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とある霊能力者の仕事  作者: saika
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4

仲介役にはわたしと母が入れば何とかなるでしょうし、心から謝罪の気持ちが娘さん達にあれば、そう難しい話ではなかった……はずだったんです。


そう、『彼女』が帰ってくるまでは…。


「ただいま~。…って、アレ? お客さん?」


居間に一人の女の子が入ってきました。


「おかえり。今、お姉ちゃんのことについて相談してたのよ」


母親が女の子に説明します。


そして次に、わたしに説明してくれました。


「このコは2番目の娘です」


「どーも、はじめまして」


彼女はニコッと人懐こい笑みを向けてきました。


でもわたしは驚愕して、微笑み返すことができませんでした。


何故なら彼女は、喰われて、いたからです。


彼女の全身を覆うように、ぽっかりと開いた口の中。


彼女はまさに、口の中に入っていました。


そしてそのモノは黒い顔、みたいなモノ。


はっきりと言えないのは、口以外、顔のパーツが無いからです。


目も鼻も耳もなし、体も無いんです。


ただ彼女の全身を今にも喰らおうとする黒いモノ、それを背負いつつも微笑んでいる彼女に、わたしはぞっとしてしまいました。


「ん?」


わたしの視線に気付き、彼女は自分の背後を振り返りました。


「…ああ、失礼」


呟くように言うと、片手で自分の肩をパンパンと叩きました。


すると黒きモノは、スゥ…と溶けるように消えてしまいます。


「えっ…?」


呆然と呟くと、彼女は再び笑みを浮かべました。


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