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虹の花婿  作者: ドライフラワー
第3章 2人の妹
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女王懐妊

強い衝撃を受けたナイトは何が起きたかわからなかった。

しかし、床に倒れる前に、舞うドレスの裾とネティアの素足を見た時、自分が蹴られたことに気付いた。

なぜ、蹴られたかはわからないが、こんな公の場所で無様に転がるわけにはいかない。

必死に耐え、蹴ってきたフローレスの元へ向かう。


『暗転』


フロントが魔法で目くらまをした。

ナイトはフローレスを捕まえる。


「ナイト‥‥私‥‥」


フローレスが何か言いかけたが、後頭部に手刀を加えた。

気を失わせることに成功し、その体を抱きかかえる。

手荒な真似はしたくなかったが、こんな場所で喋られると、ネティアでないことがバレてしまう。

部屋に明かりが戻った。


「何が起きたんだ?」


部屋に光が戻り、周囲がざわめき出した。


「ネティア女王が急に入って来られて…?」

「ナイト王子の元へ来られて…?」

「急に、部屋が暗くなったような…?」


会議の参加者達が時系列で、起きた出来事を思い出している。


「ネティア女王は!?」


思い出したようにナイトの方に視線が集中する。


「ここにいる、大丈夫だ!」


ナイトが気を失ったフローレスを抱きかかえて見せる。


「気を失われているのですか?」

「ああ、俺の下に来て、何か言おうとして、急に倒れたんだ…」


ナイトは平静を装って、淡々と嘘をつく。


「本当か?」


ジャミルが疑いの目を向けてきた。


「暗くなる前、女王から蹴りを入れられているようにみえたが?」


やっぱり見られていた。

私も見たような…という目撃情報多数に、ナイトの背に冷や汗が流れる。


「女王陛下がナイト様に蹴り!?そんなこと天地がひっくり返ってもありません!!」


フロントが猛烈に否定した。


「フロント、お前、さっき、魔法を使っただろう?」


ミゲイルが指摘してきたが、


「ただの停電だ。会議の場で私が魔法を使うなんてあるわけないだろう」


フロントはきっぱり、断言し、


「もし、本当に、女王陛下がナイト様を蹴られていたら、私はここにいる全員の記憶を葬り去らなければならない」


と会議参加者を脅しにかかった。

今度はナイト以外の人間の肝が冷えた。


「まあ、ネティア女王陛下が愛するナイト様に対し、回し蹴りするなんて、死んでもあり得ないですが…」


と笑って誤魔化したが、その目は笑っていなかった。


「そうですよね、あの品行方正な女王陛下に限って、蹴りなどあるわけないですよね」


ビビった参加者は自分たちの記憶を書き換えた。


「そういうことだから、今日の会議はこれで終了。続きはまた後日」


ナイトはそう言って、フローレスを抱えて速やかに退室した。

フロントとシュウも慌ただしく後に続いた。





周囲が帰り始めている中、腑に落ちない表情のミゲイルたち王の一族。


「なあ、ネティアの奴、間違いなくナイトに蹴り入れたような?」


ブラッドが聞くと、ミゲイルが頷く。


「フロントの奴、回し蹴りって言ってたらから間違い」

「ナイトの奴、鼻血出てたしな」

「まあ、内内ではいろいろあるんだろう。そういうことにしておいてやれ」


ヘーゼルが早々に話を終わらせた。

他人のプライベートなどどうでもいい。

ミゲイルはジャミルを一瞥した。

同時にジャミルも一瞥を返してきた。

今、ジャミルの花嫁探しで、2人の関係は非常にデリケートになっていた。

2人は会話を交わすことなく、別々に帰った。




***




ナイトはフローレスを女王の部屋に運びこんで、起こした。


「一体、どういうつもりなんだ!?あんな場所で蹴りを入れてくるなんて!!」

「そうですよ、ネティア様が公然と回し蹴りなんて絶対しませんよ!!」


目覚めたフローレスにナイトとフロントは怒った。


「‥‥ごめんなさい‥‥」


強く怒られたフローレスはシュンとなった。

その顔を見て、ナイトは反省する。


「‥‥すまない、ちょっと、強く言い過ぎた…」


謝ってから、顔を伏せているフローレスの前に椅子を持ってきて座る。


「で、どうして俺のところに来たんだ?」


ナイトは理由を尋ねた。

フローレスは1人だった。

専属でついている侍女のサラも警護のゼインとマイクも連れていなかった。

シュウも部屋のドアを閉じてやってきた。

フローレスは混乱しているようで、たどたどしく話し始めた。


「…私、どうしたらいいか、わからなくて…とっさに、ナイトの顔が浮かんだの…そしたら、瞬間移動しちゃって、目の前のドアを開けたら、一番奥にナイトがいて‥‥近くまで行って、ナイトの顔を見たら、言葉より体が先に動いちゃって‥‥」

