表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/41

レベルアップしました

犬耳だ。犬耳だよねこれ。

あっやっべ、顔見えた。

凄い可愛い。

青い目に薄い唇。顔のパーツのどれもが完ぺきに整っている。

背は俺より小さいくらいか。

オリアンも美人さんだったがベクトルが違う。

あっちは美しい。こっちは可愛い。


さて、と。

絶対助けるぞぉ!!

意気揚々と意気込む俺はポケットに手を突っ込み"大収納"からゴブリンから奪った《頂いた》棍棒を取り出した。


ガタイの良い男達――以降はガタイ共と呼ぼう――はナイフを持っているものや指をコキコキと鳴らしているものもいる。

棍棒くらい多めに見てくれるだろう。

寧ろナイフを出さないのが温情だと思ってくれればな。


「バラしちまえええええええええええええ!!!」

ガタイ共の中の誰かは分からなかったがその一声でガタイ共は襲い掛かってきた。


結論から言うと、余裕でした。

俺は人間状態でも身体能力はずば抜けてるようになっているみたいで、ガタイ共を圧倒した。

と言うか神様ありがとう

不意打ちからの攻撃もあったが"直感"のおかげですぐに対処することができた。

ガタイ共はほぼ気絶。

一部は意識はあるみたいだが起きてくることは出来ないだろう。

それぐらい痛めつけておいたんだが、これがナイフだったら1人は死んでいてもおかしくないだろう。

棍棒にしておいて良かった。

とりあえずガタイ共はポイポイと放り投げ、一つの山を築いて、出来上がった筋肉の山。

むさ苦しいねぇ!!


しかしこんだけ騒ぎを起こしてたら人も集まるもので。

建物の陰からこちらをチラチラと覗いている者もいる。

そして極めつけは遠くからの

「乱闘をしているのはどこだクズ共が!」

との声が聞こえた。


アカン。警察的な何かが来そう。

焦った俺はぽかんと口を開けこちらを見ている犬耳少女に

「ちょーっと目を瞑っててくれない?」

と頼んだ。

「え、うん。」

まだ目の前の惨状を理解しきれていないのかつたない返事だがとりあえず目を閉じた。


そして俺は唱えた

「目暗ませ、光源ライト!!」

先程よりも強い光の魔法を放っておいた。

勿論覗き魔は目を潰された。

自業自得だよね、恨むなら自分の不運を恨んでね!


さて、俺はここで"変態"を発動する。

このタイミングで変身するのは狼だ。

それも人1人乗せれるほどの体躯を持った狼に。


変身が終了したその瞬間、頭に何かが響いた

――ユニークスキル"変態"がレベルアップしました。これにより、"変態"状態での言語の発声が可能となりました。

何だこの声。

神様の声質に似ているかと思ったけどこちらはなんだか無機質だ。


しかし聞き逃せないことがあった。

まずレベルアップ。

もしかしなくてもスキルはレベルアップするみたいだ。

もしかして敵を倒す度なのかもしれないし、はたまた使用回数かもしれない。

これはまた考えておくとしよう。


そしてもう1つ。

「あ、あー。」

うぉ、本当に喋れた。

犬の体でも鷲の体でも、人間に近いゴリラの体でも言葉は発せられなかった。

これがレベルアップして得た"変態"の更なる力なのか。

いやぁ、良かった良かった。


犬耳少女だが今度はいきなり狼に変身した俺を目を白黒させながら凝視していた。

とりあえずは逃げておこう。

「おい、俺の背中にさっさと乗って。」

人間時と変わらない俺の声音にどこかホッとした表情の犬耳少女は、俺の指示に従って俺の背中にまたがる


背中にかかる犬耳少女の重量。

うむ。

うむ。

これは いいもの だ。


おっと、浸っている場合じゃないな。

「しっかりつかまってろよ!」

大声で俺が言うと犬耳少女は俺の胴体に手を回す。


おっほー


いかんいかん

感触はあとで楽しめ俺!!


俺は土で出来た壁をピョンピョンと駆けあがり屋根に上った

そしてそのまま背中の犬耳少女を気遣いながらも出来るだけ速いスピードでスラム街の屋根を駆けた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