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曰くつき疑い

「さぁ着いたよ!ここが私の経営する宿屋!」

エプロン女について行ったのはいいんだが目の前の建物。

何の変哲もない見た目立派な宿屋に見えるんだが、雰囲気がおかしい

表現しにくいが闇のオーラ的なものをひしひしと感じる。

いや、低価格で泊まらせてもらうんだから文句は行っちゃあ駄目だよな。

中はというとロビーは外見と相まって高級ホテルと言われても不思議じゃないくらい綺麗で広かった。


ただ人が全くいない。

俺たち3人と1匹しかいないことでロビーの寂しさを際立たせる。

「あの、俺たち以外の客って」

「うん、いないよ!ははは!」

彼女の笑い声も空元気に見える。

もしかしなくても何かあったんだろうな、いわくつきの宿だったりするのか。


エプロン女はフロントのような場所から鍵を取り出し、俺に手渡す。

「はい、これ貴方たちの部屋の鍵ね!あ、名前教えて!私ソルシエ!」

というかこのエプロン女もといソルシエはぐいぐい来るなぁ

ある意味宿屋の女将向きなのかもしれないな。

結構美人だし彼女目当てで宿泊客が来てもおかしく無いと思うんだが。


さっさと名前を伝えて部屋に向かった。

「あ、料理は出来たら呼ぶからねー!」

ソルシエの声に手を振って了解と答えておいた


宿泊部屋はこれまた綺麗で埃が全く無く、掃除がよく行き届いていた。

「ねぇトーヤ、もしかしてこの宿ってソルシエ以外従業員いない?」

「やっぱりそうだよな。」

ルナの言った通り先程からソルシエ以外の従業員を見ていない。

こんな広い宿を、1人で経営しているというのか。

しかも掃除を見事にこなして……これ逆に俺たち以外に客いなくてよかったんじゃないのか?


ふとルナを見るとルナがどこか一点をジッと凝視していた。


「ルナ?何を見ているんだ?」

「ん?私何か見てた?」

「虚空をじっと見ていたんだが?」

「……自覚ない。」


え、何それ怖いんですけど。

確かこんな事前世でも見たことあるような。

そうそう、確か隣の家に頼まれてミニチュアダックスフンドを散歩に連れて言ったあの日だ。

そのミニチュアダックスフンド、元気に走り回っていたのに公園に差し掛かった時足を止めていたかと思うと公園の砂場辺りをじっと見ていた。

ふとそのことが気になり母に聞いてみたらあの公園近くの道路で6歳くらいの男の子が事故で無くなっていてその子は砂場でよく遊んでいたとのこと。

もしかしてミニチュアダックスフンドは幽霊となって砂場で遊んでいる男の子を見ていたのではないか。


そしてルナは狼人族。本人に言ったら怒るかもしれないが犬に近い何かはあるだろう。

そのためか、ルナには見えているのかもしれない。

霊的何かが。

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