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最高幹部〈六将〉

少し中二臭いかも。




 俺は、ダンジョンに帰ってから必死になって鍛練を開始した。内容は、いたってシンプル。近場に【ゲート】で直行、モンスター狩り、帰還。これを何回も繰り返す。狩ったモンスターもゴブリンやコボルトのような、下位に位置するモンスターではなく、オーガやワイバーンといった強い種族を狩りまくった。

 ある時は、フリン公国に入る際登った山の山頂に陣取っていたワイバーンの大群を皆殺し。

 またある時は、フリン公国に密かに入国し、偶々見つけた閉鎖された鉱山に巣食っていたオーガ率いるゴブリン軍団を皆殺し。

 またある時は、フリン公国にあった廃城に赴き、何故か集まっていたグレーターデーモンを筆頭に様々な悪魔や鎧や絵画が勝手に動き出して襲い掛かって来たのを皆殺しにした。殺す際に、「計画が」やら「悪魔の国・・」やら喚いていたが、気にしなかった。それ程に強くなることに没頭していたのだ。

 一方で、自身の強化のみならず配下であるダンジョンモンスター達の強化も行った。単純な力は勿論、ダンジョンのエリアや機能を利用した戦術、速やかに戦力を投入できる体制、情報の円滑な共有、指揮系統の再編成、階層の追加、魔道師ジメイの人造魔族兵を参考に人造モンスターの作成など、出来る限りのことをした。ある時は、転移者特権である地球の知識だってフル活用した。

 そういったわけで、俺と俺のダンジョンは急成長を見せ、序盤のエリア以外のモンスターは軒並みレベルが上昇。更に数も増加しており、今では四万体以上のモンスターがいる。そんな超強化祭を推し進め、気が付けば俺がこの世界に来てから一年が経過していたのだ。
















◆ダンジョン最奥 コアルーム カゲマサside



 俺は現在、コアルームにある玉座に腰掛け、思い出に浸っていた。


「そう言えば、こちらに来てからもう一年か。速いものだ。最初は、まだ何もなく右往左往していたなぁ。懐かしい」


 そう言いながら傍らに置いてあったコップ一杯分の水をグイッと飲み干すと、玉座から立ち上がる。


「確かシロが言っていたな。今日は、ダンジョンにおける新たな組織のお披露目と。遅れないようにしなければ」


 俺は、そんなことを言いながら歩いていった。一方で主のいないコアルームには、一枚の紙が置かれていた。そこには、鑑定結果と表示されており、続きにはこう書かれていた。



名前 黒木影正(くろきかげまさ)

種族 王級魔人

職業 ダンジョンマスター

レベル 1

ランク S

スキル 魔人王 魔法王 鑑定 暗殺 格闘術の達人

etc.・・・・人智を越えた生物 存在感知



 とあり、極めつけは最後に書かれた二つの項目だった。

 《人智を越えた生物》・・人智の領域を越えた生物が自動的に手に入れるスキル。

 効果・・・身体能力超強化、再生能力獲得。


 《存在感知》・・《気配察知》の上位互換。

 効果・・・生物の存在を明確に知覚可能。



 とあった。要するにカゲマサは、真の意味で強者の領域に踏み込んだのだ。














◆ダンジョン第二十五階層 会議室 最高幹部side



 謁見の間と名付けられたその部屋には、六体のモンスターが主の到来を待っていた。

 一体目は、白髪のツインテール少女の最高幹部にしてダンジョン総司令であるシロ。



名前 シロ

種族 エルダードラゴン

職業 最高幹部〈六将〉 総司令

レベル 95

ランク A+

スキル 白竜王・・ドラゴン種の統率力上昇、光魔法強化、身体能力強化など 人化の術 etc.