「‥‥それが蹴りなのか?」


とナイトは苦笑いを浮かべた。

前世の義妹といい、現世の義妹も言葉より体が先に動くタイプだった。

しかも、2人とも、義兄のナイトに対して、結構乱暴だ。

たまに恨まれているのではないかと思うことがある。


「だって、ナイトが悪いんだもん」

「俺が悪い?俺、何かしたか?」


フローレスはコクリと頷いたが、また、顔を伏せてしまった。

身に覚えがないナイトは更に促す。


「どうした?何か、言いにくいことなのか?」


ナイトは心配になった。

今日は義母達がネティアの体の不調を入念に調べる日だった。

何か、大変な病気に妻が侵されてしまっていたのでは?

それが原因でフローレスが怒っているのだろうか?


「‥‥できてたの‥‥」

「え、できてた?‥‥何が?」


ネティアの体に腫瘍か何かが見つかったのか、とナイトの不安が高まった時、突然、厳重に占められていたはずの部屋のドアが開け放たれた。

ナイト達が驚いて、振り返ると、


「でがしたぞ!!!!!ナイト!!!!!」


実父である水の国の王ウォーレスが突進してきた。


「どわああああ!!!一体急になんだよ、親父!!離せ!!」


父の暑苦しい抱擁にナイトが辟易していると、背後から涙を拭いながら、車いすに乗った義母ティティス前女王が入ってきた。

続いて、リリィ、サラ、ゼインとマイクまでもが涙を拭いながら入ってきた。

なぜ泣いているのか?

疑問に思っていると、サラが涙をすすりながら、やってきた。


「おめでとうございます、ナイト様…女王陛下は『ご懐妊』されていました…」


一瞬時が止まったような感覚に襲われた。

聞きなれない言葉だが、知ってはいる。

ナイトはフローレスを振り返る。


「赤ちゃんよ」


泣きそうな顔で、フローレスが答えた。


「赤ちゃん‥‥?え、え、え!!!!!?」


ナイトよりも先に事態を理解したフロントが叫び出す。


「くくくく‥‥・これは…おめでたいですね‥‥・くははははは!!」


シュウも不気味に笑いだす。

しかし、一向にナイトの頭は理解が追い付かない。


『懐妊?‥‥赤ちゃん?‥‥ネティアに?』


ナイトはまだネティアとの初夜を終えてない。

脳裏に前世の悪夢が蘇る。


「浮気された!!!!」


ナイトは絶叫して、気絶した。




***




レイガルは帰り支度をしていた。

魔物討伐のため、軍を率いてきたが、結界が完全修復され、侵攻の可能性は極めて低いという結論に至ったためだ。


「失礼します、レイガル王」


ビンセントが訪ねてきた。


「この度はお喜び申し上げます‥‥」

「ああ、ありがとう‥‥」


女王ネティアの懐妊の知らせは辺境の霧の大地まで届いていた。

戦地に赴いていた兵士達は歓喜に包まれていた。

しかし、軍を率いたビンセントとレイガルの2人は素直に喜べなかった。

ネティアとフローレスの体が入れ替わっている事実はほんの一部の者しか知らなかった。

このまま、ネティアが自分の体に戻らなかければ、フローレスが子供を産むことになってしまう。


「その、ナイト様と女王陛下は大丈夫でしょうか?」


ナイトは突然の吉報(?)を受け入れられず、部屋に籠ってしまっているらしい。

身籠っていた姉の体と入れ替わっているフローレスも混乱の極みにいることだろう。

レイガルは大きなため息を吐く。


「魔物の侵攻の心配はなくなった。まずは2人を落ち着かせて、早々に捜索隊を派遣する。生まれてくる子の為にも、あの子には早く帰ってきてもらわなければ」


ビンセントは大きく頷いた。




***




ランド邸に、王の一族を自負する4人が久々にそろっていた。


「ネティアの奴、懐妊してたらしいな」


ブラッドが口火を切った。


「そのようだな…」


ヘーゼルが応じた。


「だから、ネティアの奴、ナイトに回し蹴りを食らわせたのか…」


ブラッドが納得したように頷くの見て、他の3人は呆れる。

女にだらしがないこの男は、数々の修羅場をくぐっているようだった。


「これで、ナイトを殺して、後釜を据える案は消滅したな」


ヘーゼルは本題に入った。

女王ネティアの懐妊により、ナイトの虹の王の座は確実なものになった。

そして、ジャミル達、王の一族の返り咲きはまた遠のいた。


「ひとまず、ナイトに膝を折り、次の世継ぎ姫と縁談を持ち掛けよう」

「また振出しだな…」


ヘーゼルの話に、ジャミルが力なく呟く。

返り咲きを目論見、王の一族は繰り返し、虹の王家に縁談を持ち掛けては破談になっていた。

女王ネティア、ティティス、ディアナ、3代に続き、失敗していた。

次は成功するのか?

