表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虹の花婿  作者: ドライフラワー
第2章 明暗
103/134

それぞれの夢

マリアが去ってからだいぶたったが、フローレスは動けずにいた。

フロントがマリアと浮気した。

その事実に、心の整理が追い付かない。

フロントはマリアを返した後、フローレスに背を向けたままだった。

いつもなら、笑顔でうるさいくらい近づいてくるのに。

沈黙している背中を見ていると、胸が苦しかった。

その静寂の中、動いたのは双子の姉のネティアだった。


「ナイト様、昨夜、何があったのですか?」


ナイトは疲れ切った顔で、ネティアとフローレスに頭を下げた。


「すまない、俺がついていながら、こんなことになってしまって・・・・」


ナイトは昨夜のことを話し始めた。

プロポーズを断られたフロントがフラれたと勘違いして泥酔。

連れ帰ろうとしたところに、マリアが現れて、フロントがついていってしまった。

ナイト、ライガ、レッド、ブルーは連れ帰ろうと奮闘したが、フロントは出てて来なかった。

マリア自宅、宰相邸を破壊した罪で、ライガ、レッド、ブルーが逮捕されてしまったというのが、大まかな話だ。

ライガ達には気の毒なことだ。


「あ、いたいたい」


明るい声が天井裏か聞こえてきた。


「こんなところで、辛気臭い話してたんすか?」

「ライガ、お前、釈放されたのか?」

「カリウス様が減刑してくれたっす。まあ、フロントのせいでこんな目にあったんすけど」


フロントに対し、ライガは珍しく憎い口を叩いた。


「ああ、すまない・・・・」

「それにしても、お前も馬鹿だな。『子供1000人産む』って、マリア様に言われたからってついていちゃうなんて」


イエローはこの場を和ませようと、フロントのどうしようもない浮気理由を笑いながら暴露した。


「「「「子供1000人?」」」」


この話を知らないフローレス、ライガ、ネティア、サラの4人が反応した。


「何、お前、そんなんでついていったのか?」

「泥酔してたんだ・・・・」


呆れるライガにフロントは恥ずかしそうに釈明する。


「そんなに子供産めるわけないじゃない」

「まあ、そうなんですけど・・・・」


怒りながらフローレスが言葉を発すると、フロントは委縮した。


「気持ちだ。相手を思う気持ちの大きさだ」


ナイトが慌ててフォローしてきた。

ところが、


「産めます!!」


突然、ネティアが力強く断言してきた。


「産めるわよ!フローレス!!」

「え、ネティア、ちょっと、何言ってるの?」


双子の姉の気迫にフローレスは押され気味になる。


「マリアが1000人なら、あなたは10000人産めるわ!」

「え!?」

「さあ、フロントに言うのよ!!あなたの気持ちがマリアより上であることを示すのよ!」

「ちょっと、それで解決する問題!?」

「解決するわ!!」


断言する姉にフローレスはたじたじになりながら、義兄に視線で助けを求める。


「まあ、気持ちだから・・・」


ナイトも解決するとは思っていないようだが、熱くなってしまった妻に合わせてほしそうだ。

フロントも何か言ってほしそうな気配だ。

しかし、現実主義者のフローレスは、反発する。




「そんなことで解決するわけないじゃない!10000人そんなこと言えるわけないでしょう!!こいつ、浮気したのよ!!1人だって産みたくないわよ!!」




フローレスの言葉は雷のように響いた。

その場は氷河のように凍り付いてしまった。


「・・・・・1人も・・・・すいません・・!!!・」


ショックを受けたフロントは耐えきれずに部屋を飛び出して行ってしまった。


「フロント!!フローレス、どうして!?」

「どうしてって!?いえるわけないでしょう!非現実的な人数!恥ずかしくて言えないわよ!」

「言えるわよ、あなたがフロントを思っているなら」

「じゃ、ネティアは言えるの?」

「え?」

「ナイトのこと前世から好きなんでしょう?だったら10000人産むって、言えるでしょう?」


フローレスからの逆質問を受けて、ネティアは言葉に詰まっていた。

ナイトは少し期待しているような視線を妻に送っている。

しかし、当事者になった途端、


「わ、わたくしは、1人しか産めませんから!!!!」


ネティアは現実的な数字を叫びながら、フロント同様部屋の外に逃げて行った。

侍女のサラが慌てて追いかける。


「現実的な人数ですね。まあ、虹の女王は1人しか子供産めないっすからね」

「何よ、自分事になったら現実に戻るんだから。気持ちの大きさだったら、現実なんて関係ないじゃない」

「あの・・・」


ライガとフローレスが逃亡したネティアを批判していると、イエローが控えめに肩を叩いてきた。

見ると、ナイトが膝をついて、うつむいていた。

愛する妻の回答に、大ダメージを受けたようだ。