「マスターは、まだいらっしゃらないわね」


 そうシロが呟くと、隣に座っていた存在が口を開く。


「問題があったかもしれん。確認を取るべきだ」


 そう発言したのは、軍服を纏った黒髪の青年だった。彼はというと。



名前 クロ

種族 エルダードラゴン

職業 最高幹部〈六将〉 複数階層守護者

レベル 92

ランク A+

スキル 黒竜王・・ドラゴン種の統率力上昇、闇魔法強化、身体能力超強化など etc. 人化の術



 そうシロの弟的存在であるクロだった。最近出番が少なかったせいで猛特訓したせいか、単純なフィジカルはシロを越える。


「安心しろ、クロ。先程我が主の足音を感知した。こちらに向かってきている」


 次に言葉を発したのは、全身が焦げ茶色の体を持つ魔人。口元には触覚があり、背中には虫の羽、額には一本の角があるモンスターだった。



名前 ゼクト

種族 上級虫魔人(インセクト)

職業 最高幹部〈六将〉 複数階層守護者

レベル 91

ランク A+

スキル 虫の王 身体能力超強化 感覚強化 格闘術の達人 etc.



 ゼクト。カゲマサの初めてのダンジョンバトル時に投入されたモンスターで、己の力だけで最高幹部に上り詰めた逸材。実際、近接戦ならばクロに遅れは取らない。


「それなら安心っすね。オイラは、気長に待つとするっす」


 そう発言したのは、体が緑色で人間よりやや大きい体格を持つ、言わばゴブリンだった。だが、其処らのゴブリンとは違っている。



名前 ゴブイチ

種族 ゴブリンハイエンペラー

職業 最高幹部〈六将〉 複数階層守護者

レベル 79

ランク A

スキル 小鬼帝・・ゴブリン種の繁殖力超上昇、身体能力強化、指揮力上昇 etc.



 ゴブイチ。はっきり言ってこの中で一番の古参である。若干他の最高幹部と見劣りするが、実力は十分だ。


「そうだ。カゲマサ様は我々の主にして、このダンジョン最強のお方。そう簡単に遅れを取るものか」


 そう答えたのは、額から二本の角を生やした美人な女性だった。彼女は、黒を基調としたコート、そして腰には剣を差している。



名前 ジ・キラー

種族 上級魔人

職業 最高幹部〈六将〉 複数階層守護者

レベル 86

ランク A+

スキル 憤怒王 暗殺 剣術の達人 気配察知 闇魔法 etc.



 そう、キラーだ。この半年間キラーは、俺に影響されたのか猛特訓を積み、更なる強さを手に入れ、最高幹部の座を手にしたのだ。

 そして最後の一人。それは、今まで見たことの無い顔だった。体は一人の女性だが、全体の色が灰色なのだ。そのうえゼリーのようにプルプルしており、骨が無いのか腕をグルグル巻きにして遊んでいた。


「・・・おい、遊ぶなら部屋から叩き出すぞ」


 見かねたのか、キラーが灰色の生物に注意する。すると灰色の生物は、


「嫌。お父さんが来なきゃ暇だもん」

「子供か貴様!」

「子供だもん!」

「はいはい、そこまでにしなさい。キラー」


 すかさずシロが止めに入る。キラーは不満げだが、渋々引き下がる。


「はあ、遊ぶのもいいけど、あんまり他の最高幹部と仲が悪いと呆れられるわよ?」

「・・・むう、わかった。我慢する」

「よろしい。〈六将〉ワイズ」



名前 ワイズ

種族 カオス・スライムキング

職業 最高幹部〈六将〉 複数階層守護者

レベル 75

ランク A

スキル 混沌のスライム・・身体能力強化、再生能力超強化、群体化、吸収 気配察知 etc.



 ワイズ。カゲマサがスライムに異世界のプラスチックや食べかす、またはオリハルコンなどを吸収させた結果、偶然誕生した新種。カゲマサによって浅い階層に移されたが、そこで冒険者相手に戦い吸収、戦い吸収を繰り返した結果、最高幹部〈六将〉に選ばれるくらいに成長した。カゲマサをお父さんと呼んでいる。

 因みに〈六将〉とは、カゲマサが最高幹部だけでは味気ないとして面白半分に付けたものを最高幹部の面々が気に入って正式採用された名称である。


「悪い。遅くなった」


 しばらくすると、会議室の扉が開かれ、カゲマサが入ってきた。最高幹部達は皆跪く。すると、カゲマサは困った顔になりながらもこう告げた。


「ああ、いいよいいよ。さっそくだけど始めようか」


会議の開始を告げたのだった。


成長させ過ぎたかな?まあ、いいや。



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