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やりすぎた。

「ナ、ナんダァ!?人間がでっかくなりやがったァ!」

「いや弟よォ!こいつ人間じゃネェよ!」

俺の突然の変化に驚いたゴブリン共は驚きのあまりたじろぐ。


そう、俺が変態したのは森の賢者とも呼ばれるゴリラだ。

目線は高くなったが違和感は全く感じられない。

もしかしてこれも"変態"のおかげなのだろうか



そしてゴブリン共はと言うと

「兄ィ!こいツどウせハッタリだ!やっちまおうぜぇ!!」

「おうトモさぁ弟ぉ!小癪ナ人間が俺たチに勝てると思ウなぁ!」


俺の姿が見た目だけだと思ったのか、跳躍し襲い掛かってきた。

いや、跳ぶなよ。跳んだら避けられないだろう。

だがこっちとしては格好の的で絶好のチャンスだ。


俺は瞬時に右腕を引き絞り思いっきりゴブリン共に叩き込んだ。

ゴリラの拳は2体のゴブリンを同時に捕え、勢いのまま近くの木に叩き込んだ。

瞬間、ゴブリンの頭部がひしゃげ、衝撃に耐えられなかった木はミシミシと大きな音を立てゆっくりと倒れた。


「……やりすぎた。」

俺は地面に横たわる2つのゴブリンの死体を見ながら人に戻る。

まさかゴリラの拳がここまでだとは。

聞いた話によるとゴリラは強化ガラスにひびを入れるほどの力の持ち主。

それに加えてトーヤの能力上昇も加わった。

計測こそ出来ないがその力は重機並なのかもしれない。


「まぁ挑んできた君らが悪いんだ。安らかに寝てな。」

あくまで正当防衛だ。

神様も許してくれるだろう。

ついでにゴブリンの装備も頂いておこう。

棍棒もナイフも使い道はある。特にナイフは料理にも使えるだろう。


そう言えば、大収納スキルはどうなったんだ?

ふと頭に、もしかして、ポケットと連動している?

と浮かんだ。


その直感に従い俺はポケットに棍棒を入れてみた

するとどうだ。

ポケットに棍棒がずぶずぶと入っていく。

棍棒全体を入れてもポケットは見た目変わりない。

ついでにナイフを入れてみても簡単には言ってしまった。


「マジスカ。」

思わず口にしてしまったが、何でこんな便利な能力だったのか、大収納。

ありがとう神様。


「おい!そこに誰かいるのか!!」

俺が大収納にありがたみを覚えていると凛とした声が聞こえた。

ゲッこの声、どこかで聞いたことがあると思えばまさか!


そのまさかだった。

俺のもとに現れたのは赤髪の女騎士だ。

俺がミニチュアダックスフンドの時恥部を見やがったあの女騎士!


「突然森の木が倒れたから見に来たら……貴様何者だ?その後ろのゴブリンは貴様がやったのか?」

宝石のルビーのような綺麗な赤髪をずいずいと近づいてくる女騎士。

近い近い。あ、でもいい匂いする。


「え、えぇそうです。襲われたんで思わずやり返しちゃいました。駄目でしたか?」

「いや?別に駄目ではない。」


女騎士は薄く笑い一歩離れる。


「ところで貴様は名は何だ?見たことのない服装をしているが。」

あっやっぱりこの服はこの世界じゃ珍しいか。

着替えなきゃいけないかな


「俺の名前はトーヤと言います。えーっと旅人、そう旅人です!で、そちらは?」

「旅人のトーヤか。私の名前はオリアンだ。」


赤髪の女騎士オリアン。

うーん、美人だ。何というか西洋的な顔立ちだ。

日本人のそれじゃない。


「おぉ、そうだトーヤ。少し聞きたいことがあるのだが。」

「はぁ、何でしょう?」


聞きたいことと言われても俺はこの世界については初心者だから聞かれても無意味だと思うんだが。


「ここらへんで地魔法を使う茶色い毛並みをした胴体の長い小さな犬を知らないか?」

ブッフォッッッ!!!

俺は心の中で噴出した


それ俺じゃん。

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