しかし、次の女王の心を射止めなければ、虹の王への返り咲きはあり得ない。

そして、自分たちの中から王の器を持つ男児を選出しなければならなかった。

ジャミルとミゲイルはまだ伴侶を得ていない。

ヘーゼルは結婚しているが、まだ子供はない。

ブラッドは結婚して男児が1人いる。

今のところ、ブラッドの子しか候補はいない。

しかし、父親の性格から察するに、王の器である可能性は低い。

ブラッド以外の3人からため息が漏れる。


「なんだよ、俺の子じゃ不満なのか?一応、俺よりマリーに似て賢くて、かわいいぞ」

「お前にも一応、親心があるんだな」

「あるに決まってるだろう!!」


ヘーゼルの言葉にブラッドが憤慨した。

ヘーゼルとジャミルのため息が重なる。

ブラッドに対し、男として敗北を感じたのだ。


「じゃ、早くお前らこさえろよ!!」

「今、頑張っているところだ…」


ヘーゼルが自信なく呟く。

彼が一番早く結婚したが、子供ができる気配はなかった。

ジャミルに関してはまだ相手を探している状態だ。

男色の彼だが、1人だけ、気になる相手がいた。


「虹の王家に世継ぎ姫が誕生した。見習わないといないな」


ミゲイルがそう言って、立ち上がった。


「いい機会だから、ミューズ家に跡継ぎを作るために、妹ローズに婿を取らせることにした」


ジャミルが固まった。

彼はジャミルの恋人で、結婚しないことを公言していた。

必然的に、ミゲイルの兄妹に家督が渡ることになる。

兄妹は腹違いの妹のローズしかいなかった。


「じゃ、そういこうとで、話を勧めるから」


ミゲイルは3人に笑顔で断言すると、部屋を出て行った。

部屋に沈黙が流れた。


「先手を打たれたな」

「さっさと動かないからだぞ」


ヘーゼルとブラッドに言われ、ジャミルはテーブルに顔を埋めた。




***



レイガルは戦地から単身戻ってきていた。

国王正規軍は、将軍のウィルとロンの2人に任せてきた。

魔物の再侵攻はないとの結論は出たが、まだ魔物達は結界への攻撃をやめていなかった。

虹の王宮に戻ると、グリスとハトオが出迎えに来てくれた。

2人はレイス出身で、国王正規軍にも駆り出されることがあった。


「お帰りなさいませ、国王陛下。戦場はもう大丈夫ですか?」

「魔物はまだ撤退してないが、問題ないだろう」


ハトオがほっと胸を撫で下ろした。


「ビンセント様は、大丈夫でしたか?」

「ピンピンしているぞ。結界の崩壊を目前にして、決死の作戦を立てていたようだが、披露する場が難くてがっかりしていたぞ」

「左様でしたか」


グリスも主の健在を知って、微笑を洩らした。


「それで…こっちの方がはどうだ?」


レイガルが声を潜めて、内情を尋ねた。

グリスとハトオの顔が一瞬強張った。


「ナイト様は、ちょっと、ご乱心気味で、人前には出せない状態です」

「今はフロントがつきっきりで見ています」


フロントがフローレスから離れていると聞いて、レイガルは不安に思った。


「女王には誰がついているのだ?」

「シュウ様です」

「‥‥シュウか…」


信頼できない相手ではないが、フローレスとはあまり相性が良くない。


「ご心配には及びません。ウォーレス王もご一緒にです」

「そうか…」


最も信頼している友人の名前が出て、レイガルは安堵した。

まずは、フローレスを見舞うことにした。

きっと、予期せぬ、姉の体での懐妊で不安に駆られていることだろう。


「お帰りなさい、父上‥‥」


部屋を尋ねると、フローレスがぎこちない表情で、レイガルを出迎えてくれた。

部屋には侍女のサラとシュウ、そして、ウォーレスがいた。


「国王陛下、お帰りなさいませ‥‥」

「お帰りなさいませ…」


シュウとサラもぎこちなくレイガルに挨拶した。


「レイガル!!我々の待望の孫だぞ!!!!‥」


ウォーレスがレイガルに飛びついてきた。

レイガルの顔が引きつる。


「ウォーレス‥‥・なんだ、その恰好は?」

「これか?これは生まれてくる孫に着せる服だ!!かわいいだろう!!?まだ生まれてないから、私が着ている。ほら、おしゃぶりもある!!」


そう言って、ウォーレスはおしゃぶりを口に含んで、フローレスの傍に戻っていく。

フローレスは苦笑いで姉の義父を見つめている。

シュウとサラ、そして、ついてきたグリスとハトオはウォーレスの奇行でかなり引いている。

世界第二の位の大国の王とは思えない姿だ。


「ウォーレス、羽目を外しすぎだ」


友人として、言うべきことは言わなければならない。


「お前は嬉しくないのか?」

