サタリム王国、侵攻
駄文注意。
◆皇宮 大会議室 カゲマサside
「俺がサタリム軍を?」
「そうです」
(糞ぉぉぉ!帰ってナタリア達とトランプしようかなって考えていたのに!なんでこうも邪魔が!?だが、肯定しないとこっちが滅ぼされる!)
俺は、内心発狂しながらも上手く取り繕いながら口を開く。
「ご命令とあらば。このカゲマサ、帝国の為〈帝将〉の名誉の為、サタリム軍を討ち滅ぼして見せましょう」
これでよかった、かな?
俺は、冷や汗を流しながらナナさんの表情を伺う。
「うふふ、何て心強い言葉。任せましたよ」
「はっ」
どうやらよかったらしい。ナナさんは、満足そうに笑っている。
「で、ではナナ・セブンス皇祖陛下。援軍はいくつ程」
「カゲマサ一人です」
「へ?」
「カゲマサ一人ですが、なにか?」
ナデラン国王は、呆けたように口をポカーンと開けている。そして再起動してナナさんに詰めよった。
「ナナ・セブンス皇祖陛下!?相手はサタリム王国軍ですぞ!?それをたった一人で滅ぼすなど!」
「うふふ、心配は無用ですわ。彼には実績がございます故。ねぇ、エルザムのセレス教皇猊下?」
ナナさんは、余裕の笑みを浮かべながらセレスに笑いかける。
「・・・ええ、そうですね。彼には確かな実績がございます」
「?どういうことですかな、セレス教皇猊下」
「これは我が国が変わる前のことですが」
人から聞いた話と前置きをして、セレスは話した。俺が旧エルザム軍十万を一人で滅ぼしたことを。
「な、なんと!?」
「エルザム軍十万を一人で!?」
「バカな!?エルザム神聖国は、帝国を除き一、二を争う軍事力があったんだぞ!?」
西方諸国の王達は、狼狽えながら俺を見る。やはり、そう簡単には信じられんか。
「本当かどうかは、結果が示すことでしょう。今は信じてもらわなくて結構」
別に力を誇示するためにやったわけじゃないし。あれは後始末だし。
「ではカゲマサ。今からナデラン王国に出向き、サタリム軍を滅ぼしなさい。ナデラン国王もご一緒に。ロロ、【ゲート】を」
「はい」
ロロさんが【ゲート】を開き、俺は潜る。ナデラン国王も潜った。
◆ナデラン王国 王宮 カゲマサside
さて、ナデラン王国に来たんだが、ナデラン国王が何度も何度も「大丈夫なのですかな!?」と聞いてきたので、宥めるのに苦労した。何とか落ち着かせた後、王宮にある謁見の間にてナデラン国王と話を行う。
「して、カゲマサ殿。本当に何とか出来るのですかな?何度も言いますが、敵は南西部屈指の軍事国家サタリム、生半可な相手では」
「お任せを。我が帝国における武の象徴として、サタリム軍を滅ぼしてごらんいれます」
俺がそう言うと同時に、謁見の間へ一人の兵士が転がり込んできた。
「会談中失礼いたします!サタリム軍の侵攻を確認!見たことの無い兵器を伴って、国境付近の砦に!」
「な、なんじゃと!?」
「既に村人の避難を開始していますが、間に合うかどうか・・・!」
ナデラン国王は、顔を真っ青にしてブルブルと震える。俺は、ため息を吐きながらナデラン国王に進言した。
「どうやら出番のようなので、行って参ります。そこの兵士君、砦の方向はどっちだね?」
「へ?あ、えっと、この王宮からはるか南ですが、貴方は誰」
「ありがとう、行ってくる。【ディメンションムーブ】」
俺は、久しぶりに使う空間魔法で、砦に向かった。
◆ナデラン・サタリム国境付近 砦
ナデランとサタリム国境付近にある砦。そこでは、ナデラン軍とサタリム軍の戦闘が起こっていた。
進軍してくるサタリム軍にナデラン軍は矢を射掛けるが、サタリムは密集して盾を構え防ぐ。そしてジリジリと前進を行う。
もしこの場にカゲマサがいたら、この戦術が地球における密集陣形“ファランクス”に似ていると気付いただろう。そうして前進しているサタリム軍とは別に、後方にいる部隊にも動きがあった。サタリム軍の後方で立ち上がったのは、土で出来た巨人だった。土巨人は、大きな岩を抱えて砦に投げつける。岩は、砦に当たり壁を崩し崩落させた。
「うむ、順調だな」
そう言ったのは、サタリム軍にいる指揮官らしき青年だった。
「敵方の様子はどうだ?」
「はっ、ナデラン軍の兵士は大半が怖じ気づいて逃亡、残りは戦闘をしておりますが、いずれ全滅するでしょう」
「そうか。ナデランが平和ボケしたという密偵の報告は正しかったか」
青年は、砦を見て残念そうに呟く。
「何十年もサタリムの敵だったナデランがこの程度に成り下がったとは・・・」
「・・・・ギゼード様」
「分かっている。全軍に通達せよ、決して油断せず確実に敵を討て、とな。念の為ビッグクレイゴーレムを更に増やせ!」
「はっ!」
ギゼードと呼ばれた青年は、部下に激を飛ばす。
「この戦いには、我が国の命運が掛かっている!必ず勝つぞ!!」
「「「オオオオ!!!」」」
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