦場で生き残ったのは、自分だけだった。



「撤・・・退だ。もはや、軍・・事行動・・・は不可・・・能」



そう呟きサタリム王国に撤退するべく、スイーベルが振り返った瞬間。



「い~や、そうはいかないね」



自分が斬り殺した筈の男に、締め上げられた。


















◆ナデラン王国国境付近 カゲマサside



(あっぶねェェェェェェ!!!!)



俺は、青い騎士の首を締め上げながら内心冷や汗を流していた。



核撃爆弾(ニュークリアボム)】によって、無意識に全滅したと思い込み、油断して上半身と下半身が分断されてしまった俺だったが、魔人の生命力のお陰かまだ生きていた。そして青い騎士が生存者を探し回っている間に、下半身を【フライ】で浮かせて持ってきて上半身と合わせる。更に【メガヒール】で上半身と下半身を接合させた後、体に異常がないか確かめた後、青い騎士に近づき首を締め上げたのだ。



(今回の出来事は教訓にしよう。油断駄目絶対、油断駄目絶対、油断駄目絶対・・・ぶつぶつ)



青い騎士の首を締め上げながら、反省を込めて「油断駄目絶対」と自身に刻み付ける。



「ふ~、油断駄目絶対。で、お前は何なんだ?」



俺は、首を締め上げられている青い騎士に問いかける。



「だ、誰が・・い、うか!」

「あっそ」



俺は、青い騎士にスキル《鑑定》を用いた。



名前 スイーベル・アナトランド

種族 人間

職業 豪水旅団団長

レベル 3

ランク A

スキル 剣術の達人 水魔法の達人 統率 サタリム式軍隊格闘術 火属性耐性 etc.



ふむ、なるほどなるほど。剣術と水魔法に特化した構成か。豪水旅団て。ああ、さっきの奴等は暴風旅団とか言ってたっけ?



「ふむ、君は中々の力を持っているね。じゃあ、いただこうかな」

「な・・にを!?」



俺は、【ボックス】から一個の注射器を取り出す。ミレンダからもらった生命力を取り出す器具だ。それを青い騎士の首筋に射す。



「が・・・・!」



やがて生命力が出なくなってきた為中断した。



(ふむ、勇者から奪い取ったものよりかは劣るが、大量に取れたぞ)



俺は、内心小躍りしながら倒れた青い騎士に近寄っていく。《鑑定》してみると、



名前 スイーベル・アナトランド

種族 人間

職業 豪水旅団団長

レベル 1

ランク F

スキル



(良し、弱っているな)



軽いガッツポーズを取りながら俺は、青い騎士の頭部を【ロックガン】という岩魔法で潰した。念のために肉体の方も【ウィンドカッター】という風魔法で切り刻んだ後、【ヘルフレイム】で焼却。そして【フライ】で空に飛び上がり、魔法書に書いてあった光魔法【ライトウェーブ】による光の波で死体もろとも残骸を消滅させた。その際、恨み言が聞こえた気がしたので、もう一度やった。その後は、クレーターを修復すべく土魔法で土でクレーターを埋めていった。



やがて修復を終えた俺は、【ゲート】でセブンス帝国の皇宮大会議室に戻った。

















◆セブンス帝国皇宮 大会議室 カゲマサside



大会議室に戻った俺に待っていたのは、西方諸国の国王達によるドン引きな視線。まあ、普通は引くよな。



「ナナ・セブンス皇祖帝陛下、サタリム王国軍の壊滅に成功しました」

「良くやりました。しかし、今後は油断して斬られないように」

「はい、申し訳ありませんでした」



そう言って俺は、ナナさんの後方に促されてた。



「さあ、ナデラン国王様。サタリム王国軍の件は片付きました」

「・・・・・あ!は、はい!ありがとうございます!」



余りにも早く解決法したので、ナデラン国王は呆然となりながらも感謝を述べる。



(あの、ロロさん?何でナデラン国王がいるんです?)

(貴方がサタリム軍迎撃に出た際に、再びこっちに来てもらったんです)

(諸国の国王が戦いを知っているのは?)

(映像を用意しました。生中継です)



俺は、少し恥ずかしくなりながらも、そうですかと頷いた。



その後も会議は続く。

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