現実主義者だと思われていた義兄だが、いざ当事者になると、



「ネティア・・・・・・・なぜだ・・・・・・・なぜ・・・・・・・・・・・・『子供100万人と産める』って、言ってくれないんだ!!!!」



義兄の姉に対する思いの強さに、フローレス達は敬服した。


「スケールでけぇ・・・100万人て、10000倍じゃないっすか、上には上がいたっすね」

「血がつながってなくても、兄弟って似るのね」

「持ち出しといてなんですが、あのこの話はもう終わりにしません?」


批評家2人に発言者が進言してこの話は終わった。




***




フローレス姫の怒りを買ったフロントは姿を眩ませた。

ショックが大きすぎて、亜空間に逃げ込んでいたのだ。


『100人が0人になってしまった・・・・』


子供100人作りたいほど好きだ、という気持ちだったのだが、浮気してしまったせいで、産みたくない、とフローレス姫に回答されてしまった。


『自業自得か・・・・』


フロントは何もする気が起きず、ただ亜空間を漂っていた。

数日たったある日、亜空間に衝撃が走った。


「あ、いたいた。こんなところでいじけてたのか」


亜空間に穴を開けて入ってきたのはライガだった。


「何か用か?」

「当り前だろう、用がなければ誰が亜空間なんかにくるかよ。レイガル様がお呼びだ」

「レイガル様が?」


フロントは弾かれたように顔を上げる。


「稽古のお誘いだ。体がなまってるから相手をしろだってよ。竜の森に来いだって。お前、腑抜けてたらマジで死ぬからな」


ライガは用件だけ伝えて、さっさと帰っていった。

1人残されたフロントは大きなため息を吐いた。

レイガル王とはフローレス姫に浮気がバレてから一度も顔を合わせていない。

合わせられるわけがない。

レイガル王はフロントにとってただの主ではない。

フローレス姫の父親で、闇の流民の母を幼くして亡くしたフロントの後見人になってくれた大恩人だ。

その恩に報うため、一生懸命生きてきたつもりだが、いつも、それが裏目にでてしまう。

大失態は2度目だ。

1度目は養子としてレイス家に入った時、嫡子との確執で嫡子を殺めるというとんでもない事件を起こしてしまった。

2度目はフローレス姫との結婚を焦ったがために、プロポーズを断られただけで、フラれた、と勘違いしてしまい、浮気してしまった。

今度こそ、レイガル王に見限られるかもしれない。


『殴られても仕方ないかもな・・・・』


フロントは諦めの微笑を零すと、呼び出しを受けた竜の森へ向かう決心を固めた。

竜の森はレイガル王が稽古場として最も多く使用する場所だった。

人並外れたレイガル王は、人では物足りず、大半の稽古を竜としている。

しかし、たまに、人間を稽古に呼ぶのだ。

一応人間だから。

レイガル王の相手ができる人間は今のところ4人。

王の両腕、正規軍の将軍、ロンとウィル、そして、フロントとライガだ。

1人だけ呼び出されるのは珍しい。

いつもは2人以上で呼び出される。

1人だけの時もあるが、そういう時はたいてい何か話がある時だ。

話というならば、やはりフローレス姫のことしかない。

重い腰を上げる。

移動にはそのまま亜空間を使い、直接竜の森にやってきた。

実世界を歩くと、注目の的になっていしまうからだ。

それにフローレス姫に会わないためだ。


「来たか・・・」


低い声が背後から聞こえた。

振り返ると、レイガル王が岩に腰掛けて待っていた。

すでに準備運動は終えているのか、体からは湯気が上がっていた。

立ち上がると腕を回しながらこちらに近づいて来る。

フロントは反射的に身構える。

額を冷や汗が流れる。

レイガル王の稽古とは気を抜くと本当に命を落としかけないほど、危険なものだった。


「今日は素手で行く。好きな得物を使っていいぞ」


強力な物理防御とスピードアップの魔法を体にかけた。

フロントも体術で応じることにした。

とても危険な相手だとわかってるが、気分がそうさせた。


「ほう、お前も素手か」


レイガル王は面白そうに笑い、すぐに消した。


『来る!』


目の前にレイガル王がいた、強力な右ストレートをフロントはかわし、すぐに後ろを振り返る。

通り抜けたレイガル王はもう回転していて、次打を繰り出してきた。

猛スピードで繰り出される拳をフロントはできるだけ避ける。

ガードしたとしても、レイガル王の攻撃は普通にダメージを受ける。

受け続ければ、あっという間に体力が尽きてしまう。

しかし、避け続けるのも困難、レイガル王の攻撃は留まるところを知らない。

ついに、ガードに入った。

重過ぎる一撃に、物理防御の魔法が解けてしまった。

フロントは次打を後方に飛んで逃げた。

着地した場所は崖の斜面、そこで反転、追ってきたレイガル王に向かって突っ込む。

ぶつかる直前までの間、でできる限りの雷撃を腕力に込めた。

レイガル王の拳より速く、フロントはその右脇を掠めて通過した。

両者相当くない場所に降り立ち、向き合う。

