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まさかの事態

この頃自分の文才の無さに悲しくなってくる作者です。


◆ヤーレラ城 玉座の間



「ぬうっ!?」


 近衛騎士団団長ゴウエン・フィーゾムと戦っていた俺は、何か糸のような何かが切れたことを感じ後ろに振り向く。


「余所見とは、また余裕だな!!」


 しかしゴウエンが、隙を見逃さず攻撃を繰り出す。赤く染まった剣が僅かに俺の腕にかすってしまった。


「チッ。【ウォータージャベリン×3】!」

「なっ!?ぐふッ!」


 掠り傷を付けられた俺は、僅かに舌打ちしながらも水魔法でゴウエンを吹き飛ばす。そして先程感じた、繋がりが切れた感触について考え始めた。


(さっきの感触、間違いない。裏門とヤーレラ城城門前に配置した死霊混合人(アンデッドキメラ)のものだ。殺られたのか?こんな短時間で?)


 俺は、到底信じられないと思ったが、頭を振り思考を続ける。


(いや、現実逃避するな。これは現実だ。頭を回せ。思考を放棄すれば負けも同じだ)

(死霊混合人を倒したのは、最低でもランクA以上の存在、それが近くにいる。これまでの話を統合するに、魔道師ジメイの可能性が高い。となると、キラーを一人で行かせたのは間違いだったか?)


 俺は、自分の稚拙で足りない頭を使って必死に考える。どうすれば、こちら側の被害少なく勝てるのか。


(糞っ!駄目だ。俺の頭では、多少魔力を失ってでもゴウエン等を無力化してキラーと合流する、ぐらいしか思い付かん!)


 俺は、仕方なくゴウエンを無力化すべく、魔力を込め始める。すると、今立ち上がったゴウエンが、火魔法を付与したのか剣を更に赤くしていた。


「はあ・・・はあ・・・・、強い!まさか私が切り札を使うことになるとは!」


 何かほざいているが、取り敢えず速攻を仕掛けよう。俺は、上級魔人の身体能力を活かしてゴウエンに接近、そして左目に指を突き入れた。


「ぐっ!?き、貴様!!」

「悪い、用事が出来た。さっさと終わらせる」


 俺は、一言詫びるや否や、ゴウエンの股間を思いっきり蹴りあげた。


「~~~~~~ッ!!!!!!!!!」


 ゴウエンは、声にならない悲鳴を挙げその場に倒れる。どうやら公国最強の騎士でも、股間は弱いようだ。周りを見ると、死霊魔人や二体の死霊混合人は、既に近衛騎士団員達の皆殺しを終えていたようだ。床に死体が散乱している。俺は、【ボックス】に死体を入れ込みながら、死霊魔人が押さえ込んでいる“それ”に近づく。


「き、貴様等!余を誰と心得る!余は、このフリン公国公王、ハマル・フリンであるぞ!」


 そう、いつの間にか肥満体の男、公王ハマルを捕らえていたのだ。


「主、私、偉い?」

「おう、偉いぞ」

「うへへへへ」


 俺が誉めると、死霊魔人は照れたように笑った。


「おい!そこの貴様!余を助けよ!助ければ報酬をくれてやる!早うせんか!」


 公王とやらは、俺に対して怒鳴っている。今の光景を見て、俺が公王を救出しないとわかるはずなのに、助けろとは。よし、さっさと本陣に送ろっと。


「死霊魔人。そのデブを担げ。プーリ侯爵の元に連れていく」

「ん、了解」

「な、なななな何をするか!公王たる余に対して不敬であるぞ!ゴウエン!こやつ等を殺せ!」


 そんなことを喚く公王ハマルの声が聞こえたのか、ゴウエンは何とか立ち上がろうとしている。そこに俺は、すかさず氷魔法【アイスロック】を発動。たちまちゴウエンは氷付けとなった。これで、暫くは持つはずだ。


「さて、急ぐか。【ディメンションムーブ】」


 俺は、空間転移の魔法を発動させる。しかし、目の前の風景が変わることはなかった。玉座の間のままだった。


「ッ!?」


 俺は、何度も空間転移の魔法を発動させる。だが、どれも発動することはなかった。


「どうなっているッ!!!!」


 まさかの緊急事態。俺は、辛うじてあった冷静さをかなぐり捨てて怒鳴った。だが、状況が変わらない。俺は、死霊魔人達を置いて玉座の間を出る。そして、窓からヤーレラ城の外を見た。そこには、ヤーレラ城全体を覆う白い膜が発生していたのだ。


「何だあれはっ!!あれが俺の魔法を封じているのか!?」


 俺は、白い膜を見ながら歯噛みした。ちょうど白い膜が近くに発生していた為、本気で殴るが効果は無い。


「糞っ!何処かにあるはずだ!出口が!」


 俺は、必死になって出口を探し始めた。















◆ツンドルン 上空



「ふむ、代替えの魔力を充填しておいて正解だったな。それにしても、本当に主戦力をヤーレラ城に送り込むとはな。ふふ」


 ツンドルンの上空に浮かぶは、魔道師ジメイ。白い膜に覆われたヤーレラ城を見て、満足そうに頷く。


「大規模な魔封じの結界に加え、内側からはけっして破れないように不壊の結界も施した。だが魔力を異常に消費する上に継続能力も五分程度。完璧とはいかないが、主戦力等の足止めにはなるだろう」


 ジメイは、気軽に行っているが、大規模な魔封じの結界と不壊の結界は、普通の魔道師では行使など不可能。行使出来るのは、世界を見渡してもほんの数十人程度。まさに、並の魔道師とは次元が違うことをこの男は、たかが数人の足止めにつかったのだ。


「さて、今のうちに敵兵力を削ぎますか。貴様も見るかい?キラー?」

「・・・・・くっ!!」


 ジメイが振り向いた所には、氷の柱の中に閉じ込められたキラーがいた。


「おいおい、まだ怒こっているのか?私は只」

「ああ、そうだ。忘れたとは言わせんぞジメイ。私の・・・・・・私の村を滅茶苦茶にしやがって!!!」


 これこそキラーがジメイに復讐する理由であった。


「はあ、確かに私は君の村を壊したよ。ああ、そういえば君の目の前で」

「ッ!!!止めろ!!」

「君の目の前で、君の妹が私の人造魔族兵に犯されたんだっけ?」

「あああああああアアアあああああッ!!!!!!!!!」

「おお、実に良い絶叫。だが、思い出話をしている暇はないのだよ。そこで大人しくしてたまえ」

「殺すッ!!!殺すッ!!!殺してやるッ!!!」

「結構だ。私は生きなければならない。あの方の為に」


 ジメイは、興味を失ったとばかりにキラーから目を背ける。目を向けた先には、未だに戦っているプーリ侯爵軍と人造魔族兵。


「さて、こんな低俗な戦争は終わらせよう。火魔法【インフェルノ・ウェーブ】!!!!」


 そして、灼熱の炎の波がプーリ侯爵軍と人造魔族兵達に襲い掛かった。


少し長くなったかな?


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