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オロッカダンジョン、第一階層


◆カゲマサのダンジョン カゲマサside



 両陣営の部隊は、互いにダンジョンへ侵入した。オロッカ側のモンスターは、吸血鬼に眷属となった動物や人間等か。邪神がけしかけたものを利用したのか?育てたとか言ってたし。さて、そのオロッカの部隊が俺のダンジョンに侵攻してくる訳だが。


「・・・目標、吸血鬼。対吸血鬼用兵器、魔道光弾複数本装填完了っと」


 突破、出来ると良いな。オロッカ部隊。いや、本当に。今回はバッチリ対策を講じたからな。


「狙いを付けて、放つ!」


 その言葉と同時に放たれた無数の光弾。それら全てが侵攻部隊に降り注いだ。突然の出来事に侵攻部隊は戸惑いながらも防御体勢になるも、光弾は吸血鬼達の体を次々に爆散させていった。眷属も同様で、何とか前進するも、光弾によって散っていった。


「良し、効果は上々っと。これで良いかい?キラーの姉さん」

「ふむ、カゲマサ様が連れてきただけあって優秀だな。ウィリーとやら」


 光弾を放ったのは、最近配下入りしたウィリー・モルガム。彼自身は、弓術の達人であるためこのようなことは楽勝なのだ。

 先程の光弾は、研究所が開発した光の魔力をふんだんに注入した矢である。吸血鬼は、大まかな分類としてアンデッドに与している結果、光属性の魔力に滅法弱い。また吸血鬼故か、ニンニクや朝日にも弱い。まあ、ダンジョンバトルでは朝日はないのだが。


「まあ、こちとらメリアを治してもらった恩もありますし、働かないと旦那に顔向けできねぇ」

「当たり前だ。これからもカゲマサ様に恩を返せ」

「分かってますって。お、また来たな?そら、食らいな!」


 そう言ってウィリーは、再び矢を射掛ける。その度に侵攻部隊は爆散し、数を減らしていく。ふむ、第一陣は捌けそうだな。ウィリーを仲間にして良かったよ。さて、攻略軍の奴らはどうしてるかな?















◆オロッカのダンジョン



 オロッカのダンジョンに侵入した攻略軍の面々は侵入を果たすと、まず陣地の設営に入った。そして陣地を設営するや否や、複数の小動物をダンジョンに放つ。


「一先ずは、これで情報を集めるっす」

「ねずみさん、リスさん大丈夫かなぁ?」

「問題ないだろう。彼等は、攻略情報収集連隊の中でも指折りの精鋭だ」


 攻略情報収集連隊。ダンジョンの内部情報を把握するために創設された部隊で、小柄で素早く動き隠密に優れたモンスターだけが所属を許される。また、ゴブリンシーフといったシーフ系に進化したモンスター構成員は、主にネズミやリス、ゴースト、といった系統のモンスター。シーフ系としてゴブリンシーフやオークシーフも該当する。


「そうっすよ。だから大丈夫・・・っと、早速情報が届いたっす。早いっすね」

「む、そうだな。どれどれ?・・・良し大体把握した。行くぞ!!」


 そしてクロ達は、主力軍団を伴いダンジョンに進軍していった。情報収集連隊からの情報で、罠の位置は筒抜け、モンスターの位置も把握しているので、数の差で押し潰した。


「ふむ、どいつもこいつ弱い。最も上でランクCが精々だぞこれは」

「しょうがないっすよ。敵は新人なんすから」


 その後、攻略スピードを上げるため、クロ隊、ゴブイチ隊、ワイズ隊に分けて進軍した。その効果もあってか、第一階層完全制圧に成功する。


「良し、第一階層の制圧完了。ゴブイチ、例のブツは」

「勿論あるっす」


 ゴブイチは、懐の袋から取り出した複数の額縁を設置する。そして魔力を流すと、額縁に【ゲート】が出現したではないか。


「研究所の発明品、確か『額縁型ゲート発生装置』だったか」

「そのままっす」

「そうだな。さて、来いよ。後続部隊」


 そして複数のゲートから、また次々とモンスターが現れた。ゴブリン、オーク、オーガ、ワーウルフ、ワーキャット、ドラゴン、龍人など、様々な種族が集結した。そして極めつけはというと。


「ヤ、ヤット、デバン?」

「オレ、アバレル、モットォォォォ!」

「ハラヘッタ」

「セナカカユイ」


 迷宮研究所にて製造・量産している人工魔人達。量産型と動物型である。そして。


「クロ、待たせたな。アルファ以下研究所直属第一小隊、現着した」


 流暢に話している人工魔人。特殊型人工魔人のアルファだ。


「そしてそして、第二小隊ベータ参上!」

「第三小隊、ガンマ現着」

「キィィィィィタァァァァァヨォォォォォォ?」

「けっひっひ、第五小隊、イプシロン只今見参!」


 決めポーズをして登場する者や絶叫の如き声を上げる者等個性豊かなメンバーが現れた。それぞれ姿形は違うが、モンスターの格としてランクAの怪物集団である。


「良し、全員揃ったな。これより第二階層を攻略する!先程情報収集連隊から第二階層のデータが送られた。どうやら広野が広がっており、敵軍が陣形を整えている!連中に貴様らの力を見せつけろ!我等こそが上だと見せつけるのだ!」


 クロがそう伝えると、モンスター達は一斉に雄叫びをあげる。そして、第二階層に雪崩れ込んだ。
















◆カゲマサのダンジョン カゲマサside



 ・・・俺が言うのも何だがウチの連中強すぎないか?少しは苦戦するかと思われた第一階層を数の差と徹底した情報収集で完封?


「随分とまあ安々と。まあ、対策を徹底したからなぁ」

「そうですね。次は広野における戦闘ですが、心配は要りません。此方には、ゴブイチがいまし」

「ああ、集団戦得意だったな。それに、何やら大量の物を用意してたし」

「はい、ゴブイチの戦術、特とご覧ください」


 ふむ、シロが言うなら大丈夫か?増援として人工魔人第一大隊を丸々引き抜いたし。侵攻部隊の対処も上々だな。ウィリーがダンジョン内を駆け回りながら、罠に嵌めたり同士打ちを誘ったりと立ち回っている。暫く稼げそうだ。


 余談だが、オロッカ君。侵攻部隊がたったの百体って、少なくない?


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