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理不尽への対処

自分で言うのも何ですが、自分ってなろうの中では駄文中の駄文作者な気がしてきました。読み返したら文才の無さが滲み出てきて、頑張ろうと思った作者です。



◆地上 カゲマサside



「さて、勇者タダユキの追放と取り巻きの就職作業完了ッと。いやぁ、調子に乗った奴を貶めるのは気分がいいね!」


 俺は、珍しくハイテンションになっていた。理由は恐らく魔人だからであろう。魔人は、基本悪だ。敵を殺したり貶めたりすることに快楽を覚える、まさしく悪。俺の場合は、殺人に快楽は感じないが貶めることには快楽を感じるらしいな。それも調子に乗った奴限定で。


「まったく、難儀な性質だよ」


 俺は、そう呟きながら酒場に入る。すると、中は冒険者等で賑わっていた。そこに、バッガパーティーの一員のダシューが話しかけてくる。


「おっ、カゲマサさん。勇者の送還おわったんですか?」

「ああ、ちゃんと送り返したよ。今頃は帝都の真ん中で、凄い醜態を晒してるんじゃない?あ、やべ、笑いが」

「余り・・ぶふっ!・・・言わないほうが・・ふひ、・・・いいと思うけど?」

「君だって・・・・ひひ、笑ってるじゃ・・ないか」


 俺とダシューが勇者の醜態を思い浮かべ、笑いを堪えているところに、待機させていた魔人カレンから念話が届いた。


『カゲマサ様、少しよろしいですか?』

『ん?カレンか。なんだなんだ?』

『はっ、先程話題にありました勇者サユリがダンジョン領域内に入りました』

『ッ!そうか、後どれくらいで着く』

『はっ、およそ三日後であります』

『分かった。近場まで遠征に出ている迷宮攻略軍を即時撤退させろ。それと迷宮防衛軍各〈狂星〉に伝達。急ぎ軍備を整えろと』

『はっ!』


 そう言ってカレンからの念話は終わった。そして俺は、その場から立ち上がる。


「すまん。急な用事があったの思い出したわ」

「あ、そうですか。お気をつけて」

「おう」


 そして俺は、酒場の外に出て【ゲート】で転移する。

















◆ダンジョン コアルーム カゲマサside



 地上から転移した俺は、コアルームにて戦力の確認を行っていた。

 まずランクFからDまでの約三万体以上いる下っ端兵士。彼等は論外だ。勇者にぶつけても無駄死になるのは目に見えている。

 次に約一万体以上のランクCが主体となる上級兵士だが、彼等も無理だろう。それに次期準幹部候補がそれなりにいる。無闇に失うべきじゃない。

 次は、百体以上の下級幹部クラスの〈領域百魔隊長〉。通称隊長。彼等でやっと足止めが叶うくらいか?ランクはBからA-と幅広い。中でもA-なら、次期狂星に最も近く実力も見劣りしない。

 そして幹部クラスの〈階層二十狂星〉。通称狂星。僅か二十体のモンスターだが、ランクAと実力は申し分無し。勇者あたりでも複数で挑めば、渡り合えるだろう。

 最後に最高幹部〈六将〉。ランクAながらも、狂星とは格が違う者共。俺の仲間内では最高戦力だ。勇者相手でも遅れはとらない。番外として、迷宮近衛隊に所属する数十体のランクAモンスター達。彼等はコアルームや研究所など重要な施設における警備があるので除外。


「・・・さて、どうしたもんか」


 もう三日しかない。その間に勇者対策を講じなければ、俺達は皆殺しだ。


「ゴーレムで足止めしている間に一斉砲撃?いや、勇者なら防いでくるぞ。絶対」


 勇者とは、味方から見れば頼もしいが敵から見たら、チート能力を持った理不尽な存在である。まさに絶望そのもの。それゆえに死にたくないカゲマサの脳内版勇者サユリは、恐ろしい化け物、理不尽の権化として映っていた。


(まてよ?ならば、〈狂星〉や〈六将〉でも無理では?)


 そんな考えが浮かんだが、頭を横に振り思考を重ねていく。だが俺がどう考えても、打ち破られ殺される未来しか見えなかった。


(駄目だ!全然思い付かん!)


 どの策を取っても、打ち破られる未来しか見えない俺は、頭を抱える。その後俺は、二日掛けて考えたが、やはり理不尽の権化によって破られる光景が頭から離れなかった。















◆ダンジョンコアルーム カゲマサside



 とうとう三日目が来てしまった。ずっと考えたが、ようやく捻り出した策、というかこれしかなかった。カゲマサのいるコアルームには、一つのモニターが映っていた。

 そこには、六将を始め一部以外の狂星全員が集まっていた。場所は第二十四階層で、転移罠の行き先を全部ここに変更しておいた。よって、勇者サユリ一行は嫌でも六将と狂星全員と戦わなくてはならない。


「こ、これで大丈夫。大丈夫な、はずだ」


 因みに俺も立候補したが、マスターは下がってくれと言われた。俺は食い下がったが、自分達を信用してくれと言われたので、渋々引き下がった。

 勇者サユリ一行は、既に村についている。今は、ダンジョンの情報を得る為、ギルドにあれこれ聞いてるようだが、入ってくるのは時間の問題だ。

 勇者タダユキはうまく行ったが、勇者サユリは只ではいかないだろう。彼女のパーティーも全員ランクAだしな。ちっ、勇者らしく慢心すれば良いもの・・・ん?

 俺は、酒場のモニターが騒がしいことに気付く。拡大すると、勇者パーティーの一人がナタリアと何やら言い争っているではないか。音を付けてみる。


『何故なのナタリア姉さん!?奴隷から解放されたくないの!?』

『・・・すまない。私には主君と決めた者がいる。軽々と裏切れないんだ。それにな、ナハリア。お前はもう私より強い。今さら私が行ったところで足手まといだ。諦めてくれ』

『ナタリア姉さん!』


 なにこれ?


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