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ダンジョンバトル、再び

沢山の誤字報告ありがとうございます!!



◆魔の夜会会場 カゲマサside



 俺が婚約者?俺が婚約者だって?とうとう血の飲みすぎで、頭が沸騰したか!?


「う、麗しの姫君よ!高貴な我輩より、このような冴えない男と婚姻をなさるのか!?」

「そうだ。少なくともオロッカ君、君よりも実力はあるからな。君も知ってるだろう。ロワン爺様の派閥は実力第一の派閥。実力のある者との婚姻は必定だ」


 ゑ?そうだったの?いや、いや、今はそんなことどうでも良い。


「我輩より実力が上ですと!?何を言いますか!その男は我輩と同じランクA-ではありませんか!!」


 ん?俺のランクはSなんだが・・・・ああ!《偽装》のスキルで鑑定結果を誤魔化してるんだっけ。


「・・・はあ、そんなことも解らないようじゃ」

『ふんふんふん、一人の女性を巡って二人の男性が争う、実にロマンチックな展開だね!!』


 アルカがオロッカの節穴具合を嘆いていると、いきなり邪神が介入してきた。というかアルカを狙った覚え無いんですけど。


「おお、我らが父よ!父からも言ってくだされ!麗しの姫君に相応しいのは我輩であると」

「父上!私は大反対です!実力があるならまだしも、ランクAにもなっていない若造に嫁ぐなんて!」

「俺は、そもそもアルカ狙ってませんけど」

「え・・・・」


 おいアルカ。何故残念そうな顔になる?事実だからいいじゃん!


『ふむふむ、子供達が積極的でお父さん嬉しい!じゃあこうしよう!ロワン!』

「はっ」

『君ならどうやって決める?』

「そんなもの、一つしかありますまい」


 ロワンは、口角をニィッと上げた。なんだろう。嫌な予感がする。


「ダンジョン同士の決闘、ダンジョンバトルに御座います」

『分かった!!ではこれより、マスターカゲマサとマスターオロッカによるダンジョンバトルを行う!ルールは単純!相手のダンジョンコアを破壊したら勝ちだ!あ、本物じゃなくてダミーを使用するよ。安心してね?準備は一時間とするぜ!」


 やっぱりね〜。畜生、またかよ!


「くははははは!了解しましたぞ父よ!『不作の世代』のランクA-なんぞに負けませぬがこのオロッカ、圧倒的にかつ優雅に勝って見せましょう。見ていてくだされ、麗しの姫君よ!」

「チッ」


 あ、アルカの奴舌打ちした。余程腹に据えかねているらしいな。さて、どうしたもんかね。・・・良し、人工魔人の運用テストに最適かな?


「・・・決まっちまったもんはしょうがない。殺るか」

「はっはー!災難だなカゲマサ!で、勝算はあるのか?」

「戦ってみなければわからんが、まあやってみるさ」


 そして俺は、いつの間にか手元にあったダミーのダンジョンコアを持って、自分のダンジョンに帰り準備を始めた。

 そして一時間後。















◆オロッカのダンジョン オロッカside



「クックック、まさかこうも早く我輩の力を見せる日が来るとは」


 あらかじめ作っておいたダンジョン内でオロッカは一人呟く。その顔には、絶対の自信が現れていた。


「敵は『不作の世代』と呼ばれているマスターの一人。初戦にしては物足りないが、精々我輩の贄となってもらおう」


 オロッカの頭の中では、既にアルカとの結婚した光景が浮かんでいる。そして、寝所に寝そべり誘惑してくるアルカの姿も。その光景にオロッカは、だらしなく顔を緩めた。


「クックック。麗しの姫君と結ばれ、新たな秩序の頂点になるのは我輩だ!」


 オロッカが呟き終わるのと同時に、モニターが目の前に現れた。


『さあ、いよいよ始まるぜぃ!準備は良いか!』

「ははっ!我輩は何時でも!!」

『・・・どうでもいいから早くしてくれ』


 クックック。どうやらカゲマサとやらは、戦意喪失しているようだな?我輩の力を肌で感じ取ったのであろう!クックック。

 我輩のダンジョンはまさに難攻不落。我輩のダンジョン入り口にいるのは、一時間の間にランクCを中心にして幹部である隊長を交えて編成した侵攻部隊。ダンジョンは我輩の眷属が徘徊し、無数の罠が目白押しである。全十階層、果たして『不作の世代』如きが突破出来るか見物しようではないか。


『ほいじゃ、早速始める!いくぞぉぉぉーーー!!』


 そして入り口の前に敵ダンジョンに繋がるゲートが現れた。


「進軍である!」


 さあ、蹂躙しよう。我輩の力を特と見るが良い!『不作の世代』よ!















◆カゲマサのダンジョン カゲマサside



 時は少し遡る。俺は、粗方の準備を終えて、コアルームに居た。


「・・・で、今回のダンジョンバトルには誰が指揮官をするんだ?」

「はい。迷宮攻略軍をゴブイチとクロ、ワイズが勤めます。迷宮防衛軍は、ゼクトとキラーが。総指揮は私シロが致します」

「分かった。今回俺は積極的な介入をしない。俺なしでもやれるかのテストだからな。ミレンダ、人工魔人の稼働は大丈夫か?」

「大丈夫さ。元気に準備体操してるよ。皆張り切ってたさ」


 ふむ、では問題は無しか。ならば、俺がかける言葉は一つだ。


「勝てよ。お前ら」

「当然です」


 一方のダンジョン入り口には、迷宮攻略軍が勢揃いしていた。


「いやぁ~、久々っすねぇ。大人数での戦いって。ねぇ、クロさん」

「そうだなゴブイチ。そしてこれは、我々だけでダンジョンを守れるかのテストでもある。気を引き締めなければ」

「むー!お父さんの敵は皆食べてやるんだから!」


 各〈六将〉はやる気を漲らせる。攻略軍の面々も同様だった。そして開始の合図は、唐突にやって来た。


『ほいじゃ、早速始める!いくぞぉぉぉーーー!!』


 その掛け声と共に、ゲートが展開された。


「行くぞぉぉ!迷宮攻略軍!!マスターの敵は何であれ薙ぎ倒せぇぇ!!進軍!」

「「「「オオオォォォォーーーー!!」」」」


 こうして迷宮攻略軍は、一気に敵ダンジョンに雪崩れ込んだ。



 ダンジョンバトル、開戦。


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