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「ベッドの下にいるモノは、貴方に惹かれて来たの?」
「それも中のモノの影響ね。イロイロと引き寄せちゃうみたいだけど、抑えられるからヘーキ」
…やはり彼女は、自分に何かよくないモノが取り付いていることを分かっているようです。
しかし理解していながらも、平然としてそれを受け入れている……。
普通の人間ならば、まずはありえません。
アレほどのモノに取り付かれたならば、普通の人間はまず、正気ではいられないはず。
疑惑に満ちた目で彼女を見ると、クスッと苦笑されました。
「あなたの仕事は、姉や例の肝試しメンバーに何かしているモノを沈めることでしょう? その他のことには首を突っ込まない方がいいわよ?」
「でも…貴方の中にあるモノは、とんでもないモノよ? それを理解した上で、何もしていないの?」
「別に何もしていないワケじゃない」
彼女はチャラ…と自分が身に付けているアクセサリーを見せてくれました。
よく見てみると、彼女は丸い水晶のチョーカーに、水晶の石が付いた指輪、そして同じく水晶の数珠ブレスレットを付けていたのです。
「一応こうやって、抑えてはいるの。でも全てを抑えることはできない。何故ならこの身に流れている血が、媒体となっているから」
少し悲しそうに、彼女は自分の腕をさすります。
「血…? 血脈からの因縁なの?」
「因縁、ね。でもそれは自分の先祖がこうあるように、と願ったことだしねぇ」
ふぅ…と息を吐き、彼女は語ってくれました。
自分の血の因果を―。