表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
111/302

新組織




◆ダンジョン第二十五階層会議室 カゲマサside



 俺が会議室に用意された椅子に座ると、他の最高幹部達も着席する。


「さて、まずは各階層の状況を聞こうか。ゴブイチ」

「ハイっす!」


 呼ばれたゴブイチは、資料を持って説明を始める。


「まずは、第一から第五までのもてなし階層は順調っす。基本上手く人間に利益がでるように調整しましたっすから」


 もてなし階層。難易度は一番低く、人間に資源や道具などを提供、更には訓練した兵士などおらず、居るのはレベル固定型のリスポーンモンスター。ダンジョンでは、雑兵以下の存在しかいない。種類もゴブリンやオーク、ダンジョン強化祭以降はスケルトンやゾンビ、ウルフを追加している。


「そうか、ならばいいよ。調整ご苦労さん」

「ありがとうございますっす。じゃあ次にオイラの管理する第六から第八までの報告っすけど、侵入者は全員殺すか研究所に被検体として回してるっす。いや~、マスターの組織した迷宮防衛軍!上手く機能してるっすよ~っ!」

「いやいや、俺はアイディアを言っただけだ。上手く形にできたのは、お前達あってこそだからな」


 〈迷宮防衛軍〉。それは、カゲマサが組織的に動き効率良くダンジョンを守るために創った軍団。ダンジョンの大体のモンスターが所属している。任務としては、各階層の守備や重要領域の守備を主にしている。


「じゃあ、次は」

「は~い!私だよお父さん!」


 元気良く手を上げたのは、灰色の人形スライムボディカオス・スライムキングのワイズだ。


「良し、じゃあワイズ。担当階層の様子を」

「えっとねえっとね?侵入者は居なかったよ?だから暇になっちゃったの。だからね?キツネちゃんとかゾウさんとかと遊んだの!」


 ワイズは、子供のように話していく。要約すると、第九から第十までの階層に侵入者の形跡は無しで暇だったからモンスター達と遊んでた、か。まあ、ワイズが担当する階層は少ないし大丈夫だろう。


「そうか。侵入者がいないことは良いことだ。だが、油断するなよ?」

「はーい!」


 一見、複数階層守護者が出来るのかと疑問が浮かぶだろう。だがワイズは、侵入者相手に良くやっている。子供のように見えてすごいのだ。


「次は」

「はっ」


 答えたのはゼクトだった。彼は、素早く立ち上がると資料片手に説明を始める。


「俺の預かった第十一から十五階層ですが、目立った異常はございません。強いて挙げるとしたら、内の若い兵士がウズウズしている位かと」

「そうか」


 俺は、ゼクトを見ながら頷く。ここまでは異常はない。


「次にキラー」

「はっ!第十六から第二十階層ですが、各領域にてギオが新兵相手に暴れている以外は問題ありません!」

「あ~、ギオなら仕方ないか。だが、ほどほどにしてくれと言っといてくれ」

「はっ!了解致しました!」

「そう言えば、ミレンダが何か造ってたよな。特殊なゴーレム作成だって?」

「はっ!既存のゴーレムから、様々な形を模索しているらしいです!」

「成る程。完成したら報告するように」

「はっ!」


 俺は、次にクロを呼ぼうとしたが、クロは既に立ち上がり、此方に資料を渡していた。


「説明を開始します」

「あ、うん。君ってたまにせっかちだよね」

「すいません、性分でして」


 そして、クロの説明が始まる。クロが担当しているのは、第二十一から第二十四階層で、目立った異常は無しとのことだった。


「それと、一部の幹部から陳情が。体が鈍りそうだから、出来たら迷宮攻略軍に転属したいと」

「う~む、攻略軍は人員十分だし・・・。どうしたもんか」


 〈迷宮攻略軍〉。〈迷宮防衛軍〉と並び立つ組織で他のダンジョンマスターとのダンジョンバトル時敵ダンジョン制圧に動く軍団。普段はダンジョンの防衛に参加している。実は、迷宮攻略軍には別の任務が存在する。それは、ダンジョン外にいる見知らぬモンスターや怪しい人間を狩ること。