フロントは油断なく構える。


「やるではないか」


レイガル王はフロントに笑いかけて、近くの岩に腰を下ろした。


「稽古はここまでにしよう。今日はお前と話したくてな」


予想通りの展開にフロントの戦闘の緊張は取れたが、別の緊張が張り巡らされた。


「フローレス様のことですか?」

「そうだ」


レイガル王は気軽に答えてフロントの方に歩み寄ってきた。

ぶん殴られると、思ったが、


「フロント、私はお前がマリアと一緒になるのに賛成だ」

「え?」


意外な言葉にフロントは唖然となった。

レイガル王はフロントの肩に手を置いて、詫びるような口調で話し始めた。


「母を亡くした幼いお前に、私は何もしてやれなかったな。周囲に誤解を生まないように、ウォーレスや料理長に預けたり、レイス家の養子にも出した。レイス家では苦労しただろう?」

「・・・・・・・・・・・・」


フロントは言葉に詰まった。

事件の苦い思い出が蘇る。


「貴族どもの怒りを鎮めるために、お前を王都から追放し、忍び衆に断腸の想いで委ねた。助けてやれなくて本当にすまなかった」

「そんな、魔期で魔物の討伐に出ていていらしたんですから。私の方こそ申し訳ありませんでした。私が我慢して耐えていれば、レイス家の人間としてレイガル様にお仕えできたのに」

「フロント、お前は本当に我慢できたのか?」


フロントは言葉に詰まった。


「その場にフローレスがいたとこは知っている。我慢できない仕打ちを受けたから、ジェラードを殺めてしまったのではないか?」

「それは・・・」

「もう聞くまい、お前はよく耐えた。だが、心優しいお前のことだ、いまだに責任をかんじているのだろう」

「責任?」

「フローレスのことはもう案じるな。あれは強い子だ。お前がいなくてももう大丈夫だ」

「どういうことですか?」

「フローレスを正式に騎士として認めようと思う。親衛隊の隊長に任命しても申し分ない。さすが、我が娘だ」

「フローレス様を親衛隊の隊長に」

「お前はフローレスの為にずっと無理をしているように見えた。だから、お前は、お前の道を行っていいんだ」

「私は無理などしてません」

「無理するな。私はお前を実の息子のように思っている。だから、お前にも本当の幸せを掴んでほしいのだ」


レイガル王の懺悔を受け、フロントは困惑してしまった。

フローレス姫への想いが偽りではないことを伝えようとしたが、浮気した後では説得力がなかった。




***




フローレスは親衛隊の訓練に熱心に参加していた。

フロントの浮気事件があっても、1日も休まず変わらず熱心に参加していた。

なぜなら、親衛隊の隊長になるという目標があるからだ。

親衛隊長になれば、女王である姉ネティアとその夫のナイトの力になれる。

そして、恋人フロントと同僚として肩を並べられる。

フロントのことを考えると、やはり気が重くなる。


王宮を歩くと、フローレスがフロントをふり、マリアに乗り換えたと噂になっていた。

フローレスはフロントをふっていない。

プロポーズを断ったせいでフロントが勘違いして、浮気に走ったのが真実だ。

しかし、真実はいつも消えていく。

広まってしまった偽り事実が真実になるのだ。


『自業自得ね・・・』


フローレスは秘密に基地に1人やってきて、マリアに言われた言葉を思い出していた。



『傲慢ですわ、言わなくてもわかるなんて』

『結局、あなたは自分のことしか考えてなかった』



わかってくれていると、思っていた。

だから、翌日、驚かせようと思って、化粧をしてフロントの前に顔を出した。

馬鹿なことをした。

プロポーズをされて浮かれてた。

でも、自分の夢を手放せなくて、恋人を後回しにした。

昔の自分なら速攻でOKしたのに。

幼かったフローレスはフロントに彼と同年代が近づくといつも焼きもちを焼いていた。

だから、待っててね。絶対美人になるからと、ブカブカのドレスを着てフロントに迫ったことを思い出す。

フロントは世継ぎ姫だったネティアの結婚と女王即位を見届けてから最速で約束を守ってくれたのに、自分の想いは変わってしまったようだ。

騎士とフロント、どちらか1つしか選べないとしたら・・・


「あ、いたいたい、フローレス様みっけ」


ライガが秘密基地にやってきた。

心配して様子を見に来たようだ。


「王宮中、フロントがフローレス様にふられて、マリア様に乗り換えた話でいっぱいっすね」

「そうね・・・」

「マリア様とカリウス様達が言いふらしてるみたいす。なんか手を打ちましょうか?」

「・・・・・いいわ・・・」

「フロントのこと諦めるんすか?」


ライガが驚いて聞いてきた。


「うん、私、いつかこうなるんじゃないかって実は思ってたのかもしれない」

「どうしてっすか?」

「私が騎士になるのをフロントは快く思ってないでしょう。でも私、フロントがいなくなった時、誓ったの。私、強くなるって。だから、騎士になろうって。もし、あのままフロントが帰ってこなかったとしても」

