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"変態"で倒してやる

森に逃げ込んだはいいが、うーむ。

人間に戻れないのか?

「ワゥン」

思わずため息がこぼれた。

なんだよ、ワゥンて。


しかしミニチュアダックスフンドを思い浮かべてこの姿になったんだ。

もしかして人間を思い浮かべると……?

その仮説を信じ今すぐ俺は実行し俺の姿を思い浮かべる


あれ、俺の顔どんなのだっけ?


そう思ったのもつかの間、犬の体がぐにゃぐにゃとまるでスライムのように蠢き、形が崩れ人の形となった。

うわ、きもっ!我ながらきもっ!


自分のスキルに恐怖しながらも人間の身体に"変態"は完了した。

まぁ多分元の俺の体だろう。

何となくだがそんな感じがする。


もしかして変なこともあるかもしれないからあれを使ってみよう

"状態確認"

俺が思い浮かべると頭の中に文字が流れ込んできた


トーヤ

性別:男

年齢:18

種族:人族

魔力:50

魔法属性:火・水・風・地・闇・光

ユニークスキル:変態

スキル:大収納 料理 疲労軽減 状態確認 言語変換 直感 創作


あれ、こんなものなのか。情報量少ないな……?

他の人のステータスを見たことないから何とも言えないがこれは普通なのか。


もしかして、ミニチュアダックスフンドの姿であんなに全力で走ったのに全然疲れてないのは"疲労軽減"のおかげなのか。

うん、これは便利だな。

自画自賛になるが、いいスキルを選んだものだ。


そう言えば気づいたことがある。

今の俺、服を着ているのだ。

前世で死んだとき制服を着ていた。

そして今もその服を着ているのだ。


"変態"ってまさか、俺が変態した時の姿形を記録保存しているのか?

だから俺のこの服も犬になった時に脱げたりせずに人の姿に戻った時に着ているのだろう。


ふむ、そういう事なら本当に便利かもしれないな、"変態"。

ネーミング以外は有能だ


俺が一人思案しながらうんうん頷いていると

「ゲヒャヒャヒャ!オイ見ろよ兄ィ!人間ダ!人間がいルぞォ!」

「ギヒヒ!弟ヨ!よくゾ見つけた!今日ハ人肉パーティーダ!」


背後から耳障りでやかましい笑い声が聞こえた。

苛立ちを覚えながら振り返るとそこには

土色の肌とギョロリとした眼。尖った耳。裂けそうなほど開かれた口。

小さな体に鍛え抜かれた筋肉。

見るからにゴブリンだ。


片方は手にナイフ

もう片方は棍棒を装備している


ゲェ、マジかよ。本当にファンタジーな存在がいるのかよ。

と言うか食うつもりかよコイツ等!


ん?待て、俺ビビってないのか?

明らかに殺されるようなセリフを言われているのに俺はとても落ち着いている。

今もこうして考えてられるほどだ。

神様とやらが恐怖耐性でもくれたのかね。


よし、とりあえず話をしてみようか。

ゴブリンと言えども喋るほどの知識は持っている。

対話してみるのもいいかもしれない。

頭の悪そうな話しかできないと思うけど。


「やぁ、ゴブリンさん。俺は通りすがりの旅人なんだが見逃してもらえないですかねぇ?」

俺の挨拶にゴブリン兄弟はきょとんとした顔になり、お互いに顔を見合わせる。

次第にその顔は先ほどと同じ下卑た笑顔となる


「ゲヒャハハハハハ!兄ィ!コいつ馬鹿だゼぇ!?」

「だな弟よォ!人間ごとキが見逃されるわキャねーだろ!」


交渉失敗ですか。いや、分ってましたよ分かってました。

だって見るからに頭悪いもん!

2体のゴブリンはじりじりと俺に迫ってくる


やるしかないのか。

俺の異世界転生初めての戦闘は2体のゴブリン

多分普通に闘っても勝てるのかもしれないがここは!

"変態"で倒してやる!


俺はある動物を思い浮かべ"変態"を起動させる。

「ゲヒ!?」

「何だぁ!?」

ゴブリン共は俺の体がいきなり不定形になったのか驚嘆の声を上げる

そんな声など関係なしに俺の体はある動物の体へと変化した


黒の体毛に灰色の肌。

人間に近い体の構造をした非常に力の強い動物


「ウホウホオオオオオオオオオオオオオオオウ!!!!」

そう、ゴリラへと"変態"を遂げたのだ。

どうもこんにちは、銀です。

さて、ここでユニークスキル"変態"についてご説明をナンバリングで

①トーヤが見てきた動物に変身することができる(トーヤの能力に付き変身動物も強化される)

②他の人間には変化することができない(元の姿のみ)

③動物と対話が可能(相手に話す意思がある場合)

④変態した場合でも魔法を使用することは可能。

⑤???(真骨頂)

⑥???(真骨頂)

⑦???(真骨頂)


今のところはこんな感じです。

真骨頂はトーヤが成長・理解を深めると使用することになるでしょう。

何となく察する人もいるでしょうけど。

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