 現に攻略軍に属するモンスターは、ダンジョンのあるドミニク辺境伯領限定で未知のモンスターを求めては、複数でダンジョン領域となっている地上を探し回っている。


「仕方ない。一部の攻略軍を呼び戻し、配置転換するか」

「ありがとうございます」


 クロは頭を下げ、感謝の意を見せる。それを見て俺は頷いた後、シロへ振り向いた。


「シロ、ダンジョン内の階級制度はどうだ?上手くいってるか?」

「ご心配無く。ちゃんと機能しておりますよ」


 ダンジョン内に組織を立ち上げたので、当然階級が必要になってくる。指揮系統順で表すと、


ダンジョンマスター

   ↓

最高幹部〈六将〉 六体

   ↓

幹部〈階層二十狂星〉 二十体

   ↓

準幹部〈領域百魔隊長〉 約百数十体

   ↓

上級兵士 約一万体

   ↓

兵士 約三万体



 といった感じである。

 うん。自分で名付けておいてなんだが、めっちゃ恥ずかしいッ!!!いや、そりゃあノリノリで名付けましたよ?カッコいいかなぁと思ったよ?だけど、まさか全部通るとは思わないでしょう!?アアアアッ!!!何で名付けちまった!普通に最高幹部、幹部、準幹部とかでよかったのにさぁ!

 ・・・・俺の中二癖を披露しまったが、話を戻そう。

 トップは、ダンジョンマスターである俺。次点に〈六将〉の六体。その下には、〈階層二十狂星〉という中二病気質全開の称号を持つ二十体の幹部モンスターがいる。長いので通称〈狂星〉。全構成員がランクA下位という強さを持つ。任務には、それぞれに割り当てられた階層を守護するといったもの。ダンジョンバトル時には、防衛軍だと階層守護。攻略軍だと各百魔隊長を率いて攻略する。

 次に〈領域百魔隊長〉。これまた凄い名前である。通称〈百魔〉。約百数十体いるが気にしない。この地位に来るのは準幹部級モンスターで、最低ランクBにはならないと上がれないのだ。任務は、各階層に存在する領域を守護すること。

 上級兵士は、兵士の中でも上位の戦闘力を持つものに便宜上与える役職。幹部を除いては、精鋭と称されるモンスター達だ。ランクはC。

 兵士は、そのままの意味だ。うちのダンジョンでは、雑兵に位置している。だが、どの兵も向上心があり必死に訓練を行い上級戦闘員へと成り上がろうとするものが後をたたない。ランクはFからD。

 といった感じになっており、最低限組織としての体裁が整ったと俺は感じている。しかし、上には上がいるだろう。例えばナナさん、あの人は多分モンスター数は百万は下らないんじゃないかなぁ。

 俺は、そんなことを考えながら、〈六将〉に告げる。


「さて、皆持ち場に戻ろうか。あまり離れていると、不味い事態があったら対処できないからね」

「「「「はっ」」」」

「了解っす」

「はぁ~い!」


 そう言ってシロ以外の〈六将〉達は、持ち場に戻っていった。え?何故シロだけいるかって?シロは、役職がダンジョン総司令だから、いつでも指示が出せるようにコアルームから、ダンジョン全体をつぶさに監視しているのだ。それ故か、担当階層が今いる第二十五階層とコアルームになった。


「さてマスター、今近衛を呼びますから」

「いや、自分で戻れ」

「呼・び・ま・す・か・ら」

「あ、はい」


 そう言えばアイツ等もいたな。一応言っておこう。俺のダンジョンには、〈迷宮防衛軍〉と〈迷宮攻略軍〉の他に、もう一つ組織がある。それが〈迷宮近衛隊〉。全兵士から選抜した結果、たった数十体程しかいないにも関わらず、ランクは全構成員がAと強い。というか、何で〈狂星〉に入らなかったのかと聞いたときは、俺を側で守れるからと言いやがった。俺には、勿体無さ過ぎる部下達である。さて、ちょうど近衛隊も来たし、コアルームに戻ったら、ダンジョンの様子を確認するかな。


 俺は、そう考えながら、近衛隊に護衛されていった。


幹部の通称付けたけど、被ってないかな?もし他の作品と被ってるのがあったら、指摘していただきたい。直ぐに修正します。


もし良かったと思ってくれたなら高評価、ブックマーク登録お願い致します。励みになりますので。


出来たら感想や誤字報告もくれたらうれしいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