「もちろん、嬉しい…が、限度があるだろう?周りをよく見てみろ、皆、引いているぞ」


ウォーレスはおしゃぶりをしゃぶりながら、周りを見る。

フローレス達が微妙な表情をしているのをしばらく見た後、


「着替えてくる‥‥」


と一言残して、別室へ消えた。

フローレス達から大きなため息が漏れた。


「大変だったな、フローレス…大丈夫か?」

「はい」


フローレスが気丈に答えた後、顔を曇らせた。


「私は大丈夫だけど、母上とナイトが…」

「ティティスも?どうかしたのか?」


ナイトの話は聞いていたが、まさが、妻のティティスまで籠っているとは聞いていなかった。

レイガルは妻の元へ向かった。


「ネティア、ごめんなさい!!!気付いてあげられなくて!!気付いてたら、結界を2つも継承させたりしなかったのに!!!しんどかったでしょう!!!」


と懺悔しながら号泣していた。

ラナ、リリィ、ヘレンがついてたが困惑気味だ。


「ティティス‥‥」


気丈なはずの妻の弱い姿にレイガルは思わず駆け寄った。


「レイガル!!ネティアのお腹の中に赤んちゃんがいたの!?わたくし、それに気づけなかったの!!なんて、ひどい母親なの!!?」

「落ち着け、ネティア自身も気付いていなかったんだ。君が気付かけなくてもしかたないだろう?」

「わかるわけないでしょう!あの子にとって初めての妊娠なのよ!!わたくしが気付いてあげなきゃいけけなかったのに!!思い起こせば、ネティアの体の不調はすべて妊娠の兆候だったのよ!!」

「わかった、わかったから‥‥」


レイガルは号泣する妻の体をさすって、なんとか落ち着かせる。


「早くネティアにこのことを知らせてやらないとな」

「…ええ‥‥そうね‥‥そうだわ…ネティアに教えてあげないと‥‥・」


ラナ、リリィ、ヘレンにティティスを任せると、レイガルはナイトの元へ向かった。


「レイガル様…」


疲れ切ったフロントが出てきた。

こちらもかなりひどい状態のようだ。

フロント一人では手に負えなかったようで、中にゼイン、マイク、ニルスが応援で来ているようだ。

中からナイトの声する。


「浮気相手は誰だ!!ゼイン、お前か!?」

「違います!!」

「なら、マイクか!?」

「あり得ませんよ!!」

「なら、ニルスか!?」

「絶対ないです!!」

「じゃ、アインか?カインか!?」


子供の父親の疑惑をかけられて3人は辟易しているようだ。

結婚式後、まだ初夜を終えてないのに、ネティアの妊娠が発覚し、ナイトは疑心暗鬼に駆られている。

疑惑の矛先は女王の親衛隊に向けられているようだ。

レイガルは中に入った。


「何を騒いでいる、ナイト」

「…義父上…」


部屋に引きこもっていたナイトはげっそりとしていて、血走った眼をレイガル向けてきた。


「お前の子で間違いないだろう?」

「そんなはずはありません!!だって、俺とネティアはまだ正式に初夜を終えてません!!それなのに妊娠してるなんて…」


ナイトは完全否定して、頭を抱える。


「覚えがないわけではないだろう?」

「…そうですが…でも、1回だけです!!それ以外は触れてません!!」

「認められないようだな」

「認められるわけないじゃないですか!!」


ナイトが叫んだ。

レイガルは大きなため息を吐いて、後ろに控えていたフロントに



「フロント、ナイトを燃やして灰にしろ!!」



命令した。

ゼイン、マイク、ニルスが硬直した。

フロントも一瞬固まったが、レイガルの意図をすぐにくみ取った。

強力な火炎魔法を掌に集結させ。ナイトに近づいていく。

王命の前に成す術もなく、ゼイン達は動けずにいる。



「‥‥え?…兄ちゃん‥‥マジで!!?」

「ナイト様、お許しを!!」


そう言って、フロントは火の玉をナイトに思いっきり放った。



「うわあああああ!!!」


ナイトは目を瞑った。

しかし、火の玉がナイトに直撃する瞬間、消滅した。


「‥‥‥消えた…?」


ゼインたちがほっとしたように崩れた。

ナイトが目を開け、自分の体を見る。


「思い出したか?」


レイガルは問いかけた。

虹の女王の夫になった者は、女王の力によって守られる。


「これでも白を切る気か?ネティアは浮気なんかしてないぞ。お前は、ネティアの力に守られた。間違いなくお前の子だ」


レイガルがそう告げると、ナイトはようやく正気を取り戻した。
























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