「それはつまり、フロントより騎士になることを取るってことっすか?」

「うん、今気づいた。私の夢、あの時から変わってたみたい」


フローレスはライガに微笑んでから、秘密基地全体を見回した。

フローレスが見つけた不思議な場所。

剣の稽古場にして、大切な人しか呼ばなかったフローレスの大切な場所。


「もうここへは来ないわ。だって、練習する場所も仲間もいるもの」

「そうっすか、残念すね。いい場所だったのに・・・」


最後にこの空間を作り出している小さな祠に、今までありがとう、と言葉をかけてフローレスはライガと共に秘密基地を後にした。

来訪者が去った後、祠はその入り口を静かに閉ざした。




***




フロントが久々にでてきたので、ティティス元女王が緊急の虹の王家の家族会議を開いた。

ティティス元女王、レイガル王、フロント、フローレス、ネティア、ナイト、そして、宰相のカリウスも呼ばれた。


「フロント、マリアとのことは認めるのね?」

「はい、申し訳ありません・・・」


ティティス元女王の尋問は、フロントの浮気の事実確認から始まった。


「フローレス、フロントのプロポーズを断ったのは本当なの?」

「本当よ。だって、私、騎士になって、親衛隊の隊長になるのよ。結婚したらできないじゃない」


フローレスは事も無げにプロポーズを断った理由を告げた。


「まだそんな夢物語を言ってるの!!」


ティティス元女王は一喝したが、


「いや、夢物語じゃないぞ」


とレイガル王が言葉を挟んだ。


「どいうこと?」

「私はフローレスを正式な騎士として認め、親衛隊の隊長に任命するつもりだ」

「なんですって!」


父王の意外な助け舟にフローレスは目を見開いている。


「結婚は後でもできるだろう?だが、親衛隊の隊長になるチャンスは今だけだ」

「結婚を後回しにしたら、フロントが浮気しても仕方がないじゃない!」

「浮気で終わる仲なら、それまでだろう」


いつも言いなりの夫の思わぬ反撃にティティス元女王は閉口してしまった。

ここから尋問者がレイガル王に代わった。


「フローレス、フロントのことはまだ好きなのか?」

「はい。でも、私、騎士になって、ネティアとナイトの力になりたいの。フロントがそれが嫌なら、私、婚約解消してもいいと思ってる」


ド直球なフローレスの言葉に一同言葉を失う。


「フロント、フローレスが騎士になるは嫌か?」

「いいえ、応援しています」


フロントはそう答えるしかなかった。

家族会議は、とりあえず、フローレスとフロントの婚約解消については保留ということになった。


「フロント、我が家へ来てくれないか?マリアが君に会いたがっている」


虹の王家の家族会議後、フロントは同席していたカリウスに捕まった。

その際、フローレス姫と目があったが、何も言葉はなかった。

マリアの元へ行くと、約束していたが行っていなかった。

マリアの想いにも報いなければならない。

フローレス姫への未練はあるが、カリウス邸に行くことにした。

馬車から降りると、門扉がすぐに開いて、マリアが一目散にフロントの方へ駆けてきた。


「フロント様、お帰りなさい!!」


抱き着かれ、飛びきりの笑顔でマリアは迎えてくれた。

冷え切っていたフロントの心と体に、その温かさが染みる。


子供の頃の一光景が蘇る。

一番幸せだった、ナイト達と一緒に住んでいたころの記憶。

父ウォーレスが仕事から帰ってくると、母ミズホは抱擁で迎えていた。

フロントとナイトも帰ってきた父に抱き着いて、仕事の話を聞きたくてせがんだ。

どこにでもある普通の家族の光景だが、フロントが思い描く理想の家族像だった。


「フロント様、お疲れのようですね・・・」


マリアの手がフロントの頬から涙を拭いた。

気付かないうちに零れていたようだ。

カリウスの手がフロントの背中に回された。


「いろいろあって疲れただろう?我が家だと思って、ゆっくり寛いぎなさい」

「・・・・・・お言葉に甘えさせていただきます・・・・」


フロントは絞り出すようにそれだけ答えた。

それから、フロントはほぼカリウス邸に住むようにった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